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令和4年3月実施1級小型問題14:電子制御式スロットル装置を用いた筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述

電子制御式スロットル装置を用いた筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)リーンNOx触媒のうちトラップ型のものは.定常的な浄化が可能であり,ガソリン中に硫黄分が含まれていても浄化性能への影響が少ないという特徴がある。選択還元型のものは,NOxの浄化率は高いものの,ガソリン中に硫黄分が含まれていると急速に劣化するという特徴がある。

 

(2)成層燃焼(超希薄燃焼)時には,大量のEGRを行うことで燃焼温度を下げており,更に三元触媒の効果により,NOx自体の生成を大幅に低減している。

 

(3)均質リーン燃焼時には,大量のEGRを行うことで燃焼温度を下げており,更に三元触媒の効果により,NOx自体の生成を大幅に低減している。

 

(4)スワール流方式では,スワール・コントロール・バルブと深皿型頂面ピストンを用いてスワール流を制御しており,成層燃焼時には,スワール・コントロール・バルブを閉じるため,吸人空気はヘリカル・ポートから燃焼室内に流れ込み,スワール流を作り出す

 

 

解く

 

(1)リーンNOx触媒のうちトラップ型選択還元型のものは.定常的な浄化が可能であり,ガソリン中に硫黄分が含まれていても浄化性能への影響が少ないという特徴がある。選択還元型トラップ型のものは,NOxの浄化率は高いものの,ガソリン中に硫黄分が含まれていると急速に劣化するという特徴がある。

 

不適切

 

 リーン Nox 触媒

リーン Nox 触媒には,選択還元型とトラップ型がある。

表 のようにそれぞれに長所と短所があり,使用状況に応じた使われ方をしている。

表 リーンNOx触媒の種類と特徴

 

選択還元型

トラップ型

原理

リーン(希薄)燃焼時に活性層で図3-35のようにHCを使用してNOxを還元する

リーン(希薄)燃焼時には、図のようにNOxを吸蔵物質に蓄えておき、理論空燃比運転時に濃くし、排出ガス中のCO、HC等を利用してNOxを還元する。

長所

定常的な浄化が可能。ガソリン中に硫黄分が含まれていても浄化性能への影響は少ない。

NOxの浄化率が高い。

短所

還元にHCを使用するため、上流に三元触媒を設置できない。このため、三元触媒の活性化に時間が必要。

ガソリン中に硫黄分が含まれていると急速に劣化する。NOx還元時は空燃比を濃くする必要あり。

短所を補う制御

触媒早期活性化制御により、燃焼(膨張)工程での燃料噴射を行なうと共に排気滞留時間が長いのマニホールドを採用することで、短時間での三元触媒活性化を行なう。

電子制御スロットル・バルブにより、吸入空気量を絞って一時的に空燃比を濃くし、還元時の燃料消費を最小化する。

 

(2)成層燃焼(超希薄燃焼)時には,大量のEGRを行うことで燃焼温度を下げており,更に三元触媒の効果により,NOx自体の生成を大幅に低減している。

 

不適切

 

排出ガス浄化対策

成層燃焼では,超希薄燃焼を行うため,三元触媒では NOx 低減ができない。しかしながら,成層燃焼時は,非常に安定した燃焼となっているため, EGR を導入しても安定した燃焼が可能である。

そこで,大量の EGR を導入し,燃焼温度を下げることにより NOx 自体の生成を大幅に低減している。

また,均質リーン燃焼時には,燃焼限界にあるため, EGR が導入できないので,それらの対応を含め,リーン NOx 触媒を採用し, NOx を更に低減している。

 

(3)均質リーン燃焼成層燃焼時には,大量のEGRを行うことで燃焼温度を下げており,均質燃焼時には三元触媒の効果により,NOx自体の生成を大幅に低減している。

不適切

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(4)スワール流方式では,スワール・コントロール・バルブと深皿型頂面ピストンを用いてスワール流を制御しており,成層燃焼時には,スワール・コントロール・バルブを閉じるため,吸人空気はヘリカル・ポートから燃焼室内に流れ込み,スワール流を作り出す

 

適切

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よって答えは(4)