振動・騒音:平成28年3月実施1級小型問題40
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振動・騒音に関する故障診断の対処方法として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)後輪駆動(FR車)の5速MT車において,90km/h付近での走行時にこもり音が発生する。現象発生時,クラッチ・ペダルを踏んで駆動トルクを遮断して惰行すると発生しないため,プロペラ・シャフトのジョイント角を点検した。
(2)後輪駆動(FR車)の5速MT車において,4速(直結),エンジン回転速度4000min-1で走行中に66.6Hzの車体振動が発生したため,プロペラ・シャフトのアンバランス量の点検をした。
(3)4サイクル4気筒エンジン搭載車において,Dレンジのアイドル回転(650min-1)時に,ステアリング・ホイール及びシートに振動が発生し,周波数が10.8Hzだったため,エンジンのトルク変動によるものと判断し,エンジン・マウンティングを点検した。
(4)停車時のエンジン・レーシングにおいて,特定のエンジン回転速度で“ボー”,“ウォーン”という耳に圧迫感のある連続音が発生したので,こもり音と判断し,エンジン本体の共振やアンバランス及びエンジン補機類の共振やアンバランスを点検した。
解く
(1)後輪駆動(FR車)の5速MT車において,90km/h付近での走行時にこもり音が発生する。現象発生時,クラッチ・ペダルを踏んで駆動トルクを遮断して惰行すると発生しないため,プロペラ・シャフトのジョイント角を点検した。
適切
駆動時=ジョイント角によるトルク変動によって生じるこもり音
惰行時=アンバランスによって生じるこもり音
(2)後輪駆動(FR車)の5速MT車において,4速(直結),エンジン回転速度4000min-1で走行中に66.6Hzの車体振動が発生したため,プロペラ・シャフトのアンバランス量の点検をした。
適切
4000÷60=66.666・・・:プロペラシャフトの1次振動
(3)4サイクル4気筒エンジン搭載車において,Dレンジのアイドル回転(650min-1)時に,ステアリング・ホイール及びシートに振動が発生し,周波数が10.8Hzだったため,エンジンのトルク変動によるものと判断し,エンジン・マウンティングを点検した。
不適切
エンジンのトルク変動によるもの(4サイクル4気筒エンジン):650÷60×2=21.666・・・Hz
1気筒2回転で1回のトルク変動→4気筒の場合1回転で2回のトルク変動
(4)停車時のエンジン・レーシングにおいて,特定のエンジン回転速度で“ボー”,“ウォーン”という耳に圧迫感のある連続音が発生したので,こもり音と判断し,エンジン本体の共振やアンバランス及びエンジン補機類の共振やアンバランスを点検した。
適切
よって答えは(3)
こもり音の主な原因
振動強制力(②及び③はプロペラシャフト関係) |
振動伝達部位 |
①エンジンの回転速度、往復部分の アンバランスやトルク変動 ②プロペラシャフトのジョイント → 1回転に2回発生 角によるトルク変動 (プロペラシャフト2次成分) ③プロペラシャフトのアンバランス→ 1回転に1回発生 (プロペラシャフト1次成分) ④クラッチカバー及びディスクのアンバランス ⑤排気振動 ⑥吸気振動 ⑦タイヤのユニフォミティ不良→(1回転で何か所もある) |
①駆動系のねじり振動の共振 ②駆動系の曲げ共振 ③エキゾーストパイプの共振 ④エンジン補器類の共振 ⑤リヤサスペンション系の共振 ⑥ボデー外板の共振
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