振動・騒音に関する故障診断の対処方法として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)直径65cmのタイヤを4輪装着した車両で高速道路を走行中,100km/hでステアリング・ホイールの回転方向にほぼ一定レベルの周波数13.6Hzの振動が発生したため,タイヤのアンバランスだと判断した。
(2)4サイクル4気筒エンジンのエンジン回転速度が1000min-1～1200min-1の領域で,電動ファンの回転(2200min-1）時のみに「ウォーン,ウォーン」という波を打つ感じの音が発生したので，電動ファンのアンバランスとエンジンのトルク変動により発生するビート音と判断し,電動ファンを点検した。
(3)後輪駆動(FR車)の5速MT車で4速(直結)，エンジン回転速度3200min-1で走行中に53.3Hzの車体振動が発生したため，プロペラ・シャフトのアンバランスだと判断した。
(4)4サイクル4気筒エンジンで,Dレンジのアイドル回転(650min-1）時に,ステアリング・ホイール及びシートに振動が発生し，周波数が10.8Hzだったためエンジンのトルク変動と判断し,工ンジン・マウンティングとエキゾースト・パイプの点検を行った。
解く
(1)直径65cmのタイヤを4輪装着した車両で高速道路を走行中,100km/hでステアリング・ホイールの回転方向にほぼ一定レベルの周波数13.6Hzの振動が発生したため,タイヤのアンバランスだと判断した。
100÷3.6＝100/3.6ｍ/ｓ
0.65×3.14＝2.041
100/3.6÷2.041＝13.609・・・Hｚ
タイヤ(直径65cm)のアンバランス＝1次振動
適切
(2)4サイクル4気筒エンジンのエンジン回転速度が1000min-1～1200min-1の領域で,電動ファンの回転(2200min-1）時のみに「ウォーン,ウォーン」という波を打つ感じの音が発生したので，電動ファンのアンバランスとエンジンのトルク変動により発生するビート音と判断し,電動ファンを点検した。
エンジン回転の2次振動（4気筒エンジンのトルク変動による振動）
1000÷60×2＝33.333・・・
1200÷60×2＝40
電動ファンのアンバランスの振動
2200÷60＝36.666・・・
2～4Hzの振動差でビート音が発生する。
適切
(3)後輪駆動(FR車)の5速MT車で4速(直結)，エンジン回転速度3200min-1で走行中に53.3Hzの車体振動が発生したため，プロペラ・シャフトのアンバランスだと判断した。
3200÷60＝53.333・・・（プロペラ・シャフトのアンバランス：1次振動）
適切
(4)4サイクル4気筒エンジンで,Dレンジのアイドル回転(650min-1）時に,ステアリング・ホイール及びシートに振動が発生し，周波数が10.8Hzだったためエンジンのトルク変動と判断し,エンジン・マウンティングとエキゾースト・パイプの点検を行った。
650÷60×2＝21.666・・・（エンジンのトルク変動による振動：エンジン回転の2次振動）
不適切
よって答えは 4
