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こもり音の指摘のあるFR車(2WD,5速マニュアル・トランスミッション)を試乗した結果,次のとおりとなった。この結果から点検する箇所として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ディファレンシャル・コンパニオン・フランジの振れの点検
(2)プロペラ・シャフトのアンバランスの点検
(3)プロペラ・シャフトのセンタ・べアリング位置の点検
(4)プロペラ・シャフトとディファレンシャルの位相の組み替えの点検
解く
①より駆動しても、②より惰性でも発生
③走行時のみ発生
(1)ディファレンシャル・コンパニオン・フランジの振れの点検 惰性で発生
(2)プロペラ・シャフトのアンバランスの点検 惰性で発生
(3)プロペラ・シャフトのセンタ・べアリング位置の点検 振動の伝達経路
不適切
(4)プロペラ・シャフトとディファレンシャルの位相の組み替えの点検 駆動時に発生
よって答えは(3)
参考
プロペラ・シャフトのアンバランスによるこもり音
図のようにプロペラ・シャフトにアンバランスがあると,高回転時にその遠心力により,シャフトを振り回すことになり,シャフト1回転で1回の振動強制力を発生する。
この振動強制力により駆動系は,図(2)のように曲げられる。この振動がエンジン・リヤ・マウンティングや,センタ・べアリング及びリヤ・サスペンションのプシュなどを経由し,ボデ・パネルが振動して図(3)のようにこもり音が発生する。
ディファレンシャル・コンパニオン・フランジの振れ
コンパニオン・フランジ端面,コンパニオン・フランジとプロペラ・シャフトの嵌合部,ドライブ・ピニオンの芯に振れがあると,図のようにプロペラ・シ
ャフトに振動(プロペラ・シャフトの回転一次成分)が発生する。この振動がプロペラ・シャフトのセンタ・べアリングやリヤ・サスペンションからボデーへ伝達され,
こもり音やビート音が発生する。