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令和6年3月実施1級小型問題22:振動・騒音分析器に関する記述

22

振動・騒音分析器に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)振動周波数分析(分析器モード)の表示画面において,振動のスペクトルは振動周波数ごとの振動レベルの分布を表し,問題となる振動(音)の周波数と振動(音圧)レベルを確認できる。

 

(2)振動量の測定(振動計モード)の表示画面に示されているACCとは,加速度のことで,人体応答に適応し,高振動周波数で大出力が得られる。

 

(3)振動計モードでは,パワー・スペクトル(加速度変動)と振動波形を測定することが可能であり,分析器モードでは,速度,変位の同時計測や加速度実効値,ピーク値,波高率の計測ができる。

 

(4)騒音の発生源の探求は,振動周波数分析で示された振動周波数帯で振動レベルの加速度,すなわちスペクトルが大きくなっている箇所を見極め,その振動周波数に関連深い部品に着目することである。

 

解く

(1)振動周波数分析(分析器モード)の表示画面において,振動のスペクトルは振動周波数ごとの振動レベルの分布を表し,問題となる振動(音)の周波数と振動(音圧)レベルを確認できる。

適切

(2)振動量の測定(振動計モード)の表示画面に示されているACCとは,加速度のことで,人体応答に適応し,高振動周波数で大出力が得られる。

適切

(3)振動計モードでは,パワー・スペクトル(加速度変動)と振動波形を測定することが可能であり,分析器モードでは,速度,変位の同時計測や加速度実効値,ピーク値,波高率の計測ができる。

不適切

振動計モード⇔分析器モード

(4)騒音の発生源の探求は,振動周波数分析で示された振動周波数帯で振動レベルの加速度,すなわちスペクトルが大きくなっている箇所を見極め,その振動周波数に関連深い部品に着目することである。

適切

 

よって答えは3

 

参考

振動・騒音分析器

図のような振動・騒音分析器は,自動車の振動・騒音の測定や診断に用いられる振動計内蔵の分析器で,振動や騒音を数値で定量的に把握するものである。

この分析器は,振動計モードでは,加速度,速度,変位の同時計測や加速度実効値,ピーク値,波高率の計測ができ,分析器モードでは,パワー・スペクトル(加速度変動)と振動波形を,図のように簡易に測定することができる。

(イ)振動・騒音分析器の用途

振動・騒音分析器は,各産業分野の分析に広く使用されているが,自動車としては,次のものに用いられている。

①自動車各部位の振動・騒音の測定と分析

②振動源・騒音源の探知

③ドライブ・シャフトなど回転体のアンバランスの測定とバランス調整

④車両の振動・騒音の現状の把握と整備後の効果確認の判定など

 

(ロ)振動・騒音分析器の特徴

自動車に用いる場合の特徴には,次のものがある。

①外部の騒音計を接続することによる振動・騒音の測定及び分析

②振動加速度,速度,変位の測定と測定データの記憶

③回転体のバランス調整機能の内蔵

 

(ハ)振動量の測定(振動計モード)

自動車の振動現象は,ばね上振動のような数Hzの低周波のものから歯車のように数kHzの高周波まで広範囲に含まれているが,その部位の全体域(測定器で設定される振動周波数帯域)の振動を定量的に把握する場合には,振動計モードにして測定を行う。一般的な測定例としては,整備前の振動量と整備後の振動量の測定を行い,その結果を比較して,その効果を確認したいときなどに用いる。この場合,振動センサは,測定部位に極力近い位置にセットする。振動量測定の種類には,加速度,速度,変位があり,それらの測定は,それぞれ,表のような目的及び特徴がある。自動車整備の場合には,加速度の測定を用いることが多く,以下,加速度の測定による振動・騒音の分析について説明する。

 

測定の内容(運動量)

図は,加速度の大きさ及び経過時間との関係の波形表示例で,これは,振動による力の大きさと時間との関係が示されている。

図は,振動量測定の表示例であるが,表で示した,加速度,速度,変位などが同時に測定される。

(二)振動周波数分析(分析器モード)

前述のように自動車の振動周波数の帯域は広く,振動の発生源を探知し,振動対策を行うには,振動量の測定だけでは不十分で,振動周波数の分析が欠かせない。また,振動と騒音は,相関関係にあり,振動周波数分析は騒音(異音)の発生源の探究にも効果的である。図は振動周波数分析の表示例で,横軸に振動周波数,縦軸に加速度が表示されている。

図の振動のスペクトルは,振動周波数(Hz)ごとの振動レベル(m/s2)の分布を表し,このスペクトルから,問題の振動(音)の周波数と振動(音圧)レベルを確認すること

ができる。

騒音の発生源の探究は,この振動周波数分析で示された振動周波数帯で振動レベルの加速度,すなわちスペクトルが大きくなっている箇所を見極め,問題となる振動周波数に関連深い部品に着目して故障箇所の整備や振動防止対策を行うことになる。