デジタル式サーキット・テスタに関して述べた(イ)から(ハ)の文章の正誤の組み合わせとして,適切なものは(1)から(4)のうちどれか。
(イ)電源電圧が12Vで,抵抗値2MΩの抵抗2個を直列に接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタ(電圧計)を接続したとき,計算で求められるテスタの表示値は,約5.2333Vになる。
(ロ)平均値整流実効値校正方式のAC・DCコンバータにおいて,入力された交流電圧を直流電圧(平均値)に変換する際は,正弦波であることを前提にしており,正弦波の波高率から算出した波形率(1.11倍)を乗じて計測するため,正弦波以外の交流電圧の測定時には計測誤差が大きくなる。
(ハ)テスタの直流電圧表示値が40.000Vのとき,直流電圧計の性能表に確度が50Vレンジで「0.03+2」と記載されていた場合の実際の電圧値は,39.986V~40.014Vの範囲になる。
(イ) (ロ) (ハ)
(1) 正 正 正
(2) 正 正 誤
(3) 誤 誤 正
(4) 誤 正 正
解く
(イ)電源電圧が12Vで,抵抗値2MΩの抵抗2個を直列に接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタ(電圧計)を接続したとき,計算で求められるテスタの表示値は,約5.2333Vになる。
抵抗2MΩと直流出圧系の内部抵抗11MΩの合成抵抗は、
抵抗R1と直流電圧計の内部抵抗が合成された測定電圧は、電源電圧12Vを22/13MΩと抵抗(R2)の2MΩで分圧し、22/13MΩの両端に発生する電圧を表示する。
(イ)は誤
(ロ)平均値整流実効値校正方式のAC・DCコンバータにおいて,入力された交流電圧を直流電圧(平均値)に変換する際は,正弦波であることを前提にしており,正弦波の波高率から算出した波形率(1.11倍)を乗じて計測するため,正弦波以外の交流電圧の測定時には計測誤差が大きくなる。
平均値整流実効値校正方式デジタル・テスタは,交流電圧及び電流の平均値を測定し,それに一定の値(波形率)を掛け合わせることによって,実効値を算出する方式で,測定する交流電圧が正弦波であることを前提に,正弦波の平均値を測定し,正弦波の波形率(実効値/平均値= 1 . 1107 )を乗じて実効値の表示を行っている。
これによって,正弦波の実効値は正確に測定できるが,正弦波以外の波形については,予想外の大きな測定誤差が発生する。
ただし,測定波形と波高率が事前に判明していれば,測定値を補正して真値への校正が行える。
前述の真の実効値方式に比べると,回路が簡単で安価である。
波高率=クレストファクタ
平均値整流実効値校正方式のAC・DCコンバータは,入力された交流電圧を直流電圧(平均値)に変換したとき,正弦波であることを前提にしているため,正弦波の波高率から算出した波形率(1.11倍)を乗じて測定するため,正弦波以外の交流電圧の測定には測定誤差が大きくなる。
(ロ)は正
(ハ)テスタの直流電圧表示値が40.000Vのとき,直流電圧計の性能表に確度が50Vレンジで「0.03+2」と記載されていた場合の実際の電圧値は,39.986V~40.014Vの範囲になる。
40.000×0.0003+0.002=0.014
40.000±0.014=39.986V~40.014V
(ハ)は正
よって答えは(4)