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図に示す警告灯の回路の点検に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)駆動停止(消灯)条件時,V1の電圧が0Vのときは,①の箇所の断線が推測できる。
(2)駆動(点灯)条件時,V2の電圧が0Vのときは,警告灯の断線が推測できる。
(3)駆動(点灯)条件時,V3の電圧が0Vで,かつ,警告灯が正常の場合は②の箇所の断線が推測できる。
(4)駆動(点灯)条件時,V3の電圧が12Vで,かつ,警告灯が点灯しないときは,ECU本体の異常が推測できる。
解く
(1)駆動停止(消灯)条件時,V1の電圧が0Vのときは,①の箇所の断線が推測できる。
不適切
ECU本体の異常
アクチュエータ電源線断線
駆動信号線断線
アクチュエータの警告灯
(断線、短絡)
(2)駆動(点灯)条件時,V2の電圧が0Vのときは,警告灯の断線が推測できる。
不適切
アクチュエータの抵抗値などを測定し、アクチュエータが正常であれば、
アクチュエータ電源線の異常(断線、短絡、接触抵抗などの増大)
駆動信号線の異常(断線、接触抵抗などの増大)
(3)駆動(点灯)条件時,V3の電圧が0Vで,かつ,警告灯が正常の場合は②の箇所の断線が推測できる。
適切
(4)駆動(点灯)条件時,V3の電圧が12Vで,かつ,警告灯が点灯しないときは,ECU本体の異常が推測できる。
不適切
アクチュエータの異常(断線、)→V3は0VではないのでこれもNG
アクチュエータの異常(接触抵抗増大)
よって答えは(3)
解説
マイコンの点検
マイコンは,図のようにECU内部にあり,直接点検することができないため,警告灯を活用して間接的にマイコンの点検を行う。
①マイコンが正常(異常の自己診断コードが表示されない状態をもって正常と判断)の場合には,出力回路をONにするので,警告灯→抵抗(R)の回路の電圧は,出力回路を経由してECUのアースに流れる。このため,トランジスタ(以下,当教科書ではTrという。)がOFFとなり警告灯が消灯するので,「警告灯の消灯」を確認する。
②マイコンは,異常検知を行うと出力回路をOFFにするので,抵抗(R)出力回路間に電圧が発生する。このため,TrはONとなり,12V電源→警告灯→Tr→ECUのアースに電流を流す回路構成が働き,警告灯が点灯するので,「警告灯の点灯」を確認する。
③5V安定化電源が不安定になると,マイコン及び出力回路が正常に機能しなくなるので,出力回路はOFFになり,警告灯を点灯させる。この状態では,車載故障診断装置は機能せす(フェイルセーフへは移行しない。),警告灯のみが点灯する。