自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

センサ:平成24年3月実施1級小型問題5

自動車整備士資格の勉強始めました

 

センサに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。


(1)測温抵抗体は,サーミスタと同じように温度によって抵抗値が変化する抵抗体で,サーミスタと比べ温度係数,温度抵抗変化幅,リニア変化特性,温度抵抗値精度などの温度検出精度に優れた特徴を備えている。


(2)ノック・センサは,センサ・ボデーに固定されている振動板に5V安定化電源を加えることで,振動板上の圧電素子に圧力(エンジン全般の振動成分)に応じた起電力を発生し,ノッキングによる振動を検出する。


(3)バキューム・センサ(圧力センサ)は,半導体チップ(シリコン・チップ)にひずみを与えることで,抵抗値が変化するピエゾ抵抗効果を利用したもので,半導体チップに作用した圧力の大小による抵抗変化で液体,気体などがもっている圧力値を検出する。


(4)O2センサに用いられる円筒状のジルコニア素子は,内外面に白金がコーティングされており,活性化領域(例:360℃)を超えたとき,大気側と排気ガス側の酸素濃度差により,起電力を発生させる性質がある。

 

 

 

 

 

 

 

解く
(1)測温抵抗体は,サーミスタと同じように温度によって抵抗値が変化する抵抗体で,サーミスタと比べ温度係数,温度抵抗変化幅,リニア変化特性,温度抵抗値精度などの温度検出精度に優れた特徴を備えている。
適切
温度検出式には,水温センサ,吸気温センサ,油温センサなどが該当し,センサ部には,サーミスタや測温抵抗体などが用いられている。サーミスタは,反応熱により抵抗値が変化する性質を利用しており,一般に温度検出と自己発熱の性質を有しているため,高精度の検出には,自己発熱の補正が必要になる。測温抵抗体は,サーミスタと同じように温度によって抵抗値が変化する抵抗体で,サーミスタと比べ温度係数,温度抵抗変化幅,リニア変化特性,温度抵抗値精度などの温度検出精度に優れた特徴を備えている。

 

(2)ノック・センサは,センサ・ボデーに固定されている振動板に5V安定化電源を加えることで,振動板上の圧電素子に圧力(エンジン全般の振動成分)に応じた起電力を発生し,ノッキングによる振動を検出する。
不適切
 ノック・センサは,振動板をセンサ・ボデーに固定し,振動板上に圧電素子(圧力を加えると起電力を発生させる特殊な素子)が組み付けられている。この圧電素子には電極が設けられ,一方の電極は出力ターミナル,他方の電極はノック・センサ・ボデーに接続されている。
 ノック・センサの発生起電力は,エンジン全般の振動成分(共振型ではノック領域だけを検出しているものもある。)を含有しており,この振動成分は,2気筒,直列4気筒直列6気筒V型8気筒でそれぞれ異なり,シリンダ・ブロックの材料組成条件にも関係し,鋳鉄製ブロックとアルミ合金製ブロックでは,ノッキングの周波数が異なる。

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(3)バキューム・センサ(圧力センサ)は,半導体チップ(シリコン・チップ)にひずみを与えることで,抵抗値が変化するピエゾ抵抗効果を利用したもので,半導体チップに作用した圧力の大小による抵抗変化で液体,気体などがもっている圧力値を検出する。
適切
バキューム・センサ(圧力センサ)には,基準室に大気圧を用いたゲージ圧検出型と,基準室に真空を用いた絶対圧(アブソリュート圧)検出型があり,自動車では一般に絶対圧検出型が用いられている。


100 キロパスカル (kPa) = 0.1 メガパスカル (MPa) ≈ 0.987 気圧(標準大気圧)

 

 ゲージ圧検出型は,大気圧を基準に正圧側,負圧側の検出を行うものである。
 絶対圧検出型は,真空値を基準に真空値から大気圧値及び加圧値までの検出を行うものである。
 絶対圧検出型は,インテーク・マニホールド内に発生した圧力をシリコン・チップ(ピエゾ抵抗効果素子)に作用させ,シリコン・チップは,受けた圧力によって電気抵抗が変化する。シリコン・チップには電極を設け,5V安定化電圧を加えておき,圧カの変化に応じた電流の変化をICによって,電圧の変化に置き換えてセンサ信号電圧を出力している。


(4)O2センサに用いられる円筒状のジルコニア素子は,内外面に白金がコーティングされており,活性化領域(例:360℃)を超えたとき,大気側と排気ガス側の酸素濃度差により,起電力を発生させる性質がある。
適切
 図に示すO2センサは,排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出するもので,この酸素濃度を検出するこ とで空燃比(A/F)が理論空燃比に対し,小さい(濃い)か,大きい(薄い)かを判断する。

 

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 02センサは,円筒状のジルコニア素子の内外面に白金をコーティングしてあり,内側は大気と,外側は排気ガス接触できるようになっている。なお,ジルコニア素子は,活性化領域(例:360℃)を超えたとき,大気側と排気ガス側の酸素濃度差により,起電力を発生させる性質がある。

よって答えは 2