↑リンク腕試し過去問で
再現性の乏しい不具合に対する故障診断を実施する場合に,外的要因を車両停止状態において加えることで行う「再現手法」に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)雨天又は高湿度時に不具合が発生すると思われる車両において,水掛け法によりエンジン・ルーム内の温度や湿度を変えたい場合は,エンジン・ルームに直接水を掛ける手法がある。
(2)温間時に不具合が発生すると思われる車両において,冷熱法によりECUを加熱する場合は,ECUのふたを開けて90℃まで直接加熱する手法がある。
(3)電気負荷大のときに不具合が発生すると思われる車両において,ユーザの使用状況がショート・トリップが多く,充電不足が考えられる場合は,ヒ一夕・ブロワ,ヘッドランプ,リヤ・ウインド・デフォッガなどの電気負荷をすべてOFFにし,不具合の発生がないかを点検する手法がある。
(4)AT車のエンジン・ルーム内の配線に不具合がある場合に実施する加振法として,D及びRレンジでストール・テストを行う手法がある。
解く
(1)雨天又は高湿度時に不具合が発生すると思われる車両において,水掛け法によりエンジン・ルーム内の温度や湿度を変えたい場合は,エンジン・ルームに直接水を掛ける手法がある。
不適切
エンジン・ルームに直接水を掛けてはいけない。
(2)温間時に不具合が発生すると思われる車両において,冷熱法によりECUを加熱する場合は,ECUのふたを開けて90℃まで直接加熱する手法がある。
不適切
ECUなどのふたを開けて直接電子部品を加熱,冷却をしない
(3)電気負荷大のときに不具合が発生すると思われる車両において,ユーザの使用状況がショート・トリップが多く,充電不足が考えられる場合は,ヒ一夕・ブロワ,ヘッドランプ,リヤ・ウインド・デフォッガなどの電気負荷をすべてOFFにし,不具合の発生がないかを点検する手法がある。
不適切
ON
(4)AT車のエンジン・ルーム内の配線に不具合がある場合に実施する加振法として,D及びRレンジでストール・テストを行う手法がある。
適切
よって答えは(4)
再現テスト
加振法 |
振動により不具合が発生すると思われる場合 |
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〔部品,センサ〕 推定不具合系統の部品,センサに指で軽く振動を与え不具合の発生がないか点検する。 注意:リレー類は,強い衝撃を与えるとポイントが開くことがある。 〔配線,コネクタ〕 配線を軽く上下,左右にゆすり,不具合の発生がないかを点検する。特に,配線ではコネクタの付け根,振動の支点,ボデーの貫通部を重点に点検する サービスヒント エンジン・ルーム内の配線の不具合で,エンジンのトルク反力で傾いたとき不具合が発生する場合がある。このような場合,AT車でD及びRレンジですとーる・テストを行うと再現することがある。
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冷熱法 |
冷間時又は温間時に不具合が発生すると思われる場合 |
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〔部品) ヘア・ドライヤ,冷却剤を用いて,推定不具合の部品を加熱又は冷却し,不具合の発生がないか点検する。 注意・加熱する場合は,一般的な部品は60℃(手で触れる程度)(エンジンルーム80℃)以上にしない。 ・ECUなどのふたを開けて直接電子部品を加熱,冷却をしない 〈参考〉冷却剤は,電子部品販売店で入手できる。 |
水かけ法 |
雨天又は高湿度時に不具合が発生すると思われる場合 |
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〔車両〕 車両に水をかけ不具合の発生がないか点検する。 注意 ・エンジン・ルームには直接水をかけないで,ラジエータ前面に霧吹き状に吹き付け,間接的に温度,湿度を変える。 ・電子部品に直接水をかけない。 サービス・ヒント 車室内に雨漏れがある場合,雨水が配線を伝わってECU内部に入り込むこともある。したがって,雨漏れの前歴がある車両などは特に注意する必要がある。 |
その他 |
電気負荷大の時に不具合が発生すると思われる場合 (お客様の車の使用状況が短い距離が多く,充電不足が考えられるとき) |
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ヒータ・ブロワ,ヘッドランプ,リヤ・ウインド・デフォッガなどの電気負荷をすべてONにし,不具合の発生がないかを点検する。 |