自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

筒内噴射式ガソリン・エンジン:令和3年3月実施1級小型問題10

自動車整備士資格の勉強始めました

 

電子制御式スロットル装置を用いた筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)インジェクタには,高電圧大電流に対応した低抵抗コイルが内蔵されているため,作動確認などでバッテリ電圧を直接コイルに印加する場合は,数秒以内(2~3秒程度)で点検を行う必要がある。

 

(2)低速トルク向上制御において,吸入行程の噴射は,自己着火しない程度のリーンな混合となるようにし,圧縮行程中の噴射は,自己着火(ノッキング)が発生する前に火炎伝播により燃焼するようにしているため,耐ノッキング性と低速トルクが向上する。

 

(3)リーンNOX触媒のうちトラップ型のものは,リーン(希薄)燃焼時には,NOX吸蔵物質にNOXを蓄えておき,理論空燃比運転時に一時的に空燃比を薄くすることでNOXを還元している。

 

(4)アクセル及びスロットルの各センサ信号が二重系になっているため,エンジンECUとスロットルECUがアクセル系統もしくはスロットル系統の異常を検出したときでも,すべての故障状況で通常と同じ走行が可能である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解く

 

(1)インジェクタには,高電圧大電流に対応した低抵抗コイルが内蔵されているため,作動確認などでバッテリ電圧を直接コイルに印加する場合は,数秒以内(2~3秒程度)で点検を行う必要がある。

不適切

高電圧大電流に対応した低抵抗コイルを内蔵しており,作動確認などでバッテリ電圧を直接印加するとコイルが溶損するため,絶対にバッテリ電圧を直接掛けてはならない。

 

 

(2)低速トルク向上制御において,吸入行程の噴射は,自己着火しない程度のリーンな混合となるようにし,圧縮行程中の噴射は,自己着火(ノッキング)が発生する前に火炎伝播により燃焼するようにしているため,耐ノッキング性と低速トルクが向上する。

適切

 

低速トルク向上制御

低速トルクを向上させるために,燃料を吸入行程と圧縮行程で2回に分けて噴射して燃焼(空燃比:合計で15~23程度)させている。

1回目の吸入行程での噴射では,自己着火しない程度のリーンな混合となるようにし,次に圧縮行程で残りの燃料を噴射する。

圧縮行程中に噴射された燃料は,自己着火(ノッキング)が発生する前に火炎伝播により燃焼するため,耐ノッキング性が向上し,点火時期の進角が可能となり,また低速トルクの大幅な向上が行われている。

 

 

(3)リーンNOX触媒のうちトラップ型のものは,リーン(希薄)燃焼時には,NOX吸蔵物質にNOXを蓄えておき,理論空燃比運転時に一時的に空燃比を薄くすることでNOXを還元している。

不適切

表 リーンNOx触媒の種類と特徴

 

選択還元型

トラップ型

原理

リーン(希薄)燃焼時に活性層で図3-35のようにHCを使用してNOxを還元する

リーン(希薄)燃焼時には、NOxを吸蔵物質に蓄えておき、理論空燃比運転時に濃くし、排出ガス中のCO、HC等を利用してNOxを還元する。

長所

定常的な浄化が可能。ガソリン中に硫黄分が含まれていても浄化性能への影響は少ない。

NOxの浄化率が高い。

短所

還元にHCを使用するため、上流に三元触媒を設置できない。このため、三元触媒の活性化に時間が必要。

ガソリン中に硫黄分が含まれていると急速に劣化する。NOx還元時は空燃比を濃くする必要あり。

短所を補う制御

触媒早期活性化制御により、燃焼(膨張)工程での燃料噴射を行なうと共に排気滞留時間が長いのマニホールドを採用することで、短時間での三元触媒活性化を行なう。

電子制御スロットル・バルブにより、吸入空気量を絞って一時的に空燃比を濃くし、還元時の燃料消費を最小化する。

 

 

(4)アクセル及びスロットルの各センサ信号が二重系になっているため,エンジンECUとスロットルECUがアクセル系統もしくはスロットル系統の異常を検出したときでも,すべての故障状況で通常と同じ走行が可能である。

 

不適切

万一の故障時にも対応できるように,アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系にすると共に,異常を検出したときには,退避走行が可能となる程度に吸入空気の流量を制御している。

 

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よって答えは 2