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平成21年3月実施1級小型問題8:電子制御式スロットル装置等に用いられる,リニアDCブラシレス・モータ(三相交流の小規模アクチュエータ)

8

図に示す電子制御式スロットル装置等に用いられる,リニアDCブラシレス・モータ(三相交流の小規模アクチュエータ)に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)図のモータは,CW駆動とCCW駆動の相互方向駆動をもつもので,駆動回路内のインバータにより単相交流三相交流に変換して回転速度制御を行っている。

(2)CW駆動からCCW駆動,またはCCW駆動からCW駆動になるときは,コイルのU相,V相,W相に流れる電流の向き(各二相に掛かる電圧の極性)と順序が変化してモータが逆回転する。

(3)駆動速度の検出は,ホール素子などのF/Bセンサを用いて,U相,V相,W相の各相の磁束を検出して行う。

(4)アクチュエータの駆動回路の異常検知は,駆動信号電圧に基づき,診断回路(シャント抵抗両端の電圧検出)によりマイコンが検出する。

 

解く

 

 

(1)図のモータは,CW駆動とCCW駆動の相互方向駆動をもつもので,駆動回路内のインバータにより単相交流三相交流に変換して回転速度制御を行っている。

不適切

直流

(2)CW駆動からCCW駆動,またはCCW駆動からCW駆動になるときは,コイルのU相,V相,W相に流れる電流の向き(各二相に掛かる電圧の極性)と順序が変化してモータが逆回転する。

適切

 CW駆動は,図2一395U相→V相,V相→W相,W相→U相の周期で電流が流れ,CCW駆動は,U相→W相,W相→V相,V相→U相の周期に電流が流れる。

 

CW駆動

CCW駆動

すなわち,CW駆動からCCW駆動,又はCCW駆動からCW駆動になるときには,各二相に流れる電流の向き(各二相に掛かる電圧の極性)と順序が変化してモータが逆回転する。

(3)駆動速度の検出は,ホール素子などのF/Bセンサを用いて,U相,V相,W相の各相の磁束を検出して行う。

適切

 マイコンの信号電圧に基づき,駆動回路でこのCWとCCWの切り替えを行い,ブラシレス・モータの回転方向と駆動力が制御される。

 また,マイコンの信号電圧に基づく制御目標値を確認するために,F/Bセンサで駆動位置及び駆動速度を確認しており,F/Bセンサは,のようにモータ部と一体に取り付けられている。

 回転位置検出には,この三相交流の入力タイミングに基づき,周波数に同期して回転するロータの回転位置を検出して,マイコンにフィードバックすることで算定している。

 駆動速度の検出には,ホール素子などのF/Bセンサを用いて,U相,V相,W相の各相の磁束を検出し,マイコンにフィードバックして三相交流を入力するタイミングを算定する。

 

 

(4)アクチュエータの駆動回路の異常検知は,駆動信号電圧に基づき,診断回路(シャント抵抗両端の電圧検出)によりマイコンが検出する。

適切

(d)異常検知(F/Bセンサ付き)

(ⅰ)異常検知の範囲

 マイコンが異常検知する仕組みは,に示すように回路構成上,駆動回路の診断回路とF/Bセンサ診断回路の2箇所で行っている。

 は,U相,V相,W相に関する駆動回路上の異常検知の特性図で,マイコンからの信号電圧(駆動情報)に基づき,異常作動状態を駆動回路に設けられた診断回路(シャント抵抗両端の電圧検出)によりマイコンが検出する。

マイコンは,回路正常時には,診断回路により閾値の範囲内の電圧を検出する。

また,モータのロック(シャント抵抗両端に異常電圧が掛かる。)又は断線(シャント抵抗両端にOVが掛かる。)が発生すると,マイコンは,閾値をアップ・エッジ又はダウン・エッジする作動診断信号電圧を検出して異常検知を行う。

(注)駆動回路の中には,過電流保護回路(カレント・リミッタ)の一部としてU相,V相,W相ごとに診断回路(シャント信号電圧回路)が設けられ,過電流の検出回路を行っているが,図の等価回路上では省略している

よって答えは1