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令和5年3月実施1級小型問題17:振動・騒音に関する記述

17

振動・騒音に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)液体封入式のエンジン・マウンティングは,低振動周波数帯域では,ダイヤフラムの作動により,減衰係数を大きくしてエンジンの振動を抑制し高振動周波数帯域では,液体がオリフィス内を移動することにより,ばね定数を低く抑え静粛性を向上させている。

 

(2)レゾネータは,エンジンの吸入音の振動周波数と吸気系の共鳴周波数をすらすことによって,こもり音やエンジン・ノイズの原因となる吸気騒音を低減している。

 

(3)非拘束型の振動抑制(ダンピング)材料は,振動抑制材料が伸び縮みをすることにより,振動を抑制しており,振動抑制効果は,振動抑制材料の厚みにほぼ比例している。拘束型の振動抑制(ダンピング)材料は,非拘束型に拘束層(鋼板・樹脂など)を追加したもので,適切な材料を選ぶことにより,高い振動抑制作用を示す。

 

(4)自動車の振動のうち,「ボデー内外板の膜振動」は弾性振動に該当し,「自動車のはね上振動」は剛体振動に該当する。

 

(解く)

(1)液体封入式のエンジン・マウンティングは,低振動周波数帯域では,ダイヤフラムの作動により,減衰係数を大きくしてエンジンの振動を抑制し高振動周波数帯域では,液体がオリフィス内を移動することにより,ばね定数を低く抑え静粛性を向上させている。

不適切

 

液体封入式

ゴム内部に液体を封入した図のような構造のもので,低振動周波数帯域では,液体がオリフィス内を移動することにより,減衰係数を大きくして,エンジンの振動を抑制し,高振動周波数帯域では,ダイヤフラムの作動により,ばね定数を低く抑え,静粛性を向上させている。

(2)レゾネータは,エンジンの吸入音の振動周波数と吸気系の共鳴周波数をすらすことによって,こもり音やエンジン・ノイズの原因となる吸気騒音を低減している。

適切

 

レゾネータ

吸入音の振動周波数が,車室内の共鳴周波数や吸気系の共鳴周波数と一致すると,図(1)ような状態となり,吸気騒音が増大し,こもり音やエンジン・ノイズの原因となる。

そこで,図(2)のようなレゾネータを装着して,吸気系の共鳴周波数をずらし,こもり音やエンジン・ノイズを低減する方法が広く採用されている。取り付け位置は,エア・クリーナ・ケース一体のものと,図のようにエア・クリーナ・ホースの途中に付くものがある。図は,レゾネータの有無による,車室内騒音の音圧レベルを示したものである。

(3)非拘束型の振動抑制(ダンピング)材料は,振動抑制材料が伸び縮みをすることにより,振動を抑制しており,振動抑制効果は,振動抑制材料の厚みにほぼ比例している。拘束型の振動抑制(ダンピング)材料は,非拘束型に拘束層(鋼板・樹脂など)を追加したもので,適切な材料を選ぶことにより,高い振動抑制作用を示す。

 

適切

振動抑制(ダンピング)材料

振動体(発音体)であるボデー・パネルの振動は,振動の抑制に効果のある材料を用いて低減することができる。振動の抑制は,振動エネルギを熱エネルギに変換することにより,振動体の振動レベルを減少させるものである。振動抑制材料は,図のように非拘束型と拘束型に分類される。非拘束型は,パネルの振動で,図(1)のように,振動抑制材料が伸び縮みをすることにより,振動を抑制する。この振動抑制効果は,振動抑制材料の厚みにほば比例している。拘束型は,非拘束型に図(2)のように,拘束層(鋼板・樹脂など)を追加したもので,適切な材料を選ぶことにより,高い振動抑制作用を示す。

(4)自動車の振動のうち,「ボデー内外板の膜振動」は弾性振動に該当し,「自動車のはね上振動」は剛体振動に該当する。

適切

 

よって答えは1