〔No. 9〕回転速度差感応式(粘性式クラッチ)の差動制限型ディファレンシャルに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1)ビスカス・カップリングには、高粘度のハイポイド・ギヤ・オイルが充填(てん)されている。
(2)左右輪に回転速度差が生じたときは、ビスカス・カップリングの作用により、低回転側から高回転側にビスカス・トルクが伝えられ、高回転側に大きな駆動力が発生する。
(3)左右輪に回転速度差が生じると、インナ・プレートとアウタ・プレート間のシリコン・オイルに抵抗が生じる。
(4)左右輪の回転速度差がないときは、ビスカス・トルクが生じる。
解く
(1)ビスカス・カップリングには、高粘度のハイポイド・ギヤ・オイルが充填(てん)されている。
不適切
シリコン・オイル
ビスカス・カップリングは、図に示すように内部は薄い円盤状のアウタ・プレートとインナ・プレートが交互に組み合わされ、アウタ・プレートはハウジングと、インナ・プレートはインナ・シャフトとそれぞれかん合しており、その間に高粘度のシリコン・オイルが充填されている。また、アウタ・プレート間にはスペーサ・リングを設けて隙間を一定に保つようにしている。

(2)左右輪に回転速度差が生じたときは、ビスカス・カップリングの作用により、低回転側から高回転側にビスカス・トルクが伝えられ、高回転側に大きな駆動力が発生する。
不適切
図のように左側のタイヤがスリップして回転速度が速くなると、ディファレンシャルの作用によって左右輪の回転速度に差が生じる。これによりピニオンとディファレンシャル・ケース内周面に摩擦が発生して、高回転側から低回転側に駆動力が伝えられ、低回転側に大きな駆動力が発生するようになる。

(3)左右輪に回転速度差が生じると、インナ・プレートとアウタ・プレート間のシリコン・オイルに抵抗が生じる。
適切
図は、ビスカス・カップリングの原理を示したものである。
図(1)のように、2枚のプレートに回転速度差がない状態ではビスカス・トルク(差動制限カ)が発生しないが、図(2)のように2枚のプレートに回転速度差が生じると、プレート間のシリコン・オイルに抵抗が生じる。

(4)左右輪の回転速度差がないときは、ビスカス・トルクが生じる。
不適切
発生しない
よって答えは(3)