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自動車整備士資格試験を解く

平成20年11月実施検定1級小型問題30:ABS及びブレーキ・アシスト・システム

30

ABS及びブレーキ・アシスト・システムに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)軟らかい新雪路面を走行しているときは,車輪をロックさせない方が制動距離は短くなる。

(2)ABSを作動させた場合,車両を安定して停止させることができる。

(3)ABS・ECUが異常を検知した場合,ABSウォーニング・ランプを点灯させドライバーに知らせるとともにシステムの作動を禁止する。

(4)ブレーキ・アシスト・システムは,ブレーキ・ペダルの踏み込み速度と踏み込み量を演算し運転者の緊急停止の意志を推定して作動する。

 

 

解く

(1)軟らかい新雪路面を走行しているときは,車輪をロックさせない方が制動距離は短くなる。

不適切

タイヤをロックさせた方が制動距離が短くなる場合

( a )軟らかい新雪

 軟らかい新雪路面を走行しているときは,ロックさせたときの摩擦係数が最も大きいため,ロックさせた方が制動距離は短くなる。

( b )砂利道

 砂利道を走行中にタイヤをロックさせると,図  のようにタイヤの前方に砂利がたまった状態になるため制動距離が短くなる。

(2)ABSを作動させた場合,車両を安定して停止させることができる。

適切

ABS

一般的に車輪がロックすると前輪であれば操舵ができなくなり,後輪であれば車両は,非常に不安定な状態になる。 ABS は,濡れたアスファルト路面や氷雪路などの滑りやすい路面で急ブレーキを掛けても車輪がロックしないようにする装置で,下図 のように急ブレーキ時の車両の方向安定性と操縦性及び制動性能を確保している。

(3)ABS・ECUが異常を検知した場合,ABSウォーニング・ランプを点灯させドライバーに知らせるとともにシステムの作動を禁止する。

適切

ABS ウォー二ング・ランプ

ABS ウォーニング・ランプは,図 のような形をしておりメータ内に取り付けられている。 ABS 又は,ブレーキ・アシスト・システムに異常が発生したことを運転者にランプの.点灯にて警告する。

フェイルセーフ機能

スキッド ECU 本体,スキッド ECU の信号系統,ブレーキ・アクチュエータに異常が発生した場合は, ABS 及び VSCS ウォーニング・ランプを点灯させ, ABS ,ブレーキ・アシスト・システム,トラクション・コントロール.システム及び VSCS の作動を禁止する。

 

(4)ブレーキ・アシスト・システムは,ブレーキ・ペダルの踏み込み速度と踏み込み量を演算し運転者の緊急停止の意志を推定して作動する。

適切

ブレーキ・アシスト・システム

緊急時などで運転者がパニック状態のとき,ブレーキ・ペダルを速く踏み込むことができるが強く踏み込むことができない。また,こうした運転者は,制動後半時ブレーキ・ペダルを長く踏み続けられず制動力が低下してしまう。ブレーキ・アシスト・システムは,図のようにあまりブレーキ・ペダルを強く踏み込めない場合でも制動力を高めることができる装置である。

ブレーキ・アシスト・システムは,ブレーキ・ペダルが速く踏み込まれたとき,運転者の緊急制動の意志を推定し,ブレーキ・アクチュエータに内蔵されているマスタ・シリンダ圧力センサの出力から,ブレーキ・ペダルの踏み込み速度と踏み込み量を演算し,スキッド ECU が運転者の緊急停止の意志を推定して制動力を高め, ABS を含めたブレーキ性能を最大限に発揮させている。また,ブレーキ・アシスト・システム作動後に運転者が意識してブレーキ・ペダルを放した場合,アシスト量を減らすなど,運転者が違和感を感じさせないようにしている。

 

よって答えは1