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図1に示すEPSのDCブラシ・モータの駆動回路の点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,最大駆動時のV2とV5がともに約1Vであり,最小駆動時のV2とV5がともに約12Vの場合は正常と考えられる。
(2)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,V1が0Vの場合は,EPS・ECU本体の異常,駆動アンプの異常が考えられるが,CW側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大),CCW側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大)は考えられない。
(3)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,V1とⅤ4の電圧値に差が発生している場合は,側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大)が考えられるが,CCW側駆動線の異常(短絡)は考えられない。
(4)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,V3に12Vの電圧が発生しなければ,EPS・ECU本体の異常,駆動アンプの異常が考えられるが,CW側駆動線の異常(短絡),モータの異常(短絡)は考えられない。
解く
CW(CCW=0V)最大駆動時
(1)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,最大駆動時のV2とV5がともに約1Vであり,最小駆動時のV2とV5がともに約12Vの場合は正常と考えられる。
適切
(2)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,V1が0Vの場合は,EPS・ECU本体の異常,駆動アンプの異常が考えられるが,CW側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大),CCW側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大)は考えられない。
適切
駆動アンプの異常:駆動回路の異常にて駆動の信号が出ない場合。
CW側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大),CCW側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大)の場合:V1は0Vになりえない(下図)
(3)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,V1とⅤ4の電圧値に差が発生している場合は,CW側駆動線の異常(断線,接触抵抗などの増大)が考えられるが,CCW側駆動線の異常(短絡)は考えられない。
適切
(4)ステアリング・ホイールを,右旋回方向(CW)に一定操舵力で操舵したときに,V3に12Vの電圧が発生しなければ,EPS・ECU本体の異常,駆動アンプの異常が考えられるが,CW側駆動線の異常(短絡),モータの異常(短絡)は考えられない。
不適切
CW側駆動線の異常(短絡),モータの異常(短絡):考えられる(地絡系)、ちなみに線間短絡でも成り立つ
よって答えは(4)