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ガソリン・エンジンの燃焼及び排出ガスに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1) 燃焼によるシリンダ内の圧力は,ピストンが上死点の位置において最高圧力に達する。
(2) 燃料蒸発ガスに含まれる有害物質は,主にHC(炭化水素)である。
(3) ブローバイ・ガスとは,ピストンとシリンダ壁との隙間から,クランクケース内に吹き抜けるガスをいう。
(4) 一般に始動時,高負荷時などには,理論空燃比より濃い混合気が必要となる。
解く
(1) 燃焼によるシリンダ内の圧力は,ピストンが上死点の位置において最高圧力に達する。
不適切
◎燃焼と圧力変化
ガソリン・エンジンでは、スパーク・プラグにより点火されると、その付近の混合気から燃焼が始まり、次第に火炎が伝播して最高圧力に達する。その時間は極めて短時間であるが、その間でもクランクシャフトは相当の角度を回転するので、燃焼時間を考慮して、ピストンが上死点から下がり始めた直後に最高燃焼圧力を加えると、効率よく力を伝えることができる。
図は、燃焼によるシリンダ内の圧力変化とクランクシャフト回転角度の関係を示したもので、A点でスパーク・プラグによって点火すると、その部分の温度が上昇し緩慢な燃焼が始まる。次いで、B点から急速に燃焼して最高圧力のC点に達し、D点で燃焼が終わる。

(2) 燃料蒸発ガスに含まれる有害物質は,主にHC(炭化水素)である。
適切
◎排出ガスの発生過程とその成分
ガソリン・エンジンから排出される有害なガスは、図のような排気ガス、プローバイ・ガス、燃料蒸発ガスである。
これらの排出ガス中には、有害物質であるCO (一酸化炭素)、HC (炭化水素)、NOX (窒素酸化物)などが一部含まれており、この有害物質の量が多いと人体に悪影響を与えるので、種々の方法により減少させている。

燃料蒸発ガスは、フューエル・タンクから燃料が蒸発し、大気中に放出されるガスをいう。この成分は、主にHCである。
(3) ブローバイ・ガスとは,ピストンとシリンダ壁との隙間から,クランクケース内に吹き抜けるガスをいう。
適切
ブローバイ・ガスは、ピストンとシリンダ壁との隙間から、クランクケース内に吹き抜けるガスで、 のガスの成分は、燃料と空気が混合した未燃焼ガスと、燃焼後のガスで、有害物質は主にHCである。
(4) 一般に始動時,高負荷時などには,理論空燃比より濃い混合気が必要となる。
適切
1kgのガソリンを燃焼させるのに必要な空気量は、理論上約15kgとされている。一般に、中負荷の定速で運転している場合は、理論上の質量に近い空気量で燃焼が行われるが、始動時、アイドリング時、高負荷時などには、濃い混合気が必要となる。
よって答えは(1)