問題 次の各文は振動騒音について述べたものである。( )を埋めよ。
①高速走行すると振動するという不具合で入庫した車両をお客さまと同乗して現象を確認したところ、車速70~80km/h付近でフロア及びステアリングに振動があり、更に100km/h以上になるとステアリングが激しく振動した。
・FR車の4気筒エンジン ・T/Mギヤ比(4速)・・・1.000
・タイヤ有効半径・・・0.28m ・ファイナルギヤ比・・・3.700
|
シャシーダイナモ上で車速100km/h時の振動を振動分析計で測定し、プリントアウトした
データーが図-1である。
図‐1の測定データーで振動エネルギーが最大値を示す要因は
( ㋑ )と判断し、その振動要因を追及し修復作業を行った結果、
車速100km/h以上で発生する振動は解消したが、80km/h付近で発生する振動には効果がなかった。
そこで車速80km/hの振動を測定し、プリントアウトしたデーターが図-2である。
このデ一タから振動要因は( ㋺ )と判断し、その振動原因を徹底的に追及、修復作業を行った結果、不具合は解消した。
解く
㋑タイヤおよびドライブシャフトの1次振動
車速100㎞/h時の各部分の回転速度(回転/秒)を求めると
100÷3.6=100000(m)/3600(秒)
=100/3.6(m/s)
タイヤの外周は
0.28×2×3.14=1.7584(m)
よってタイヤの回転速度は
100/3.6÷1.7584=15.797Hz(回転/秒)・・・タイヤおよびドライブシャフトの1次振動
15.797×3.7=58.4496Hz・・・プロペラシャフト1次振動、エンジンの1次振動
㋺ プロペラシャフトのアンバランス
車速80㎞/h時の各部分の回転速度(回転/秒)を求めると
80÷3.6=80/3.6
よってタイヤの回転速度は
80/3.6÷1.7584=12.63Hz・・・タイヤおよびドライブシャフトの1次振動
12.63×3.7=46.75Hz・・・プロペラシャフト1次振動、エンジンの1次振動
タイヤのRFV・・・タイヤ縦振動(1次)・・・12.6Hz
エンジンのトルク変動・・・エンジン2次振動(4気筒エンジン)・・・93.5Hz
プロペラシャフトのアンバランス・・・プロペラシャフト1次振動・・・46.7Hz
プロペラシャフトのジョイント角過大・・・プロペラシャフト2次振動
②ファイナルギャ比が4.000の車両でトップギャ(1.000)走行中にエンジン回転数の約1/2の周波数で
振動が発生した時は( ㋩ )が原因と考えられる。
解く
㋩ドライブシャフトのジョイント角不良
エンジン回転数の1/2=プロペラシャフト回転数の1/2=ドライブシャフト回転数の2倍(2次)=タイヤ回転数の2倍(2次)
③カーシェイクの中で、タイヤに起因して発生する不具合現象から、その原因を考えると、
不具合現象
㊁車速を上げるにつれて、振動が大きくなる。原因は( )が考えられる。
㋭いつも、ある一定の車速域だけ振動して、その他の車速域では発生しない。原因は( )が考えられる。
解く
㊁タイヤのバランス不良。
左右両輪のロードホイールの振れ。・・・1次
タイヤのユニフォミティ不良。・・・1次
タイヤのバランス不良。・・・1次
タイヤの空気圧不良。
㋭タイヤのユニフォミティ不良。
タイヤのバランス不良。・・・1次
タイヤのユニフォミティ不良。・・・1次
左右両輪のロードホイールの振れ。・・・1次
タイヤの空気圧不良。
シェイク |
中・高速走行時のボデー, ステアリング,シートの 上下・左右振動 |
5~30Hz |
・路面の凹凸 ・タイヤのアンバランス,ノン・ユニフォミティ ・ホイールの偏心など |
・エンジン剛体振動 ・サスペンションの共振 ・ボデー,ステアリング, シートの共振 |