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平成23年3月実施1級小型問題23:ABS・ECUのABS制御及びフェイルセーフ制御等に関する記述

ABS・ECUのABS制御及びフェイルセーフ制御等に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)ABS・ECUは,車輪の回転速度が異常値にある場合に,駆動制御信号を出力することでモジュレータ・ユニットに設けられたブレーキ油圧制御モジュレータ・バルブを駆動し,該当する車輪速度を規定回転速度に戻す制御を行い,トラクションを確保している。

(2)ABS・ECUは,ABS制御でブレーキ液圧を制御する場合,前輪については左右独立に制御し,後輪についてはロックしやすい方(車輪速度が低い:ロー・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

(3)ABS・ECUは,イグニション・スイッチ(電源電圧)の電圧異常(上昇,下降)の場合にはABSの動作を禁止し,システムに異常がなくなり電圧が正常と判断された場合であっても,一度イグニション・スイッチをOFFにしない限りABS動作の禁止を維持する。

(4)フェイルセーフ制御とは,故障などによりABSに異常が発生すると,ABS・ECUがフェイルセーフ制御を実行し,ABS制御をカットして通常ブレーキにするものである。

 

 

解く

(1)ABS・ECUは,車輪の回転速度が異常値にある場合に,駆動制御信号を出力することでモジュレータ・ユニットに設けられたブレーキ油圧制御モジュレータ・バルブを駆動し,該当する車輪速度を規定回転速度に戻す制御を行い,トラクションを確保している。

適切

車輪の回転速度が異常値にある場合には,ABSECU,駆動制御信号を出力して該当する車輪速度をモジュレータ・ユニットに設けられたブレーキ油圧制御モジュレータバルブを駆動させて規定回転速度に戻す制御を行い,ラクションの確保を行っている。

(2)ABS・ECUは,ABS制御でブレーキ液圧を制御する場合,前輪については左右独立に制御し,後輪についてはロックしやすい方(車輪速度が低い:ロー・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

適切

ECUは,各車輪速センサからの信号によって車輪速度を検知し,すべての車輪速度をもとに車体速度を推定する。推定(又は疑似)車体速度をもとに車輪のスリップ率を計算し,目標スリップ率になるように,モジュレータ・ユニットのモジュレータ・バルブとポンプを作動させ,ブレーキ液圧を制御する。前輪のブレーキ液圧は,左右独立に制御し,後輪はロックしやすい方(車輪速度が低い:ロ・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

(3)ABS・ECUは,イグニション・スイッチ(電源電圧)の電圧異常(上昇,下降)の場合にはABSの動作を禁止し,システムに異常がなくなり電圧が正常と判断された場合であっても,一度イグニション・スイッチをOFFにしない限りABS動作の禁止を維持する。

不適切

 

(4)フェイルセーフ制御とは,故障などによりABSに異常が発生すると,ABS・ECUがフェイルセーフ制御を実行し,ABS制御をカットして通常ブレーキにするものである。

適切

 

 

フェイルセーフ制御

フェイルセーフ制御は,故障などによりABSに異常が発生すると,ECUがフェイルセーフ制御を実行し,ABS制御をカットして通常ブレーキにするものである。

センサ,アクチュエータ,ECU内部などに異常が発生すると,ECUはフェイルセーフ・リレーをOFFし,ABS制御を中止すると共に通常プレーキにする。

同時に,車載故障診断装置の診断機能により,ABS警告灯を点灯させ,運転者にシステムの異常が発生していることと,制御を停止していることを知らせる。また,故障の系統を記憶し,整備性を向上させている。

制御内容

フェイルセーフ制御は,異常内容により次のように実行され,いずれも警告灯が点灯する。

システムの異常を検知して,フェイルセーフ・リレー,モジュレータ・バルブ及びポンプ・モータの出力をすべてOFFにする。

ABS動作中に異常検知した場合,故障箇所以外の作動をそのまま継続し,制御終了後に出力をすべてOFFにする。

メモリしているダイアグノーシス・コードにより,異常コードのときはABSの動作を禁止し,次に,正常と判断された場合,ABS制御へ移行する。

 

これは,システムに異常がなくなった状態で,車速30kmh以上で,1秒以上走行した場合,解除されてABS制御となる。

イグニション・スイッチ(IG2)の電圧異常(上昇,下降)で,ABSの動作を禁止した場合は,電圧が正常と判断された時点で,ABS制御へ移行する。