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平成23年3月実施1級小型問題28:車両安定制御装置に関する記述

車両安定制御装置に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)ABSの車輪速度制御では,スキッドECUが四つの車輪速センサからの信号をもとに4輪の車輪速度を演算すると共に,車輪加速度を演算し車輪のスリップ状態を判断する。

(2)VSCSでは,車輪速センサ,ヨー・レート・Gセンサ及び舵角センサの情報から車両の状態を判定し,車両がオーバステア傾向又は,アンダステア傾向と判定したとき,その傾向の程度に応じて各車輪のブレーキ油圧制御及びフューエル・カット制御を行っている。

(3)ブレーキ・アシスト・システムでは,ブレーキ・ペダルが速く踏み込まれたとき,ブレーキ・アクチュエータに内蔵されているマスタ・シリンダ圧力センサの出力から,ブレーキ・ペダルの踏み込み速度と踏み込み量を演算している。

(4)プリチャージ機能付き真空式制動倍力装置では,トラクション・コントロール及びVSCS作動時,スキッドECUからの制御信号によりプリチャージ・ソレノイド・バルブが作動し,補助変圧室にエンジンの吸入負圧が導入される。

 

 

解く

 

(1)ABSの車輪速度制御では,スキッドECUが四つの車輪速センサからの信号をもとに4輪の車輪速度を演算すると共に,車輪加速度を演算し車輪のスリップ状態を判断する。

適切

ABS は,スキッド・エレクトロニック・コントロール・ユニット(以下,スキッド ECU という。)(注参照)により,四つの車輪速センサからの信号をもとに 4 輪の車輪速度を演算すると共に,車輪加速度を演算し車輪のスリップ状態を判断する。そして,その状態に応じて三つのモード(減圧,保持,増圧)を行うソレノイド・バルブに対して制御信号を出力する。これにより, 4 輪のホイール・シリンダの油圧を制御し車輪ロックを制御している。

(注)スキッド ECU のスキッドとは,横滑りのことである。

 

(2)VSCSでは,車輪速センサ,ヨー・レート・Gセンサ及び舵角センサの情報から車両の状態を判定し,車両がオーバステア傾向又は,アンダステア傾向と判定したとき,その傾向の程度に応じて各車輪のブレーキ油圧制御及びフューエル・カット制御を行っている。

適切

VSCS の制御内容

車輪速センサ,ヨー・レート・ G センサ及び舵角センサの情報から車両の状態を判定し,車両がオーバステア傾向又は,アンダステア傾向と判定したとき,その傾向の程度に応じて図  のように各車輪のブレーキ油圧制御及びフューエル・カット制御を行っている。

 

(3)ブレーキ・アシスト・システムでは,ブレーキ・ペダルが速く踏み込まれたとき,ブレーキ・アクチュエータに内蔵されているマスタ・シリンダ圧力センサの出力から,ブレーキ・ペダルの踏み込み速度と踏み込み量を演算している。

適切

ブレーキ・アシスト・システムは,ブレーキ・ペダルが速く踏み込まれたとき,運転者の緊急制動の意志を推定し,ブレーキ・アクチュエータに内蔵されているマスタ・シリンダ圧力センサの出力から,ブレーキ・ペダルの踏み込み速度踏み込み量を演算し,スキッド ECU が運転者の緊急停止の意志を推定して制動力を高め, ABS を含めたブレーキ性能を最大限に発揮させている。また,ブレーキ・アシスト・システム作動後に運転者が意識してブレーキ・ペダルを放した場合,アシスト量を減らすなど,運転者が違和感を感じさせないようにしている。

 

(4)プリチャージ機能付き真空式制動倍力装置では,トラクション・コントロール及びVSCS作動時,スキッドECUからの制御信号によりプリチャージ・ソレノイド・バルブが作動し,補助変圧室にエンジンの吸入負圧が導入される。

不適切

よつて答えは 

平成23年3月実施1級小型問題27:スチール・ベルト式無段変速機(CVT)に関する記述

スチール・ベルト式無段変速機CVT)に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

(1)N,Pレンジ時には,スリップ・コントロール・バルブはクラッチ解放側に位置しており,また,セレクト・レバーに直結したマニュアル・バルブがクラッチ及びブレーキ作動圧回路を解放するので,フォワード・クラッチ及びリバース・ブレーキは解放する。

(2)マニュアル・バルブは,各セレクト・ポジションに応じて回路を切り替え,ライン・プレッシャをフォワード・クラッチ,リバース・ブレーキに配送している。

(3)リバース・シグナル・バルブは,各セレクト・ポジションに応じて回路を切り替え,フォワード時とリバース時でライン・プレッシャに差圧を発生させており,また,P,RレンジでのON・OFFソレノイド・バルブのフェイルセーフ時のロックアップ誤作動を防止している。

(4)スイッチ・バルブは,デューティ・ソレノイド・バルブからの作動圧により回路を「フォワード・クラッチ&リバース・ブレーキ制御側」と「ロックアップ制御側」に切り替えている。

 

解く

 

(1)N,Pレンジ時には,スリップ・コントロール・バルブはクラッチ解放側に位置しており,また,セレクト・レバーに直結したマニュアル・バルブがクラッチ及びブレーキ作動圧回路を解放するので,フォワード・クラッチ及びリバース・ブレーキは解放する。

適切

(2)マニュアル・バルブは,各セレクト・ポジションに応じて回路を切り替え,ライン・プレッシャフォワード・クラッチ,リバース・ブレーキに配送している。

不適切

マニュアル・バルブは,各セレクト・ポジションに応じて回路を切り替え,クラッチ・プレッシャをフォワード・クラッチ,リバース・ブレーキに配送している。

(3)リバース・シグナル・バルブは,各セレクト・ポジションに応じて回路を切り替え,フォワード時とリバース時でライン・プレッシャに差圧を発生させており,また,P,RレンジでのON・OFFソレノイド・バルブのフェイルセーフ時のロックアップ誤作動を防止している。

不適切

リバース・シグナル・バルブは,各セレクト・ポジションに応じて回路を切り替え,フォワード時とリバース時でクラッチ・プレッシャに差圧を発生させており,また,P,RレンジでのONOFFソレノイド・バルブのフェイルセーフ時のロックアップ誤作動を防止している。

 

(4)スイッチ・バルブは,デューティ・ソレノイド・バルブからの作動圧により回路を「フォワード・クラッチ&リバース・ブレーキ制御側」と「ロックアップ制御側」に切り替えている。

不適切

スイッチ・バルブは,ONOFF ソレノイド・バルブからの作動圧により回路を「フォワード・クラッチ&リバース・ブレーキ制御側」と「ロックアップ制御側」に切り替えている。

 

よって答えは 1

 

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題26:振動現象に関する記述

振動現象に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

 

現象名

内容

振動周波数

振動源(振動強制力)

(1)

ブレーキング

時の振動

制動時のボデー,ステアリングの上下・前後振動

5~30Hz

・ブレーキ・ドラム,ロータの

振れ・偏心

(2)

ジャダ

クラッチ

クラッチ接続時のボデー全体の前後振動

10~20Hz

クラッチ伝達トルクの変動

(3)

サージ

定常走行時の車両全体の前後振動

~10Hz

・エンジン・トルクの変動

(4)

フラッタ

中・高速走行時のボデー,ステアリング,シートの上下・左右振動

5~30Hz

・駆動トルクの変動

・ディスク・ホイールの偏心

 

 

 

解く

 

 

現象名

内容

振動周波数

振動源(振動強制力)

(1)

ブレーキング

時の振動

制動時のボデー,ステアリングの上下・前後振動

5~30Hz

・ブレーキ・ドラム,ロータの

振れ・偏心

(2)

ジャダ

クラッチ

クラッチ接続時のボデー全体の前後振動

10~20Hz

クラッチ伝達トルクの変動

(3)

サージ

定常走行時の車両全体の前後振動

~10Hz

・エンジン・トルクの変動

(4)

シェイク

中・高速走行時のボデー,ステアリング,シートの上下・左右振動

5~30Hz

・路面の凹凸

・タイヤのアンバランス,ノン・ユニフォミティ

 

・ディスク・ホイールの偏心

 

 

よって答えは 4

 

 振動現象まとめ

現象名

内容

振動周波数

振動源(振動強制力)

共振系

乗り心地

凹凸路走行時の車両全体の

振動

1~15Hz

・路面の凹凸

・エンジン剛体振動

・ボデー・サスペンションの          共振

しゃくり

アクセル開・閉時の車両

全体の前後振動

~10Hz

・エンジン・トルク急変

・駆動系のねじり共振

サージ

定常走行時の車両全体の

前後振動

~10Hz

・エンジン・トルク変動

・駆動系のねじり共振

シェイク

中・高速走行時のボデー,

ステアリング,シートの

上下・左右振動

5~30Hz

・路面の凹凸

・タイヤのアンバランス,ノン・ユニフォミティ

・ホイールの偏心など

・エンジン剛体振動

・サスペンションの共振

・ボデー,ステアリング,

シートの共振       

シミ―

中・高速走行時のステアリ

ング・ホイールの回転

方向振動

5~10Hz

・タイヤのアンバランス,

ノン・ユニフォミティ

・路面の凹凸

・フロント・サスペンション

からステアリング系までの共振

 

フラッタ

中・高速走行時のステアリ

ング・ホイールの回転

方向振動

10~15Hz

・タイヤのアンバランス,

ノン・ユニフォミティ

・路面の凹凸

・フロント・サスペンション

からステアリング系までの共振

エンジン・ク

ランキング時

の振動

エンジンON・OFF及び

アイドリング時のボデー

全体の上下・前後振動

5~30Hz

・エンジン始動トルクの変動

・エンジン・トルクの変動

・エンジン剛体振動

(ローリング)

・排気管の曲げ共振

・カウル,ステアリング系の共振

アイドル回転

時の振動

エンジンON・OFF及び

アイドリング時のボデー

全体の上下・前後振動

10~50Hz

・エンジン始動トルクの変動

・エンジン・トルクの変動

・エンジン剛体振動

(ローリング)

・排気管の曲げ共振

・カウル,ステアリング系の共振

ブレーキング

時の振動

制動時の,ボデー,ステア

リングの上下・前後振動

5~30Hz

・ブレーキ・ドラム,ロータの振れ・偏心など

・エンジン剛体振動

・サスペンションの共振

・ボデー,ステアリング,

シートの共振 

エンジン・ワイ

ンド・アップ時

の振動

加減速時のボデーの上下

振動

8~12Hz

・駆動トルク

・エンジン剛体振動

ジャダ

クラッチ接続時のボデー

全体の前後振動

10~20Hz

クラッチ伝達トルクの

変動

・駆動系のねじり共振

クラッチ以降)

発進時の振動

発進時のボデー,シート,

ステアリングの上下・前後

振動

30~60Hz

・エンジン・トルクの変動

クラッチで生ずる回転変動

・プロペラ・シャフトの二次偶力

・ジョイント角による二次偶力

ドライブ・シャフトのスラスト力

・エンジン剛体振動

・プロペラ・シャフトのセンタ・マウントの共振

・ボデーの曲げ共振

ペダル類の

ビビリ振動

アクセル,クラッチ・ペ

ダルの振動

20~200Hz

・エンジン本体

・ペダルの共振

・リンク系の共振

・駆動系の曲げ共振

シフトレバーの

ビビリ振動

シフトレバーの振動

20~200Hz

・エンジン本体

・駆動系の曲げ共振

・シフト・レバーの共振

低速こもり音

低速(~50㎞/h)走行

時のこもり音

30~60Hz

・エンジンのトルクの変動

・吸排気音

・エンジン,サスペンションの

ワインドアップ共振

・車室の気柱共振

中速こもり音

50~80㎞/hで発生する

こもり音

60~100Hz

・エンジンのトルク変動

・エンジンの回転荷重,往復荷重の二次慣性力

・ジョイント角によるトルク変動

・吸・排気音など

・プロペラ・シャフトのアンバランス

・駆動系の曲げ・ねじり共振

・サスペンションの共振

・排気管の曲げ共振

・ボデー,フロアの膜共振

・車室の気柱共振

高速こもり音

80㎞/hで発生するこもり

100~200Hz

・エンジンのトルク変動

・エンジンの回転荷重,往復荷重の二次慣性力

・ジョイント角によるトルク変動

・吸・排気音など

・プロペラ・シャフトのアンバランス

・駆動系の曲げ・ねじり共振

・サスペンションの共振

・排気管の曲げ共振

・ボデー,フロアの膜共振

・車室の気柱共振

・エンジン補器類の共振

・ボデー骨格系の共振

エンジン・

ノイズ

車内で発生する高周波の

200Hz~2kHz

・エンジンの振動・騒音

・吸・排気音

・ファン音など

・エンジン弾性共振

・ボデー・パネルの共振

・ブラケット類の共振

ディファレン

シャルうなり

ファイナル・ギヤのかみ

合いによる”クー音”

400Hz~

1.5kHz

・ファイナル・ギヤのかみ合い

トランスミッション・ケースの弾性共振

・エンジン・サポートメンバの弾性共振

・プロペラ・シャフト,ドライブ・シャフトの弾性共振

トランスミッ

ションうなり

トランスミッション・ギヤ

のかみ合いによる”クー音”

400Hz~

3kHz

トランスミッション・ギヤのかみ合い

トランスミッション・ケースの弾性共振

・エンジン・サポート・メンバーの弾性共振

・プロペラシャフト,ドライブ・シャフトの弾性共振

風切り音

高速走行時に発生する

”ザー音”

500Hz~

5kHz

・ボデー外部の風の乱れ

・ドアの隙間などからの室内空気の出入り

 

・ピラー・アンテナの弾性共振

・フロント・パネルの弾性共振

ドスン音

加減速,シフト時に発生

する衝撃音

20~50Hz

・エンジンのトルク変動

・駆動系のトルク変動

・サスペンションのワインドアップ共振

・ボデーの弾性共振

ロード・ノイズ

凹凸路走行時の”ゴー音”

30~60Hz

又は

80~300Hz

・路面の凹凸

・タイヤの弾性共振

・サスペンション系の共振

・ボデーの弾性共振

・車室の弾性共振

ハーシュネス

路面の継ぎ目,凹凸部を

通過する時のショックを

伴う音

30~60Hz

・路面の凹凸

・タイヤの弾性共振

・サスペンションの共振

・ボデーの気柱共振

タイヤのパタ

ーンノイズ

中・高速走行時のザー音

100~5kHz

・タイヤ・パターンのエア・ポンピング作用

・タイヤ弾性共振

・サスペンションの共振

車外騒音

自動車から発生する音

20Hz~5kHz

・エンジン音,吸・排気音

・ファン音

・タイヤ・パターンノイズ

 

 

 

平成23年3月実施1級小型問題25:オート・エアコンに関する記述

オート・エアコンに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)運転モードがオート運転の場合,室内温度が設定温度に近づくに従いブロア・モータの回転を徐々に下げると共に,エア・ミックス・モータを駆動し,エバポレータからの空気をヒータ・コアに経由させる量を変化させてミックス・エアを作っている。

(2)運転モードがオート運転以外(マニュアル・モードであって,MAXCOOL及びMAXHOTを除く。)の場合,各スイッチによって選択された運転を行うため,エア・ミックス・モータの駆動については,内気センサで検知した室温と設定温度との差で行われる自動運転機能を停止する。

(3)冷房時にエバポレータが凍結温度になった場合,一時的にコンプレッサを停止させてエバポレータの凍結を防止している。

(4)運転モードがオート運転のときに日射量が増した場合,冷房での運転時はより冷房側へ,暖房での運転時は冷房側に少し基本制御を変化させることで,吹き出し温度の補正を行っている。

 

 

解く

(1)運転モードがオート運転の場合,室内温度が設定温度に近づくに従いブロア・モータの回転を徐々に下げると共に,エア・ミックス・モータを駆動し,エバポレータからの空気をヒータ・コアに経由させる量を変化させてミックス・エアを作っている。

適切

 暖・冷房モード

室内温度が設定温度に近づくに従い,ブロア・モータの回転を徐々に下げると共に,図のようにエア・ミックス・モータを駆動し,エバポレータからの空気をヒータ・コアに経由させる量を変えながらウォータ・バルブの開閉も変化させてミックス・エアを作る。更に,モード・モータを駆動してモード・ダンパ・バルブでHEAT側とVENT側の吹き出し比も変化させる。なお,コンプレッサの駆動は,室温と設定温度との差で決定される。

(2)運転モードがオート運転以外(マニュアル・モードであって,MAXCOOL及びMAXHOTを除く。)の場合,各スイッチによって選択された運転を行うため,エア・ミックス・モータの駆動については,内気センサで検知した室温と設定温度との差で行われる自動運転機能を停止する。

不適切

マニュアル運転

マニュアル運転は,各マニュアル・モード・スイッチによって選択された運転を行うが,エア・ミックス・モータの駆動は,内気センサで検知した室温と設定温度との差によって自動で行われる。

(3)冷房時にエバポレータが凍結温度になった場合,一時的にコンプレッサを停止させてエバポレータの凍結を防止している。

適切

 

 

(4)運転モードがオート運転のときに日射量が増した場合,冷房での運転時はより冷房側へ,暖房での運転時は冷房側に少し基本制御を変化させることで,吹き出し温度の補正を行っている。

適切

 

 補正制御

補正制御には,運転開始時に行う制御と運転中に行う制御とがある。

運転開始時

冷房モードでエバポレータ温度を検知し,エバポレータ温度が高いときは,エバポレータ換気のためブロア・モータの回転を一時的に速くするものがある。

暖房モードで冷却水温度が低く温風が得られないときは,ブロア・モータを停止させ,水温の上昇と共にブロア・モータの回転速度を増加させる。

冷房モードで室内温度が非常に高いときは,一時的に内気循環(REC)で運転をする。

ブロア・モータの回転速度が一定値を超えた決定がされたときは,低速で回転を徐々に上げて決定値にすることで,急激なファン騒音を低減している。

運転開始時,ブロア・モータの回転を徐々に上げることにより,ファン騒音の低減を図っている。また,OFFへの切り替えは瞬時に行う。

運転中

日射量が変化したときに,吹き出し温度の補正を行う。例えば,日射量が増した場合,冷房時は,より冷房側へ,暖房時は冷房側に少し基本制御を変化させる。

外気温度が変化したときに吹き出し温度の補正を行う。例えば,外気温が下がった場合,冷房時は暖房側へ,暖房時はより暖房側へ変化させる。

冷房時,エバポレータが凍結温度になった場合,一時的にコンプレッサを停止させてエバポレータの凍結を防止する。

設定温度をMAXCOOL(18℃),MAXHOT(32℃)にセットすると,オートで作動しているときは,センサ値に関係なく,最大冷房,最大暖房を行う。例えば,MAXCOOL(18oC)時は,内気循環,VENT吹き出し,ブロア・モータ最大回転,エア・ミックス・ダンパ全閉,エアコンONとし,最大冷房とする。

また,MAXHOT(32℃)時は,外気導入,HEAT吹き出し,ブロア・モータ最大回転,エア・ミックス・ダンパ全開,エアコンOFFとし,最大暖房とする。

よって答えは 2

平成23年3月実施1級小型問題24:オート・エアコンに用いられるエア・ミックス・アクチュエータ(モータ・リダクション式)の回路点検

図1に示すオート・エアコンに用いられるエア・ミックス・アクチュエータ(モータ・リダクション式)の回路点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)マニュアル操作でHOTモードからCOLDモードを選択した場合の,エア・ミックス・アクチュエータ駆動条件時,VlとV2の電圧に差が発生している場合は,エア・ミックス・アクチュエータの内部断線が考えられる。

 

(2)マニュアル操作でHOTモードからCOLDモードを選択した場合の,エア・ミックス・アクチュエータ駆動条件時,V3とV4の両方に電圧が発生しない場合は,エア・ミックス・アクチュエータの内部短絡が考えられる。

 

(3)F/BセンサがH/Cの位置にあるエア・ミックス・アクチュエータの停止時に,V5とV6の両方に5Vが発生している場合は,オート・エアコンECU本体の異常が考えられる。

 

(4)F/BセンサがH/Cの位置にあるエア・ミックス・アクチュエータの停止時に,V7とV8の両方に電圧が発生しない場合は,オート・エアコンECU本体の異常,5V安定化電源線の断線,または,ボデー・アースの断線が考えられる。

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平成23年3月実施1級小型問題23:ABS・ECUのABS制御及びフェイルセーフ制御等に関する記述

ABS・ECUのABS制御及びフェイルセーフ制御等に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)ABS・ECUは,車輪の回転速度が異常値にある場合に,駆動制御信号を出力することでモジュレータ・ユニットに設けられたブレーキ油圧制御モジュレータ・バルブを駆動し,該当する車輪速度を規定回転速度に戻す制御を行い,トラクションを確保している。

(2)ABS・ECUは,ABS制御でブレーキ液圧を制御する場合,前輪については左右独立に制御し,後輪についてはロックしやすい方(車輪速度が低い:ロー・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

(3)ABS・ECUは,イグニション・スイッチ(電源電圧)の電圧異常(上昇,下降)の場合にはABSの動作を禁止し,システムに異常がなくなり電圧が正常と判断された場合であっても,一度イグニション・スイッチをOFFにしない限りABS動作の禁止を維持する。

(4)フェイルセーフ制御とは,故障などによりABSに異常が発生すると,ABS・ECUがフェイルセーフ制御を実行し,ABS制御をカットして通常ブレーキにするものである。

 

 

解く

(1)ABS・ECUは,車輪の回転速度が異常値にある場合に,駆動制御信号を出力することでモジュレータ・ユニットに設けられたブレーキ油圧制御モジュレータ・バルブを駆動し,該当する車輪速度を規定回転速度に戻す制御を行い,トラクションを確保している。

適切

車輪の回転速度が異常値にある場合には,ABSECU,駆動制御信号を出力して該当する車輪速度をモジュレータ・ユニットに設けられたブレーキ油圧制御モジュレータバルブを駆動させて規定回転速度に戻す制御を行い,ラクションの確保を行っている。

(2)ABS・ECUは,ABS制御でブレーキ液圧を制御する場合,前輪については左右独立に制御し,後輪についてはロックしやすい方(車輪速度が低い:ロー・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

適切

ECUは,各車輪速センサからの信号によって車輪速度を検知し,すべての車輪速度をもとに車体速度を推定する。推定(又は疑似)車体速度をもとに車輪のスリップ率を計算し,目標スリップ率になるように,モジュレータ・ユニットのモジュレータ・バルブとポンプを作動させ,ブレーキ液圧を制御する。前輪のブレーキ液圧は,左右独立に制御し,後輪はロックしやすい方(車輪速度が低い:ロ・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

(3)ABS・ECUは,イグニション・スイッチ(電源電圧)の電圧異常(上昇,下降)の場合にはABSの動作を禁止し,システムに異常がなくなり電圧が正常と判断された場合であっても,一度イグニション・スイッチをOFFにしない限りABS動作の禁止を維持する。

不適切

 

(4)フェイルセーフ制御とは,故障などによりABSに異常が発生すると,ABS・ECUがフェイルセーフ制御を実行し,ABS制御をカットして通常ブレーキにするものである。

適切

 

 

フェイルセーフ制御

フェイルセーフ制御は,故障などによりABSに異常が発生すると,ECUがフェイルセーフ制御を実行し,ABS制御をカットして通常ブレーキにするものである。

センサ,アクチュエータ,ECU内部などに異常が発生すると,ECUはフェイルセーフ・リレーをOFFし,ABS制御を中止すると共に通常プレーキにする。

同時に,車載故障診断装置の診断機能により,ABS警告灯を点灯させ,運転者にシステムの異常が発生していることと,制御を停止していることを知らせる。また,故障の系統を記憶し,整備性を向上させている。

制御内容

フェイルセーフ制御は,異常内容により次のように実行され,いずれも警告灯が点灯する。

システムの異常を検知して,フェイルセーフ・リレー,モジュレータ・バルブ及びポンプ・モータの出力をすべてOFFにする。

ABS動作中に異常検知した場合,故障箇所以外の作動をそのまま継続し,制御終了後に出力をすべてOFFにする。

メモリしているダイアグノーシス・コードにより,異常コードのときはABSの動作を禁止し,次に,正常と判断された場合,ABS制御へ移行する。

 

これは,システムに異常がなくなった状態で,車速30kmh以上で,1秒以上走行した場合,解除されてABS制御となる。

イグニション・スイッチ(IG2)の電圧異常(上昇,下降)で,ABSの動作を禁止した場合は,電圧が正常と判断された時点で,ABS制御へ移行する。

 

平成23年3月実施1級小型問題22:騒音の測定

騒音の測定に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

(1)騒音計の振動周波数補正特性のうちA特性は,ほぼ平坦な特性であり,人の聴覚とは異なるため,特に低周波数域では人の感覚より大きな値を示し,一般にC特性よりもdBが高くなる。

(2)騒音計のマイクロホンから等距離にある,四つの同じ音源を同時に鳴らしたときの音圧が102dBの場合,音源一つの音圧は96dBである。

(3)騒音計のマイクロホンから等距離にある,98dBと90dBの音源を同時に鳴らしたときの音圧の合計は,102dBである。

(4)騒音を測定する場合,測定対象の音を止めたときと,止めないときの差が12dBの場合,暗騒音の補正値は-1である。

 

 

解く

(1)騒音計の振動周波数補正特性のうちA特性は,ほぼ平坦な特性であり,人の聴覚とは異なるため,特に低周波数域では人の感覚より大きな値を示し,一般にC特性よりもdBが高くなる。

不適切

騒音計の振動周波数補正特性のうちC特性は,ほぼ平坦な特性であり,人の聴覚とは異なるため,特に低周波数域では人の感覚より大きな値を示し,一般にA特性よりもdBが高くなる。

 

(2)騒音計のマイクロホンから等距離にある,四つの同じ音源を同時に鳴らしたときの音圧が102dBの場合,音源一つの音圧は96dBである。

適切

96dB+96dB=99B

96dB+96dB=99B

99B+99B=102dB

(3)騒音計のマイクロホンから等距離にある,98dBと90dBの音源を同時に鳴らしたときの音圧の合計は,102dBである。

不適切

98dB+90dB=98+0.698.6dB

 

 

(4)騒音を測定する場合,測定対象の音を止めたときと,止めないときの差が12dBの場合,暗騒音の補正値は-1である。

不適切

よって答えは