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令和5年3月実施1級小型問題14:コモン・レール式高圧燃料噴射システム

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コモン・レール式高圧燃料噴射システムに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)電磁弁制御式インジェクタは,エンジンECUからのON・OFF信号により電磁弁が開閉され,燃料噴射時期及び噴射量が制御されている。インジェクタ内部のコマンド・ピストンは,ノズル・二ードルと連動しており,コマンド・ピストンの上下移動によりノズル・二ードルの開閉を行う。

 

(2)エンジンECUにおけるメイン及びパイロットの燃料噴射量の補正において,冷却水温が低いときは,燃料噴射量を増量することで冷間時の運転性を向上させており,また,吸入空気温度が低いときは,空気密度が高くなるため燃料噴射量の増量を行い,吸気圧力が低いときは,吸入空気量が少ないため燃料噴射量を減量する。

 

(3)インナ・カム機構を採用したサプライ・ポンプには,ポンプ内部のインナ・カムの内側に二つのプランジャ・システムが配置されており,一方が吸入行程のとき,もう一方は圧送行程になる構造である。インナ・カムが180°回転する毎に燃料が圧送されるため,安定した燃料供給が行える。

 

(4)エンジンECUは,アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるように.フィード・ポンプとプランジャ間に設けられたサクション・コントロール・バルブにON・OFF信号を送ることで,ポンプ室内に吸入する燃料の量を制御している。

 

(解く)

 

(1)電磁弁制御式インジェクタは,エンジンECUからのON・OFF信号により電磁弁が開閉され,燃料噴射時期及び噴射量が制御されている。インジェクタ内部のコマンド・ピストンは,ノズル・二ードルと連動しており,コマンド・ピストンの上下移動によりノズル・二ードルの開閉を行う。

適切

(2)エンジンECUにおけるメイン及びパイロットの燃料噴射量の補正において,冷却水温が低いときは,燃料噴射量を増量することで冷間時の運転性を向上させており,また,吸入空気温度が低いときは,空気密度が高くなるため燃料噴射量の増量を行い,吸気圧力が低いときは,吸入空気量が少ないため燃料噴射量を減量する。

適切

 

(3)インナ・カム機構を採用したサプライ・ポンプには,ポンプ内部のインナ・カムの内側に二つのプランジャ・システムが配置されており,一方が吸入行程のとき,もう一方は圧送行程になる構造である。インナ・カムが180°回転する毎に燃料が圧送されるため,安定した燃料供給が行える。

不適切:90°回転する毎に燃料が圧送される

サプライ・ポンプ

サプライ・ポンプは,図 のように燃料をフューエル・タンクからサプライ・ポンプへ供給するフィード・ポンプ,ポンプ内の燃圧を調整するレギュレート・バルブ,ポンプ本体内への燃料吸入量を制御する 2 個のサクション・コントロール・バルブ,燃料をコモン・レールへ圧送するポンプ本体とデリバリ・バルブなどにより構成されている。

ポンプ本体は,インナ・カム,ローラ及びプランジャにより構成されるインナ・カム機構を採用しており,従来の分配型インジェクション・ポンプのフェイス・カム機構と比較すると超高圧化が可能となる。ポンプの駆動力は,ポンプ前方に取り付けられるタイミング・ギヤにより,クランクシャフトからドライブ・シャフトを介してインナ・カムに伝えられる。インナ・カムの内側には,二つのプランジャ・システムが直列に水平方向(プランジャ A )と垂直方向(プランジャ B )に配置されており,一方が吸入行程のとき,もう一方は圧送行程になる構造となっているため安定した燃料供給が行える。

(4)エンジンECUは,アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるように.フィード・ポンプとプランジャ間に設けられたサクション・コントロール・バルブにON・OFF信号を送ることで,ポンプ室内に吸入する燃料の量を制御している。

適切

コモン・レール圧力制御

アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるように,サプライ・ポンプのサクション・コントロール・バルブに信号を送り,サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御する。コモン・レール内の燃圧は,アイドリング時で約 40 MPa に調整され,基本的にエンジンの負荷や回転速度が高くなる程,目標噴射圧も高くするようになっている。

 


よって答えは (3)