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平成21年3月実施1級小型問題2:エンジン電子制御装置の電源回路の点検

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図に示すエンジン電子制御装置の電源回路の点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)クランキング時,V1の電圧が9V未満のときは,バッテリ劣化の可能性がある。

(2)イグニション・スイッチON時,V2に電圧の発生があるときは,スイッチの接触抵抗増大の可能性がある。

(3)イグニション・スイッチON時,V3の電圧が5.25Vを超えるときは,ECUの5V安定化電源端子とセンサ電源線の接触不良の可能性がある。

(4)クランキング時,V3の電圧が4.75Vと5.25V間で変動するときは,ECU内5V安定化電源回路異常の可能性がある。

 

解く

(1)クランキング時,V1の電圧が9V未満のときは,バッテリ劣化の可能性がある。

適切

電源系統の点検

電源系統(ここでは12V電源を例にする。)の点検は,次に挙げる各条件について,図のV1~V6の電圧測定を行い,規定値(12V以上,電圧なしクランキング時9V以上)にあることを点検する。

(イ)パッテリの無負荷時及び負荷時(工ンジン停止状態で灯火類などの一部負荷を作動)の電圧が規定値の範囲にあり,この測定値がバックアップ端子,ECU及びアクチュエータの電源端子にそれぞれ発生していること。

①イグニション・スイッチをOFFにして無負荷時のV1が12V以上であること。V1と同じ測定値がV2に発生(電圧値が変動しないこと。)していること。

②イグニション・スイッチをONにして負荷時のV1が12V以上であること。V1と同じ測定値がそれぞれV1,V2,V3に発生(電圧値が変動しないこと。)していること。

③上記①と②の点検において,無負荷時のV1及び負荷時のV1に著しい電圧差がないこと。

(ロ)すべてのアース端子に電圧が発生しないこと。

①イグニション・スイッチがOFF及びONいずれの場合も,V5,V6には電圧が発生しないこと。

(ハ)12V電源がクランキング時の負荷に適切に対応していること。

クランキング時にV1が9V以上であること。

オシロスコープでクランキング時の経過的なV1電圧を確認し,常にV1に9V以上の電圧値が確保されていること。

・上記の電源系統の点検を行った結果,規定値から外れる場合は,パッテリの劣化のほか,配線の導体抵抗,接続部の接触抵抗などの不具合により,その回路を流れる電流量に応じた電圧降下で電力の損失が発生し,ECU,アクチュエータへの電力供給量が不足することが推測できるので,不具合箇所の整備が必要となる。

(2)イグニション・スイッチON時,V2に電圧の発生があるときは,スイッチの接触抵抗増大の可能性がある。

適切

電源回路の点検

電源系統の点検において,規定値から外れる電圧差が発生していると予測される回路上の接続部及び配線間を確認すること。

回路の点検は,次に挙げる測定条件下で,図のV1~V7の電圧測定を行う。

測定条件:工ンジン停止状態,イグニション・スイッチON時において,ECUのアース端子からホデー間に流れる電流には,電源に直接接続されている他のセ

ンサ及びアクチュエータなどの電流も流れているため,該当するセンサ及びアクチュエータなどが作動している条件下で測定すること。

①回路接続部V1,V3に測定条件の電流が流れる状態で,それぞれV1,⑩V3に電圧が発生していないこと。

V1に電圧の発生があれば,ヒュージプル・リンクの異常(断線,接触抵抗などの増大)が推測でき,V3に電圧の発生があれば,スイッチの異常(断線,接触抵抗などの増大)が推測できる。

②回路接続部以外の配線間に測定条件の最大電流が流れる状態で,それぞれV2,V4,V5に電圧が発生していないこと。

電圧の発生があれば,その電圧計の測定端子間の配線の異常(断線,接触抵抗などの増大)が推測される。

ECUのアース接続は,V6の線間電圧及びV7の接地電圧が発生していないことで,ECUのアース端子及びアース線,ボデー・アース・ターミナルの接続が適切であることを確認する。

 

(3)イグニション・スイッチON時,V3の電圧が5.25Vを超えるときは,ECUの5V安定化電源端子とセンサ電源線の接触不良の可能性がある。

不適切

5V安定化電源の回路点検

5V安定化電源の点検は,イグニション・スイッチのON時と最大負荷時(クランキング状態で灯火類などの負荷を作動)に

ECU内5V安定化電源端子に発生する基準電圧(5V±0.25V)が一定で変動しないことを確認する。

回路点検は,次に挙げる測定条件下で,図のV1~V3の電圧測定を行う。

①イグニション・スイッチのON時にV1が基準値(5V±0.25V)にあること。5.25V超の電圧が発生しているときは,ECU

5V安定化電源回路の異常が推測できる。

②クランキング時にV3が12Vを下回った場合でも,V1が基準値(5V±025V)の範囲内で,かっ,電圧値が常に一定に保

持されていること。

③クランキング時にV2V3に電圧差が発生し,V1が不安定な電圧になり,電圧変動幅も基準値(5V±0.25V)の範囲を

外れている場合は,前述の「(2)電源回路の点検」により原因を推測し,12V電源の電圧変動幅が規定値の範囲に入っ

ていればECUの点検を行う。

・5V安定化電源回路系統に短絡が発生すると,V1には基準値(5V±0.25V)の電圧が発生しない。

この場合は,5V安定化電源の電源線端子をECUから切り離し,ECU側の5V安定化電源端子に基準値(5V±0.25V)の電圧が発生すれば,センサ及びセンサの電源線の異常が推測でき,逆にECU側に基準値(5V±0.25V)の電圧がなければECUの異常が推測できる。

 

(4)クランキング時,V3の電圧が4.75Vと5.25V間で変動するときは,ECU内5V安定化電源回路異常の可能性がある。

適切

 

3)の内容

 

よって答えは3