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電子制御式AT:平成25年3月実施1級小型問題19

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前進4段のロックアップ機構付き電子制御式ATに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。


(1)変速時のライン・プレッシャ制御では,変速時に駆動力の伝達効率が低下することを防止するため,変速状態に応じてー時的に,通常時よりも高いライン・プレッシャ特性を設定している。


(2)ATFの低温時の変速制御では,Dレンジ第4速(オーバドライブ)への変速禁止を行っている。


(3)エンジン・ブレーキ制御では,シフト・ポジション・センサ,オーバドライブ・スイッチ及びスロットル・ポジション・センサの入力信号により,AT・ECUがシフト・ソレノイド・バルブA,Bの両方を停止することで,エンジン・ブレーキを発生させている。


(4)走行中,車速センサ1と車速センサ2の両方に異常が発生した場合は,フェイルセーフ機能が働き,Dレンジ,2レンジ及び1レンジのすべての前進モードで,3速固定での走行が可能である。

 

 

 

 

 

 

 

解く

(1)変速時のライン・プレッシャ制御では,変速時に駆動力の伝達効率が低下することを防止するため,変速状態に応じてー時的に,通常時よりも高いライン・プレッシャ特性を設定している。
不適切

f:id:n9h28eg0:20210225193045p:plain
(2)ATFの低温時の変速制御では,Dレンジ第4速(オーバドライブ)への変速禁止を行っている。
適切
 ATFの温度が10℃以下では,Dレンジ第4速(オーバドライブ)への変速禁止を行う。

 

(3)エンジン・ブレーキ制御では,シフト・ポジション・センサ,オーバドライブ・スイッチ及びスロットル・ポジション・センサの入力信号により,AT・ECUシフト・ソレノイド・バルブA,Bの両方を停止することで,エンジン・ブレーキを発生させている。
不適切
エンジン・ブレーキ制御
図に示すセンサの入力信号からECUがオーバラン・クラッチ・ソレノイド・バルブを駆動させ自動的にオーバラン・クラッチの作動を制御している。

f:id:n9h28eg0:20210225193156p:plain
(4)走行中,車速センサ1と車速センサ2の両方に異常が発生した場合は,フェイルセーフ機能が働き,Dレンジ,2レンジ及び1レンジのすべての前進モードで,3速固定での走行が可能である。
不適切
車速センサ
車速センサは,車速センサ1と車速センサ2の2系統から入力している。そのどちらか一系統に異常が発生しても,走行が可能である。また,走行中に2系統とも,異常が発生した場合は,D,2レンジでは3速固定,1レンジでは2速固定とし走行できる。

 

ATに用いられている圧力センサ:平成25年3月実施1級小型問題18

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ATに用いられている図1に示す特性をもつ図2の回路の点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
問題補足

 

f:id:n9h28eg0:20210224210129p:plain

(1)アイドル回転速度時,V1とV2に約0.6Vあれば信号線は正常だと考えられ,V1とV2の電圧が異なる場合は,信号線の断線及び信号線の接触抵抗の増大が考えられる。


(2)ストール時,V5とV6に約3.4Vあれば信号線は正常だと考えられ,V5とV6の電圧が異なる場合は,信号線の断線,信号線の接触抵抗の増大及び信号アース線の断線が考えられる。


(3)V3とV4の電圧が等しく,かつ,AT・ECUから信号アース線を外したときに,V3と,配線側のV4の電圧が等しければ,信号アース線は正常だと考えられるが,V3とV4(配線は接続状態)の電圧が異なる場合は,信号アース線の短絡(地絡)が考えられる。


(4)信号電圧V5を測定したときに,アイドル回転速度時に約0.6Vあり,ATのストール時に約3.4Vに変化した場合は,半導体式油圧センサは正常だと考えられ,V5に信号電圧が発生しない場合は,半導体式油圧センサの異常,AT・ECU本体の異常,電源線の短絡(地絡),信号線の短絡(地絡)及び信号アース線の断線が考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

解く

f:id:n9h28eg0:20210224210235p:plain
(1)アイドル回転速度時,V1とV2に約0.6Vあれば信号線は正常だと考えられ,V1とV2の電圧が異なる場合は,信号線の断線及び信号線の接触抵抗の増大が考えられる。
適切
信号線の断線

f:id:n9h28eg0:20210224210258p:plain
信号線の接触抵抗の増大

f:id:n9h28eg0:20210224210329p:plain
(2)ストール時,V5とV6に約3.4Vあれば信号線は正常だと考えられ,V5とV6の電圧が異なる場合は,信号線の断線,信号線の接触抵抗の増大及び信号アース線の断線が考えられる。
適切

f:id:n9h28eg0:20210224210421p:plain
信号アース線の断線

f:id:n9h28eg0:20210224210448p:plain
(3)V3とV4の電圧が等しく,かつ,AT・ECUから信号アース線を外したときに,V3と,配線側のV4の電圧が等しければ,信号アース線は正常だと考えられるが,V3とV4(配線は接続状態)の電圧が異なる場合は,信号アース線の短絡(地絡)が考えられる。
不適切
(3)V3とV4の電圧が等しく,かつ,AT・ECUから信号アース線を外したときに,V3と,配線側のV4の電圧が等しければ,信号アース線は正常だと考えられるが,V3とV4(配線は接続状態)の電圧が異なる場合は,信号アース線の断線が考えられる。

信号アース線の短絡(地絡)

f:id:n9h28eg0:20210224210548p:plain
(4)信号電圧V5を測定したときに,アイドル回転速度時に約0.6Vあり,ATのストール時に約3.4Vに変化した場合は,半導体式油圧センサは正常だと考えられ,V5に信号電圧が発生しない場合は,半導体式油圧センサの異常,AT・ECU本体の異常,電源線の短絡(地絡),信号線の短絡(地絡)及び信号アース線の断線が考えられる。
適切
半導体式油圧センサの異常

f:id:n9h28eg0:20210224210836p:plain
AT・ECU本体の異常(信号線の短絡(地絡))

f:id:n9h28eg0:20210224210638p:plain
電源線の短絡(地絡)

f:id:n9h28eg0:20210224210704p:plain
信号アース線の断線

 

f:id:n9h28eg0:20210224210727p:plain

 

EPSのDCブラシレス・モータの回路:平成25年3月実施1級小型問題17

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図に示すEPSのDCブラシレス・モータの回路で,ステアリング・ホイールを右旋回方向(CW)にー定操舵力で操舵しているときの回路点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。ただし,回路中のロード・リミッタの作動やフィードバック・センサの異常の影響はないものとする。
問題補足

 

f:id:n9h28eg0:20210224052307p:plain

(1)V7とV8の電圧に差が発生している場合,U+信号線の断線及びU+信号線の接触抵抗の増大は考えられるが,信号アース線の断線は考えられない。


(2)V5とV6に電圧が発生しない場合,EPS・ECU本体の異常及び駆動アンプの異常は考えられるが,U+信号線の短絡(地絡)は考えられない。


(3)V3とV4の電圧に差が発生していないにも関わらず,モータの動作が不良の場合,U相駆動線の短絡(地絡)は考えられるが,U相駆動線の断線は考えられない。


(4)V1とV2の電圧に差が発生していないにも関わらず,モータの動作が不良の場合,モータの異常,駆動アンプの異常及びEPS・ECU本体の異常が考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

解く

CW駆動の場合は,U⇒V,U⇒W,V⇒W,V⇒U,W⇒U,W⇒Vの順番で電流を流してモータをCW駆動する。

 

f:id:n9h28eg0:20210224052349p:plain

(1)V7とV8の電圧に差が発生している場合,U+信号線の断線及びU+信号線の接触抵抗の増大は考えられるが,信号アース線の断線は考えられない。
適切

U+信号線の断線及びU+信号線の接触抵抗の増大

f:id:n9h28eg0:20210224052442p:plain
信号アース線の断線

f:id:n9h28eg0:20210224052512p:plain
(2)V5とV6に電圧が発生しない場合,EPS・ECU本体の異常及び駆動アンプの異常は考えられるが,U+信号線の短絡(地絡)は考えられない。
不適切
EPS・ECU本体の異常:考えられない

f:id:n9h28eg0:20210224052604p:plain
駆動アンプの異常:考えられない

f:id:n9h28eg0:20210224052630p:plain
U+信号線の短絡(地絡):考えられる

f:id:n9h28eg0:20210224052658p:plain
(3)V3とV4の電圧に差が発生していないにも関わらず,モータの動作が不良の場合,U相駆動線の短絡(地絡)は考えられるが,U相駆動線の断線は考えられない。
適切
U相駆動線の短絡(地絡)は考えられる

f:id:n9h28eg0:20210224052803p:plain
U相駆動線の断線は考えられない

f:id:n9h28eg0:20210224052827p:plain
(4)V1とV2の電圧に差が発生していないにも関わらず,モータの動作が不良の場合,モータの異常,駆動アンプの異常及びEPS・ECU本体の異常が考えられる。
適切

V1=V2=12:モータの異常

f:id:n9h28eg0:20210224052907p:plain
V1=V2=0:駆動アンプの異常

f:id:n9h28eg0:20210224052933p:plain
V1=V2=0:EPS・ECU本体の異常

f:id:n9h28eg0:20210224052955p:plain
よって答えは 2

 

MREセンサを用いた,トルク・センサ回路:平成25年3月実施1級小型問題16

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EPSのトルク・センサに,図1の異常検知範囲と,図2の信号電圧特性をもつMREセンサを用いた,図3のトルク・センサ回路のIGスイッチON時における異常検知に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
問題補足

 

f:id:n9h28eg0:20210224041921p:plain

(1)①の箇所に断線がある場合,EPS・ECU内5V安定化電源回路⇒トルク・センサ⇒信号アース線,及びトルク・センサ⇒信号線⇒EPS・ECUに電流を流す回路構成がなくなるため,入力回路には,信号電圧0Vが入力され,マイコンは,下限値の閾値をダウン・エッジする信号電圧を検出して異常検知を行う。


(2)②の箇所で線間短絡がある場合,EPS・ECU内5V安定化電源回路⇒トルク・センサ⇒信号アース線,及びトルク・センサ⇒信号線⇒EPS・ECUに電流を流す回路構成がなくなるため,入力回路には,信号電圧0Vが入力され,マイコンは,下限値の閾値をダウン・エッジする信号電圧を検出して異常検知を行う。


(3)③の箇所で短絡(地絡)がある場合,入力回路には,信号電圧0Vが入力され,マイコンは,下限値の閾値をダウン・エッジする信号電圧を検出して異常検知を行う。


(4)④の箇所で断線がある場合,EPS・ECU内5V安定化電源回路⇒トルク・センサ⇒信号アース線に電流を流す回路構成がなくなるため,入力回路には,電源線の電圧が入力され,マイコンは,上限値の閾値をアップ・エッジする信号電圧を検出して異常検知を行う。

 

 

 

 

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コモン・レール式高圧燃料噴射システム:平成25年3月実施1級小型問題15

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コモン・レール式高圧燃料噴射システムに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。


(1)サプライ・ポンプ本体には,フェイス・カム,プランジャ及びスピル弁により構成されるフェイス・カム機構が採用され 従来の分配型インジェクション・ポンプのインナ・カム機構と比較すると超高圧化が可能となる。


(2)エンジンECUは,エンジンの状態からコモン・レールの目標圧力を算出し,レール圧センサの出力が目標値となるように,サクション・コントロール・バルブのON・OFF時間を決定して,ポンプ室内に吸入する燃料の量を制御することにより,サプライ・ポンプからコモン・レールに供給する燃料の量を調節している。


(3)減速時フューエル・カットでは,冷却水温が低いときほどフューエル・カット回転速度及び復帰回転速度を低くすることで,燃費の向上を図ると共に,エンジンの暖機を促進している。


(4)電子制御式分配型インジェクション・ポンプを用いた燃料噴射システムと比較すると,全回転域に渡って噴射圧力が高圧化されるため,燃料系の整備作業(含むガス欠エンスト時)を行った場合においても,配管内のエア抜き作業(30秒程度のクランキングを含む)を行う必要がない。

 

 

 

 

 

 

 


解く
(1)サプライ・ポンプ本体には,ェイス・カム,プランジャ及びスピル弁により構成されるフェイス・カム機構が採用され 従来の分配型インジェクション・ポンプのインナ・カム機構と比較すると超高圧化が可能となる。
不適切
(1)サプライ・ポンプ本体には,インナ・カム,ローラ及びプランジャにより構成されるインナ・カム機構が採用され 従来の分配型インジェクション・ポンプのフェイス・カム機構と比較すると超高圧化が可能となる。

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(2)エンジンECUは,エンジンの状態からコモン・レールの目標圧力を算出し,レール圧センサの出力が目標値となるように,サクション・コントロール・バルブのON・OFF時間を決定して,ポンプ室内に吸入する燃料の量を制御することにより,サプライ・ポンプからコモン・レールに供給する燃料の量を調節している。
適切

 

(3)減速時フューエル・カットでは,冷却水温が低いときほどフューエル・カット回転速度及び復帰回転速度を低くすることで,燃費の向上を図ると共に,エンジンの暖機を促進している。
不適切
(3)減速時フューエル・カットでは,冷却水温が低いときほどフューエル・カット回転速度及び復帰回転速度を高くすることで,エンジンの暖機を促進している。

減速時でアイドル接点 ON 時,エンジン回転速度が 900min-1以上のときは,燃料噴射を停止して燃費の向上を図っている。なお,冷却水温が低いときは,フューエル・カット回転速度及び復帰回転速度を高くしている。

(4)電子制御式分配型インジェクション・ポンプを用いた燃料噴射システムと比較すると,全回転域に渡って噴射圧力が高圧化されるため,燃料系の整備作業(含むガス欠エンスト時)を行った場合においても,配管内のエア抜き作業(30秒程度のクランキングを含む)を行う必要がない。
不適切
燃料系の作業後(含むガス欠エンスト時)は,配管内のエア抜きを行うこと。(通常のエンジンよりもエアが抜けにくくなっている。)エア抜きは,フューエル・フィルタの手押しポンプの抵抗が大きくなるまで押して行う。行わない場合は, 30 秒程度のクランキングが必要となる。

よって答えは 2

筒内噴射式ガソリン・エンジン:平成25年3月実施1級小型問題14

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電子制御式スロットル装置を用いた筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。


(1)スリット・ノズルを内蔵したインジェクタのスリットは,噴霧燃料を扇状に広げる働きをしており,大気圧雰囲気下(吸気行程噴射時)では,均質燃焼に適すように広く分散した噴霧パターンで噴射している。


(2)成層燃焼とは,層状燃焼と同義であり,部分的に濃淡の混合気の層を作り出して,濃い部分で燃焼させるようにした燃焼方法をいう。


(3)リーンNOx触媒のうち選択還元型のものは,リーン(希薄)燃焼時には,NOx吸蔵物質にNOxを蓄えておき,理論空燃比運転時にー時的に空燃比を濃くすることでNOxを還元している。


(4)成層燃焼を行うためには,圧縮行程で噴射した燃料が,スパーク・プラグ周辺に適切な可燃濃度を持つ混合気となって存在する必要がある。このため,筒内流動や燃料噴霧を積極的に活用するための吸気装置をもっている。

 

 

 

 

 

 

 

解く
(1)スリット・ノズルを内蔵したインジェクタのスリットは,噴霧燃料を扇状に広げる働きをしており,大気圧雰囲気下(吸気行程噴射時)では,均質燃焼に適すように広く分散した噴霧パターンで噴射している。
適切

 

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(2)成層燃焼とは,層状燃焼と同義であり,部分的に濃淡の混合気の層を作り出して,濃い部分で燃焼させるようにした燃焼方法をいう。
適切

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(3)リーンNOx触媒のうち選択還元型のものは,リーン(希薄)燃焼時には,NOx吸蔵物質にNOxを蓄えておき,理論空燃比運転時にー時的に空燃比を濃くすることでNOxを還元している。
不適切
(3)リーンNOx触媒のうちトラップ型のものは,リーン(希薄)燃焼時には,NOx吸蔵物質にNOxを蓄えておき,理論空燃比運転時にー時的に空燃比を濃くすることでNOxを還元している。

リーンNOx触媒の種類と特徴

 

選択還元型

トラップ型

原理

リーン(希薄)燃焼時に活性層で図3-35のようにHCを使用してNOxを還元する

リーン(希薄)燃焼時には、NOxを吸蔵物質に蓄えておき、理論空燃比運転時に濃くし、排出ガス中のCO、HC等を利用してNOxを還元する。

長所

定常的な浄化が可能。ガソリン中に硫黄分が含まれていても浄化性能への影響は少ない。

NOxの浄化率が高い。

短所

還元にHCを使用するため、上流に三元触媒を設置できない。このため、三元触媒の活性化に時間が必要。

ガソリン中に硫黄分が含まれていると急速に劣化する。NOx還元時は空燃比を濃くする必要あり。

短所を補う制御

触媒早期活性化制御により、燃焼(膨張)工程での燃料噴射を行なうと共に排気滞留時間が長いのマニホールドを採用することで、短時間での三元触媒活性化を行なう。

電子制御スロットル・バルブにより、吸入空気量を絞って一時的に空燃比を濃くし、還元時の燃料消費を最小化する。

 

(4)成層燃焼を行うためには,圧縮行程で噴射した燃料が,スパーク・プラグ周辺に適切な可燃濃度を持つ混合気となって存在する必要がある。このため,筒内流動や燃料噴霧を積極的に活用するための吸気装置をもっている。
適切

 

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よって答えは 3

圧縮天然ガス(CNG)自動車の点検・整備:平成25年3月実施1級小型問題13

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圧縮天然ガス(CNG)自動車の点検・整備に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。


(1)燃料用ガス・ボンベ(容器)は,ボンベの製造日からの経過年数が20年未満のものは6年ごとに,ボンベの製造日からの経過年数が20年以上のものは,2年ごとにボンベ再検査を受けなくてはならない。


(2)容器再検査に合格した燃料用ガス・ボンベ(容器)は,ー回に限り,搭載容器の他車への転用が可能である。


(3)燃料用ガス・ボンベ(容器)の再検査における外観検査は,ボンベの損傷の有無のみによって合否判定するー次外観検査と,ー次外観検査に不合格となったボンベについて,測定器具を用いて,法の規定に従い損傷の程度を区別して合否判定する二次外観検査がある。


(4)配管などの気密検査のうち,圧力計による方法(ただし,高圧部に限る)の場合は,配管などに圧力計(最高充てん圧力の1.2倍以上,1.5倍未満の最高目盛りのあるもの)を設置し,圧力の低下が無いことを検査する。

 

 

 

 

 

 

 

解く
(1)燃料用ガス・ボンベ(容器)は,ボンベの製造日からの経過年数が20年未満のものは6年ごとに,ボンベの製造日からの経過年数が20年以上のものは,2年ごとにボンベ再検査を受けなくてはならない。
不適切

充てん可能期限及び検査有効期限
燃料用ガス・ボンべは永久的に使用できるわけではなく,高圧ガス保安法の規定により充てん可能期限(ボンべの使用期限)がボンベ製造日より,15年と規定されている。また,自動車に搭載するガス・ボンべは,ボンべ製造日又はボンべ検査日から 1 年以内に搭載することになっている。ただし,ボンべの保存状態が良ければ 1 年以上経過したボンべでも搭載は可能である。


(2)容器再検査に合格した燃料用ガス・ボンベ(容器)は,ー回に限り,搭載容器の他車への転用が可能である。
不適切
使用制限の規定
容器再検査を車載状態で行う場合,容器内部の検査は事実上不可能(大気開放されることがないことを前提とするため)なため,容器内部の損傷,腐蝕などが起こらぬように管理することが不可欠である。
・ガス中の水分が結露しないように,水分割合を規定している。(ガス販売会社にて管理)
容器内部の大気開放防止のため,搭載容器の他車への転用は禁止されている。当然,一般家庭用など,他への使用も禁止される。
・ガス容器の他への利用,他車への搭載を禁止し,ガス容器の使用限度期間(耐用年数)を CNG 自動車の中で,現在最も長寿命と考えられる路線バスの寿命 12 ~ 14 年をカバーする 15 年とし,性能規定条件を明確化している。
・製造後 15 年を経過したガス容器は,ガス充てん,貯蔵及び移動の禁止,すなわち, CNG 自動車の廃車時や交換時に外したガス容器及び附属品の他(車)への転用を禁止し,クズ化して廃棄することが容器所有者(車両所有者)の責務となっている。

 

(3)燃料用ガス・ボンベ(容器)の再検査における外観検査は,ボンベの損傷の有無のみによって合否判定するー次外観検査と,ー次外観検査に不合格となったボンベについて,測定器具を用いて,法の規定に従い損傷の程度を区別して合否判定する二次外観検査がある。
適切


(4)配管などの気密検査のうち,圧力計による方法(ただし,高圧部に限る)の場合は,配管などに圧力計(最高充てん圧力の1.2倍以上,1.5倍未満の最高目盛りのあるもの)を設置し,圧力の低下が無いことを検査する。
不適切
(4)配管などの気密検査のうち,圧力計による方法(ただし,高圧部に限る)の場合は,配管などに圧力計(最高充てん圧力の1.5倍以上,3.0倍未満の最高目盛りのあるもの)を設置し,圧力の低下が無いことを検査する。

配管などの気密検査
燃料配管などの気密検査は,次に挙げるいずれかの方法により検査すること。なお,検査の際は配管などに常用の圧力を加えた状態で行うこと。
( a )検知液による方法
配管や継手部などへ検知液を直接塗布し,発泡が無いことを検査する。
( b )ガス検知機による方法
配管や継手部などへガス検知機(メタン・ガスの濃度が 0 . 2 %以下まで検出できるもの)の検出部を当ててガス漏れが無いことを検査する。
( c ) 圧力計による方法(ただし,高圧部に限る)
配管などに圧力計(最高充てん圧力の 1.5 倍以上, 3.0 倍以下の最高目盛りのあるもの)を設置し,圧力の低下が無いことを検査する。
 

 よって答えは 3