デジタル・テスタに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)NMRRとは,大地(アース)を基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に,測定値に与える影響度を表している。
(2)クレスト・ファクタ3未満の真の実効値方式のデジタル式サーキット・テスタを使用して,デューティ比5%のパルス矩形波の交流電圧を測定するときは,測定した値を約2.236倍して読む。
(3)電源電圧が10Vで,抵抗値2MΩの抵抗2個を直列に接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタ(電圧計)を接続したとき,計算で求められるテスタの表示値は,約4.5833Vになる。
(4)テスタの直流電圧表示値が4.0000Vのとき,直流電圧計の性能表に記載の確度が5Vレンジで「0.025+5」と表記されたテスタの実際の測定値は,3.9994~4.0006の範囲になる。
解く
(1)NMRRとは,大地(アース)を基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に,測定値に与える影響度を表している。
不適切
NMRR(Nomal Mode Rejection Ratio) NMRRとは,測定電圧に別の電圧(ノイズなど)が重畳している場合に,測定値に与える影響度を表している。 「NMRR:60dB以上50/60Hz」と書かれている場合は,50Hz及び60Hzでの成分をもった電圧(ノイズ)が測定電圧に重畳しているとき,その電圧(ノイズ)を1/1000 以下に減衰させて,測定目的とした電圧値の表示を行っている。
CMRR(Commom Mode Rejection Ratio) CMRRとは,アースを基準とした別の電圧(ノイズなど)が測定電圧に印加された場合に,測定値に与える影響度を表している。 「CMRR:120dB以上50/60HzJと書かれている場合は,50Hz及び60Hzでの成分をもった電圧(ノイズ)が測定端子とアース間に発生したときに,測定電圧への影響度が1/1000000 以下に除去する能力があることを表している。
また,参考としてノイズには,ノーマル・モード・ノイズ,コモン・モード・ノイズなどがある。 ノーマル・モード・ノイズとは,図1−37のようにーつの回路を構成する配線の中に,∿で表す別の電圧(ノイズ)が集まっている状態をいう。 コモン・モード・ノイズとは,図1-38のようにーつの回路を構成する配線の片側とアース間に,∿で表す電圧(ノイズ)で電位差が発生している状態をいう。 |
(2)クレスト・ファクタ3未満の真の実効値方式のデジタル式サーキット・テスタを使用して,デューティ比5%のパルス矩形波の交流電圧を測定するときは,測定した値を約2.236倍して読む。
不適切
このテスタでは測定しても正確な数値を表示できない。
波形v(t)の実効値VRMSは、v(t)を2乗して平均した値の平方根なので、以下の式で表されます。
(3)電源電圧が10Vで,抵抗値2MΩの抵抗2個を直列に接続した回路において,片方の抵抗の両端に内部抵抗11MΩのテスタ(電圧計)を接続したとき,計算で求められるテスタの表示値は,約4.5833Vになる。
適切
(4)テスタの直流電圧表示値が4.0000Vのとき,直流電圧計の性能表に記載の確度が5Vレンジで「0.025+5」と表記されたテスタの実際の測定値は,3.9994~4.0006の範囲になる。
不適切
4.0000×0.00025+0.0005=0.0015
よって
4.0000±0.0015=3.9985~4.0015
よって答えは(3)