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自動車整備士資格試験を解く

平成20年11月実施検定1級小型問題36:こもり音,ビート音の故障診断

36

 

こもり音,ビート音の故障診断に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)惰行時,駆動時にこもり音が発生したのでリジッド・ラックで車両を支えて現象を確認したところ,現象が消えないので,プロペラ・シャフトとドライブ・シャフトの点検が必要と考えられる。

(2)惰行時,駆動時にこもり音が発生したのでリジッド・ラックで車両を支えて現象を確認したところ,現象がなくなり正常になったので,原因はタイヤと判断しプロペラ・シャフトの点検は行わなかった。

(3)駆動時のみにこもり音が発生したので,エンジン各部,エンジンとトランスミッションの締め付け部,ユニバーサル・ジョイント位相,センタ・ベアリンク位置,エキゾースト・パイプ,プロペラ・シャフト・ジョイント角の点検が必要と考えられる。

(4)停車時,エンジン・レーシングでビート音が発生したので,エンジン各部,エアクリーナ,エキゾースト・パイプの点検を行ったが,エアコン・コンプレッサの取り付け部の点検を行わなかった。

 

解く

 

(1)惰行時,駆動時にこもり音が発生したのでリジッド・ラックで車両を支えて現象を確認したところ,現象が消えないので,プロペラ・シャフトとドライブ・シャフトの点検が必要と考えられる。

適切

惰行時:アンバランス

駆動時:ジョイント部のトルク変動

(2)惰行時,駆動時にこもり音が発生したのでリジッド・ラックで車両を支えて現象を確認したところ,現象がなくなり正常になったので,原因はタイヤと判断しプロペラ・シャフトの点検は行わなかった。

適切

(3)駆動時のみにこもり音が発生したので,エンジン各部,エンジンとトランスミッションの締め付け部,ユニバーサル・ジョイント位相,センタ・ベアリンク位置,エキゾースト・パイプ,プロペラ・シャフト・ジョイント角の点検が必要と考えられる。

適切

(4)停車時,エンジン・レーシングでビート音が発生したので,エンジン各部,エアクリーナ,エキゾースト・パイプの点検を行ったが,エアコン・コンプレッサの取り付け部の点検を行わなかった。

不適切

 

 

よって答えは(4)

 

エンジン・ノイズの主な原因

振動強制力

振動伝達部位

①タぺット(動弁機構),タイミング・チェーン,ピストンの

コンロッド,クランクシャフト及び補機類のべアリングな

どから発生する機械振動

②シリンダ・ヘッド,ピストンなど燃焼室から発生する燃焼

膨張振動

③冷却ファン,ファン・シュラウド及びオルタネータ・ファ

ンが,空気を切るときに発生するファン振動

④エア・クリーナから発生する吸気振動

⑤エキゾースト・マニホールド,エキゾースト・パイプ及び

マフラから発生する排気振動

 

①エンジンの共振

②アクセル・ワイヤ

の共振

③エキゾースト・パイプ

の共振

④ボデー・パネルの共振

 

空気,エンジン・マウ

ンティング及びホース

類の振動により伝達

 

 

(c)プーリ比による振動周波数の合成

図に示すエンジン補機類のプーリ径と,クランクシャフト・プーリ径の比が整数倍に近いと,エンジンの発生振動周波数と補機類からの振動周波

数の差がわずかとなり,合成された振動周波数により騒音(ビート音)が発生する。この場合,駆動ベルトを外していくと,関係する補機類が分かる。