防火・防災に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)消防法によると,軽油の指定数量は1,000L,ミッション・オイルの指定数量は4,000L,エチレングリコール(不凍液)の指定数量は6,000Lである。
(2)消火器の設置を義務付けられている整備工場には,設置してある消火器を定期的に点検し,結果を市町村長に報告することを義務付けているが,点検を行うには資格が必要であるため,資格を取得するか資格を有する点検業者に依頼しなければならない。
(3)市町村長などから許可を受けた危険物貯蔵所又は取扱所において定める危険物保安監督者は,甲種危険物取扱者又は乙種第4類危険物取扱者の免状の交付を受け,かつ6か月以上の実務経験を有していなければならない。
(4)自己燃焼とは,蒸発燃焼のうち,外部からの空気を必要とせず,その物資中の酸素によって燃焼するものをいい,火薬や爆薬などがこれに該当する。
解く
(1)消防法によると,軽油の指定数量は1,000L,ミッション・オイルの指定数量は4,000L,エチレングリコール(不凍液)の指定数量は6,000Lである。
第四類危険物の保管指定数量(抜粋)
分類 |
品名 |
指定数量 |
第1石油類 |
ガソリン (アルコール) |
200ℓ (400ℓ) |
第2石油類 |
灯油 |
1000ℓ |
第3石油類 |
2000ℓ |
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第3石油類 |
(不凍液) ポリグリコールエーテル (ブレーキ液) |
4000ℓ |
第4石油類 |
エンジンオイル ミッションオイル デフオイル 塗料類 |
6000ℓ |
不適切
(2)消火器の設置を義務付けられている整備工場には,設置してある消火器を定期的に点検し,結果を市町村長に報告することを義務付けているが,点検を行うには資格が必要であるため,資格を取得するか資格を有する点検業者に依頼しなければならない。
不適切
消火器も消防設備点検・報告の対象
消火器も立派な消防設備のひとつですから、定期的な消防設備点検の実施と消防署への報告が法定の義務となっています。 ※具体的には、半年に1回の消防設備等点検が法令によって明確に指示されています。 マンションであれば3年に1回の消防署への点検報告義務もあります。
それでは消防設備点検で、消火器はどのように点検されているかについて見ていきましょう。
消火器の消防点検における代表的な点検項目 法定の消防設備点検は、消防設備士や消防設備点検資格者などの有資格者が実施すべきものです。
もちろん、その点検項目や方法も細かく法律で定められています。
消火器の点検において代表的なものとしては、
サビやへこみなど、外観上の異常がないか ガスの放出など、使用できない状態ではないか 設置位置や本数は適切か というものが挙げられます。
外観上のサビやへこみなど、見てわかるほどの異状があれば消火器の使用において妨げとなります。
何らかのトラブルで封入されているガスが漏れているとか、薬剤が放出してしまっていては確実にその消火器は使用不可です。
また、設置されている消火器の種類や本数、位置などについても適切かどうかであることはしっかりとチェックします。
能力単位の記載などがない、いわゆる家庭用の消火器では基準を満たせないことも要注意です。
加えて、設置から年数が経過した消火器については点検事項が増えます。
蓄圧式・加圧式によって違いはありますが、消防設備点検の一環として
実際に消火器を開封して、内部の機能や薬剤の状態をチェックする点検(機能点検) 内部・機能の点検や容器が外圧に耐えられるかどうかの点検(容器水圧試験) 実施することが段階的に求められています。
このような点検は、技術も道具も必要になりますし、消防設備点検事業者(消防設備士・消防設備点検資格者などの有資格者)に依頼することが基本となります。
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(3)市町村長などから許可を受けた危険物貯蔵所又は取扱所において定める危険物保安監督者は,甲種危険物取扱者又は乙種第4類危険物取扱者の免状の交付を受け,かつ6か月以上の実務経験を有していなければならない。
適切
- 所轄消防署から「危険物貯蔵所、または取扱所」として許可を受ける。
- 危険物取扱免許の資格を有するものの中から危険物の保安監督者を選任する
甲種危険物取扱者で実務経験が6か月以上ある者
乙種危険物即扱者で実務経験が6か月以上ある者
ただし、乙種の場合は免状を取得した類の危険物保安監督者に限られます。
選任・解任を行ったときは、遅滞なく市町村長等に届け出る必要があります。
設置(変更)許可申請~
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、その区分に応じて市町村長、都道府県知事又は総務大臣に申請し、許可をうけなければなりません。
製造所等を設置又は変更する場合は市町村長等の許可が必要でありますが、具体的許可権者は次のとおりです。
・消防本部及び消防署を設置している市町村の区域(移送取扱所を除く)・・・許可権者は、その区域を管轄する市町村長
・消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域(移送取扱所を除く)・・・許可権者は、その区域を管轄する都道府県知事 |
(4)自己燃焼とは,蒸発燃焼のうち,外部からの空気を必要とせず,その物資中の酸素によって燃焼するものをいい,火薬や爆薬などがこれに該当する。
不適切
燃焼
気体の燃焼 |
内容 |
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定常燃焼 |
混合燃焼ーあらかじめ可燃性気体と空気が混合しているものが燃焼する 非混合燃焼ー可燃性気体が大気中に噴出して燃焼するもの |
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非定常燃焼 |
可燃性気体と空気の混合物が密閉容器中にある時に点火されると,燃焼の速さが急激に 増加して,爆発的に燃焼するもので,爆発燃焼ともいう。 |
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液体の燃焼 |
内容 |
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蒸発燃焼 |
石油等の可燃性気体は,液面から蒸発する可燃性蒸気が空気と混合して燃焼するので蒸発燃焼という。 |
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引火点,発火点 |
燃焼の下限界の温度を引火点という。また,液体が自然に燃焼し始める温度を発火点といい,整備工場で 中将使われるものは次のようになっている。
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個体の燃焼 |
内容 |
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表面燃焼 |
個体の表面で高温を保ちながら燃焼するもの(木炭,金属粉の燃焼等 |
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分解燃焼 |
個体が加熱されて熱分解が起こり,可燃性ガスが発生して燃焼するもの(木材,石炭,紙の燃焼等) |
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自己燃焼 |
分解燃焼のうち,空気を必要としないで,その物質中の酸素によって燃焼するもの(火薬,爆薬等) |
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蒸発燃焼 |
個体が加熱されて可燃性ガスが発生して燃焼するもの(ナフタリン,硫黄等) |
よって答えは 3