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平成18年実施検定1級小型問題30:プロペラ・シャフトのジョイントに関する記述

30

プロペラ・シャフトのジョイントに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)ダブル・カルダン型等速ジョイントは,入力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動と,出力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動が相殺されることにより,ジョイント角による回転変動を防止させ,回転の等速性が得られるものである。

(2)トリポード型等速ジョイントは,ヨーク問に硬質ゴム製のカップリングを挟み,交互にボルトで締め付けたもので,弾性係数が低いことと内部摩擦による減衰作用を持っていることが特徴である。

(3)横置きエンジンの4WD車では,路面の凹凸や負荷条件によるジョイント角の変化と同時に,エンジンのロール振動が,直接ジョイント角に影響し,こもり音を発生させやすい。このため,クロス・グルーブ型等速ジョイントを用いることにより,このジョイント角の変化に対応したものもある。

(4)シェル形ベアリング・カップ・ジョイントは,ジョイント部において,カップとスパイダのスパイダ軸方向のガタによるプロペラ・シャフトのアンバランスの発生をなくすため,一般にスナップ・リングを選択して取り付けることにより,バランス性能を向上させたものである。

 

解く

 

(1)ダブル・カルダン型等速ジョイントは,入力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動と,出力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動が相殺されることにより,ジョイント角による回転変動を防止させ,回転の等速性が得られるものである。

適切

ダブル・カルダン型等速ジョイント

ダブル・カルダン型等速ジョイントは,ジョイント角による回転変動を防止するために,一部の高級車種や4WD車に多く採用されている。この等速ジョイントは,カルダン(フック)・ジョイントを2個組み合わせた図のような構造で,入力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動,出力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動が相殺されることにより,回転の等速性が得られるジョイントである。

 

(2)トリポード型等速ジョイントは,ヨーク問に硬質ゴム製のカップリングを挟み,交互にボルトで締め付けたもので,弾性係数が低いことと内部摩擦による減衰作用を持っていることが特徴である。

不適切

フレキシブル・ジョイント

フレキシプル・ジョイントは,2個の三つ又状のヨークの間に,硬質ゴム製のカップリングを挟み,交互にボルトで締め付けてジョイントとしたものである。特徴としては,弾性が低いことと,内部摩擦による減衰作用により,エンジンからプロペラ・シャフトに伝達される振動が低下し,リヤ・サスペンションを経由する振動と騒音(特にこもり音)が低減されることである。

 

 

(3)横置きエンジンの4WD車では,路面の凹凸や負荷条件によるジョイント角の変化と同時に,エンジンのロール振動が,直接ジョイント角に影響し,こもり音を発生させやすい。このため,クロス・グルーブ型等速ジョイントを用いることにより,このジョイント角の変化に対応したものもある。

適切

クロス・グルーブ型等速ジョイント

図のように横置きエンジンの4WD車では,路面の凹凸や負荷条件によるジョイント角の変化と同時に,エンジンのロール振動が,直接ジョイント角に影響する。したがって,このジョイント角による回転(トルク)変動が,こもり音を発生させやすい。そこで,図(1)のようなクロス・グルーブ型等速ジョイントを図(3)の4ジョイント・プロペラ・シャフトに用いることにより,このジョイント角の変化に対応している。

(4)シェル形ベアリング・カップ・ジョイントは,ジョイント部において,カップとスパイダのスパイダ軸方向のガタによるプロペラ・シャフトのアンバランスの発生をなくすため,一般にスナップ・リングを選択して取り付けることにより,バランス性能を向上させたものである。

適切

シェル形べアリング・カップ・ジョイント

シェル形べアリング・カップ・ジョイントとは,プロペラ・シャフトのバランス性能を安定化させるものである。

軸受けのヨークへの固定方法は,一般にスナップ・リングによる方法とカシメによる方法がある。

図のようにシェル形べアリング・カップ・ジョイントは,カシメによる方法であり,スパイダ端面にカップ底を当ててカシメるので,がたは発生せず,バランス性能を安定化させることができる。

よって答えは2