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図に示すCANシステム回路の故障診断に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。ただし,テスタの内部抵抗は測定値に影響を及ぼさないものとし,ホデー・アース間との測定においては,ECU1からECU3のすべてを取り外して測定したものとする。
(1)AB間の抵抗が60Ωで,Cとボデー・アース間が0Ω,Dとボデー・アース間が60Ωの場合は,メイン・バス・ラインのCAN-H線のボデー・アースとの短絡が考えられるが,メイン・バス・ラインのCAN-L線のボデー・アースとの短絡は考えられない。
(2)AB間の抵抗が120Ωで,Cとボデー・アース間,Dとホデー・アース間がともに∞Ωの場合は,メイン・バス・ラインのCAN-H線の断線が考えられるが,メイン・バス・ラインのCAN-L線の断線は考えられない。
(3)AB間の抵抗が0Ωで,Cとホデー・アース間,Dとボデー・アース間がともに∞Ωの場合は,メイン・バス・ラインのCAN-H線とメイン・バス・ラインのCAN-L線との線間短絡が考えられるが,片側の終端抵抗内部の断線は考えられない。
(4)AB間の抵抗が60Ωで,Cとボデー・アース間,Dとボデー・アース間がともに∞Ωの場合は,ECU1からメイン・バス・ラインのCAN-H線までの断線,ECU1からメイン・バス・ラインのCAN-L線までの断線が考えられるが,メイン・バス・ラインのCAN-H線の断線.メイン・バス・ラインのCAN-L線の断線は考えられない。
解く
(1)AB間の抵抗が60Ωで,Cとボデー・アース間が0Ω,Dとボデー・アース間が60Ωの場合は,メイン・バス・ラインのCAN-H線のボデー・アースとの短絡が考えられるが,メイン・バス・ラインのCAN-L線のボデー・アースとの短絡は考えられない。
メイン・バス・ラインのCAN-H線のボデー・アースとの短絡が考えられる
メイン・バス・ラインのCAN-L線のボデー・アースとの短絡:考えられない。(Cとボデー・アース間が60Ω、Dとボデー・アース間が0Ωとなり矛盾する)
(2)AB間の抵抗が120Ωで,Cとボデー・アース間,Dとホデー・アース間がともに∞Ωの場合は,メイン・バス・ラインのCAN-H線の断線が考えられるが,メイン・バス・ラインのCAN-L線の断線は考えられない。
不正解
メイン・バス・ラインのCAN-H線の断線が考えられる
メイン・バス・ラインのCAN-L線の断線は考えられない考えられる
(3)AB間の抵抗が0Ωで,Cとホデー・アース間,Dとボデー・アース間がともに∞Ωの場合は,メイン・バス・ラインのCAN-H線とメイン・バス・ラインのCAN-L線との線間短絡が考えられるが,片側の終端抵抗内部の断線は考えられない。
正解
メイン・バス・ラインのCAN-H線とメイン・バス・ラインのCAN-L線との線間短絡
片側の終端抵抗内部の断線:AB間の抵抗が120Ω
(4)AB間の抵抗が60Ωで,Cとボデー・アース間,Dとボデー・アース間がともに∞Ωの場合は,ECU1からメイン・バス・ラインのCAN-H線までの断線,ECU1からメイン・バス・ラインのCAN-L線までの断線が考えられるが,メイン・バス・ラインのCAN-H線の断線.メイン・バス・ラインのCAN-L線の断線は考えられない。
ECU1からメイン・バス・ラインのCAN-H線までの断線,ECU1からメイン・バス・ラインのCAN-L線までの断線が考えられる:大勢に影響を与えていない
メイン・バス・ラインのCAN-H線の断線は考えられない。:AB間の抵抗が変わる120Ω
メイン・バス・ラインのCAN-L線の断線は考えられない。:AB間の抵抗が変わる120Ω
よって答えは (2)