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EPSのトルク・センサに,図1の信号電圧特性をもつ差動同軸トランスを用いた図3の差動トランス式トルク・センサ回路の点検に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)ステアリング・ホイールが直進・中立(反力なし)のときに,V3とV4の信号電圧波形が異なる場合,コイルb側駆動線の異常(断線・短絡(地絡))は考えられるが,信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大)は考えられない。
(2)ステアリング・ホイールをCCW方向一杯に転舵してロックさせたときに,V1とV3の信号電圧波形が図2のコイルaとコイルbの信号電圧波形とは異なる場合,EPS・ECU電源線の異常(断線・短絡(地絡)),EPS・ECU本体の異常,EPS・ECUアース線の断線,コイルaとコイルbの異常は考えられるが,信号線の短絡(地絡)は考えられない。
(3)ステアリング・ホイールをCCW方向一杯に転舵してロックさせたときに,V1とV2の信号電圧波形が異なる場合,信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大),EPS・ECU本体の異常は考えられるが,コイルa側駆動線の異常(断線又は接触抵抗などの増大)は考えらない。
(4)ステアリング・ホイールをCCW方向一杯に転舵してロックさせたときに,V1とV3の信号電圧波形が,図4のコイルaとコイルbの信号電圧波形のまま変化しない場合,ムービング・コアの異常は考えられるが,信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大)は考えられない。
(解く)
(1)ステアリング・ホイールが直進・中立(反力なし)のときに,V3とV4の信号電圧波形が異なる場合,コイルb側駆動線の異常(断線・短絡(地絡))は考えられるが,信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大)は考えられない。
(不適切)
コイルb側駆動線の異常(断線・短絡(地絡))
・断線:考えられる
V3は波形でない。V4波形出る;V3≠V4
・短絡(地絡):考えられない。
V3=V4
信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大)
断線:考えられない。
V3≠V4
(2)ステアリング・ホイールをCCW方向一杯に転舵してロックさせたときに,V1とV3の信号電圧波形が図2のコイルaとコイルbの信号電圧波形とは異なる場合,EPS・ECU電源線の異常(断線・短絡(地絡))、EPS・ECU本体の異常,EPS・ECUアース線の断線,コイルaとコイルbの異常は考えられるが,信号線の短絡(地絡)は考えられない。
不適切
信号線の短絡(地絡)は考えられる。
V1≠V3
EPS・ECU電源線の異常(断線・短絡(地絡)).EPS・ECU本体の異常,EPS・ECUアース線の断線:考えられない。
これは、コイルaとコイルbに電力は供給されない。が波形は出ないが同じだが
V1=V3
波形は出ないので、図2とは異なる。
コイルaとコイルbの異常:図2のコイルaとコイルbの信号電圧波形とは異なる:考えられる
(3)ステアリング・ホイールをCCW方向一杯に転舵してロックさせたときに,V1とV2の信号電圧波形が異なる場合,信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大),EPS・ECU本体の異常は考えられるが,コイルa側駆動線の異常(断線又は接触抵抗などの増大)は考えらない。
不適切
信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大):考えられる
EPS・ECU本体の異常:考えられない
コイルa側駆動線の異常(断線又は接触抵抗などの増大):考えられる
V1は、テスタを介した回路が成立しないため、波形が出ない。
V2は、テスタを介した回路が成立するため、波形が出る。
(4)ステアリング・ホイールをCCW方向一杯に転舵してロックさせたときに,V1とV3の信号電圧波形が,図4のコイルaとコイルbの信号電圧波形のまま変化しない場合,ムービング・コアの異常は考えられるが,信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大)は考えられない。
適切
信号線の異常(断線又は接触抵抗などの増大):考えられない。
信号を発生する回路に影響はない
よって答えは(4)
改善の余地あり