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後2軸駆動のインタ・アクスル・ディファレンシャルに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1) 後後軸のギヤ・キャリヤ前部に取り付けられている。
(2) インタ・アクスル・ディファレンシャル・ロック機構は,ドライブ・ヘリカル・ギヤとアウトプット・シャフトをクラッチ・スリーブで直結にすることで差動を発生させる。
(3) 後後軸のタイヤは,フロント・プロペラ・シャフトの回転が後前軸ギヤ・キャリヤ内のリヤ側のサイド・ギヤとスプラインでかん合されたアウトプット・シャフトを介してリヤ・プロペラ・シャフトに伝えられ回転している。
(4) 大型車の後2軸,2軸駆動の車両に装着される差動装置で,2軸間の駆動力の均等配分や回転速度差によるタイヤの摩耗防止などを行っている。
解く
(1) 後後軸のギヤ・キャリヤ前部に取り付けられている。
不適切
この装置は、後前軸のギヤ・キャリヤ前部に取り付けられ、図のように、ディファレンシャル・ケースと一体となったインブット・シャフトにフロント・プロペラ・シャフトと連結されるフランジ・ヨークが取り付けられている。ディファレンシャルは、4個のピニオン、スパイダ、2個のサイド・ギヤ及びスラスト・ワッシャなどで構成されている。
(2) インタ・アクスル・ディファレンシャル・ロック機構は,ドライブ・ヘリカル・ギヤとアウトプット・シャフトをクラッチ・スリーブで直結にすることで差動を発生させる。
不適切
インタ・アクスル・ディファレンシャル・ロック機構
インタ・アクスル・ディファレンシャルは、通常のディファレンシャルと同様に路面状態などにより、2軸のうちの一方が空転して走行が困難となることがある。このような場合、図のようにドライブ・ヘリカル・ギヤとアウトプット・シャフトをクラッチ・スリーブで直結にし、インタ・アクスル・ディファレンシャルの差動を停止させるロック機構が設けられている。
(3) 後後軸のタイヤは,フロント・プロペラ・シャフトの回転が後前軸ギヤ・キャリヤ内のリヤ側のサイド・ギヤとスプラインでかん合されたアウトプット・シャフトを介してリヤ・プロペラ・シャフトに伝えられ回転している。
不適切
インタ・アクスル・ディファレンシャルの作動
図(1)のように、フロント・プロペラ・シャフトからの回転は、ディファレンシャル・ケースを介してリヤ側のサイド・ギヤに伝わる。リヤ側のサイド・ギヤはドライブ・ヘリカル・ギヤとスプラインでかん合しているため、回転はドライブ・ヘリカル・ギヤ、ドリブン・ヘリカル・ギヤ、後前軸用のドライブ・ピニオンへと伝わり、後前軸のホイールにも回転を伝える。また、ディファレンシャル・ケースの回転は、図(2)のようにフロント側のサイド・ギヤにも伝わるため、フロント側のサイド・ギヤとスプラインでかん合されたアウトプット・シャフト、リヤ・プロペラ・シャフトへと伝わり、後後軸用のドライブ・ピニオンを介して後後軸のタイヤにも回転を伝えている。
(4) 大型車の後2軸,2軸駆動の車両に装着される差動装置で,2軸間の駆動力の均等配分や回転速度差によるタイヤの摩耗防止などを行っている。 ○
適切
4)インタ・アクスル・ディファレンシャル
インタ・アクスル・ディファレンシャルは、図に示す大型車の後2軸、2軸駆動の車両に装着される差動装置で、2軸間の駆動力の均等配分や回転速度差によるタイヤの摩耗防止などを行っている。
よって答えは(4)