前進4段のロックアップ機構付き電子制御式ATに用いられるセンサ及びセンサ信号の異常検知に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ポテンショ・メータ式スロットル・ポジション・センサの内部に取り付けられているスロットル・バルブ・スイッチには,アイドル接点とフル接点の二つの接点があり,その接点からの信号電圧は,スロットル・ポジション・センサに異常が発生したときに使用される。
(2)リニア信号センサに分類される機械式油圧センサは,5V安定化電源を利用して,オイル・ポンプの吐出圧,ライン・プレッシャ,パイロット・プレッシャなどの圧力変化に応じたセンサ信号電圧を出力している。
(3)ハードウェアによる異常検知では,センサ回路(電源から入力回路に入るまで)の回路構成の仕組みとプログラムのマップ・データを活用して,センサの規定値から外れる信号電圧が入力回路に入力したとき,又は信号電圧なしの場合に異常検知が行われ,主な検知対象は,センサ信号線の断線及び短絡である。
(4)ソフトウェアによる異常検知では,ハードウェアでは検知できないものが対象となり,信号電圧が正常値の範囲であっても,信号電圧の変化値が車両の運転上あり得ないもの,又は他のセンサ信号との類推比較で車両の運転上あり得ないものを検知対象にしている。
解く
(1)ポテンショ・メータ式スロットル・ポジション・センサの内部に取り付けられているスロットル・バルブ・スイッチには,アイドル接点とフル接点の二つの接点があり,その接点からの信号電圧は,スロットル・ポジション・センサに異常が発生したときに使用される。
適切
(2)リニア信号センサに分類される機械式油圧センサは,5V安定化電源を利用して,オイル・ポンプの吐出圧,ライン・プレッシャ,パイロット・プレッシャなどの圧力変化に応じたセンサ信号電圧を出力している。
不適切
適切な内容に訂正
(2)論理信号センサに分類される機械式油圧センサは,5V安定化電源を利用して,オイル・ポンプの吐出圧,ライン・プレッシャ,パイロット・プレッシャなどの圧力変化に応じたセンサ信号電圧を出力している。
(3)ハードウェアによる異常検知では,センサ回路(電源から入力回路に入るまで)の回路構成の仕組みとプログラムのマップ・データを活用して,センサの規定値から外れる信号電圧が入力回路に入力したとき,又は信号電圧なしの場合に異常検知が行われ,主な検知対象は,センサ信号線の断線及び短絡である。
適切
(4)ソフトウェアによる異常検知では,ハードウェアでは検知できないものが対象となり,信号電圧が正常値の範囲であっても,信号電圧の変化値が車両の運転上あり得ないもの,又は他のセンサ信号との類推比較で車両の運転上あり得ないものを検知対象にしている。
適切
よって答えは(2)
ハードウェアによる異常検知 |
センサ回路(電源から入力回路に入るまで)の回路構成の仕組みとプログラムのマップ・データを活用して,センサの規定値から外れる信号電圧が入力回路に入力したとき,又は信号電圧なしの場合に異常検知が行われるが,主な検知対象は,センサ信号線の断線及び短絡である。 異常検知の仕組みの設定は,回路構成上の制約があり,限定的な異常検知になる。したがって,センサ信号に異常が発生しても,検知不可能な部分の信号電圧であれば,マイコンは異常を検知しないため,フェイルセーフ制御の運転に移行できず,装置の機能が低下したまま,運転が継続されることになる。 |
ソフトウエアによる異常検知 |
ハードウェアでは検知できないものが対象となり,信号電圧は,正常値の範囲にあるが、信号電圧の変化値が車両の運転上あり得ないもの,又は他のセンサ信号との類推比較で車両の運転上あり得ないものを検知対象にしている。 これらのソフトウェアによる異常検知は,より複雑・精密化した高度制御装置の異常検知技術(多数の閾値を設定して情報を検出)に活用されている。 |