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表にある抵抗計の性能に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)50kΩのレンジを使用する場合,性能表の確度に入る時間が「応答時間:3秒以内(同一レンジで確度に入るまで)」と記載されているため,3秒間は測定入力を行い,表示が安定した後の値を読み取ることが必要である。
(2)5kΩのレンジにおいて,表示部が0kΩ(プローブ短絡)を表示しているときは,0.25mA未満で0.25mAに最も近い電流が,ターミナルから測定物に流れていることを表している。
(3)開放電圧「く2.5V」とは,プロープ開放時に2.5V未満の電圧がターミナルに出力されていることを表し,その電圧は,測定物がもっている抵抗値が測定時に変化した場合でも変動しない。
(4)500Ωレンジを使用する場合,測定値の誤差を表すreadingが±0.05%,右側一桁から表示される数値の範囲を表すdigitが±2とあるが,これは,抵抗のゼロ調整を行った後の確度を表している。
(解く)
(1)50kΩのレンジを使用する場合,性能表の確度に入る時間が「応答時間:3秒以内(同一レンジで確度に入るまで)」と記載されているため,3秒間は測定入力を行い,表示が安定した後の値を読み取ることが必要である。
適切
500Ω~500kΩのレンジを使用する場合に,性能表の確度に入る時間(サンプリング時間)が3秒以内と記載されているため,3秒間は測定入力を行い,表示が安定した後の値を読み取ることが必要である。また,測定中にプローブの当て方に不確実な要因が発生した場合は,再度,その時点からプローブを10秒間当てなければならない。 |
(2)5kΩのレンジにおいて,表示部が0kΩ(プローブ短絡)を表示しているときは,0.25mA未満で0.25mAに最も近い電流が,ターミナルから測定物に流れていることを表している。
適切
最大測定電流及び開放電圧 抵抗計での測定は,テスタ側から測定物に電流を流し流れた量によって抵抗値を表示する仕組みである ため,測定内容(半導体の測定など)によっては,測定精度の保証が得られなくなる。 最大測定電流とは,各レンジでの測定値の表示が0となったとき,測定用のターミナルから測定物に流れ る電流のことである。 例として,表に示すように5kΩのレンジにおいて,表示部が0kΩ(プローブ短絡)を表示している ときは,0.25mA未満で025mAに最も近い電流が,ターミナルから測定物に流れていることになる。
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(3)開放電圧「く2.5V」とは,プロープ開放時に2.5V未満の電圧がターミナルに出力されていることを表し,その電圧は,測定物がもっている抵抗値が測定時に変化した場合でも変動しない。
不適切
開放電圧は,ターミナルから測定用電流が流れていない状態(プローブ開放)を表し,2.5V未満の電圧が ターミナルに出力されていることを表している。また,ターミナルに出力されている電圧は,測定時には測 定物がもっている抵抗値によって変わる。 |
(4)500Ωレンジを使用する場合,測定値の誤差を表すreadingが±0.05%,右側一桁から表示される数値の範囲を表すdigitが±2とあるが,これは,抵抗のゼロ調整を行った後の確度を表している。
適切
抵抗の確度 表の下に書いてあるとおり抵抗のゼロ調整を行った後の確度を示している。 |
よって答えは(3)