1 概要
無段変速機(以下, CVT という。)の変速機構は,スチール・ベルトと一対のプーリで構成され,プーリ溝幅を油圧によって制御し,発進から最高速まで連続無段階に変化させ変速ショックのない走行を可能としている。
動力伝達機構は,図 のような構成となっている。エンジン動力は,ロックアップ付きトルク・コンバータ,プラネタリ・ギヤ式前進・後退切り替え機構,プライマリ・プーリ,スチール・べルト,セカンダリ・プーリを経て,リダクション・ギヤから車輪に伝達される。
油圧制御装置は,変速機構の下側に取り付けられ,各種センサの信号に基づき AT ・ ECU が演算し,その出力信号で作動する各種ソレノイド・バルブにより,最適な変速制御及び前進・後退の切り替え制御などを行っている。
1 )特徴
図 は CVT と 3 速オートマティック・トランスミッション(以下, AT という。)の動力性能(前進時)を比較した最大駆動力曲線である。
3 速 AT は, 3 段の変速を行うため,駆動力に段差が生じるが, CVT は滑らかな曲線を描き,網かけ部の駆動力損失がない。このため,滑らかな変速と共に俊敏な走りが可能になる。