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6気筒ガソリン・エンジン搭載の後輪駆動車(FR式)において,高速道路を100km/hで走行中に振動が発生したため,振動計を用いて周波数を測定した。測定結果と推定原因に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
なお,車両の情報は以下のとおりである。
車両の情報 ・トランスミッションの変速比 0.752 ・最終減速比 4.111 ・タイヤの有効半径 0.400m ・ドライプ・シャフトの仕様 (トリポード型等速ジョイント) ・プロペラ・シャフトの仕様 (2ジョイント・プロペラ・シャフト) |
(1)周波数が約11Hzの場合は,タイヤのアンバランスが考えられる。
(2)周波数が約33Hzの場合は,ドライプ・シャフトのジョイント角の不良が考えられる。
(3)周波数が約45Hzの場合は,プロペラ・シャフトのアンバランスが考えられる。
(4)周波数が約68Hzの場合は,エンジンのトルク変動が考えられる。
解く
①タイヤのアンバランス=タイヤの1次振動
(100÷3.6)÷(0.8×3.14)=27.77÷2.512=11.054Hz
②ドライプ・シャフトのジョイント角の不良
ドライブ・シャフトに用いられるトリポード型等速ジョイントは,3個のローラ,ローラにはめ合う3つの円筒溝をもつチューリップ,同一平面内に3本の軸をもつシャフトで構成され,ジョイント角が大きい場合,三次成分の振動強制力が発生する原因となる。
ドライブ・シャフトの三次振動
①の解×3=11.054×3=33.164Hz
③プロペラ・シャフトのアンバランス
プロペラ・シャフトの1次振動
11.054×4.111=45.442Hz
④エンジンのトルク変動=3次振動
45.442×0.752×3=102.519
よって答えは (4)