図1に示すボルテージ・ドライブ式フューエル・インジェクタ(外部レジスタ付)回路の点検に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。ただし,図2~4の測定波形は正常にエンジンが回転中のものであり,オシロスコープのTIME/DIVは1msとする。
問題補足
(1)インジェクタの上流にレジスタを配置した場合,内部レジスタ式に比べてインジェクタの駆動がスムーズになるという利点があり,V1,V3,V4の測定波形から,このインジェクタが実際に燃料を噴射している時間は,2.8msであると判断できる。
(2)駆動停止条件時のV4に12Vが発生しない場合,レジスタの断線及びインジェクタの断線が考えられるが,エンジンECU本体の異常は考えられない。
(3)駆動条件時のV3が図3のインジェクタ駆動電圧特性から外れる場合,インジェクタのコイルの抵抗値を測定し,この値が正常であれば,インジェクタ電源線(レジスタも含む)の異常(断線,短絡,接触抵抗などの増大),インジェクタ駆動信号線の異常(断線,短絡,接触抵抗などの増大),及びエンジンECU本体の異常が考えられる。
(4)駆動条件時, V2は12Vからレジスタでの電圧降下分だけ低くなるが,0V一定の場合,インジェクタ電源線(レジスタも含む)の異常(断線,短絡(地絡))は考えられるが,インジェクタの短絡(地絡)は考えられない。
解く
(1)インジェクタの上流にレジスタを配置した場合,内部レジスタ式に比べてインジェクタの駆動がスムーズになるという利点があり,V1,V3,V4の測定波形から,このインジェクタが実際に燃料を噴射している時間は,2.8msであると判断できる。
不適切
適切な内容に訂正
(1)インジェクタの上流にレジスタを配置した場合,内部レジスタ式に比べてインジェクタの駆動がスムーズになるという利点があり,V1,V3,V4の測定波形から,このインジェクタが実際に燃料を噴射している時間は,1.0msであると判断できる。
(2)駆動停止条件時のV4に12Vが発生しない場合,レジスタの断線及びインジェクタの断線が考えられるが,エンジンECU本体の異常は考えられない。
不適切
ECU本体の異常:考えられる。
(3)駆動条件時のV3が図3のインジェクタ駆動電圧特性から外れる場合,インジェクタのコイルの抵抗値を測定し,この値が正常であれば,インジェクタ電源線(レジスタも含む)の異常(断線,短絡,接触抵抗などの増大),インジェクタ駆動信号線の異常(断線,短絡,接触抵抗などの増大),及びエンジンECU本体の異常が考えられる。
適切
(4)駆動条件時, V2は12Vからレジスタでの電圧降下分だけ低くなるが,0V一定の場合,インジェクタ電源線(レジスタも含む)の異常(断線,短絡(地絡))は考えられるが,インジェクタの短絡(地絡)は考えられない。
不適切
インジェクタの短絡(地絡):考えられる。
よって答えは(3)