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エンジン本体のバルブ開閉機構のバルブ・スプリングに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1) 不等ピッチ・スプリングは,質量が大きいピッチの狭い方をシリンダ・へッド側に向けて組み付けられている。
(2) エンジンの出力不足や高速不調の原因の一つとして,バルブ・スプリングの衰損又は折損が考えられる。
(3) 回転速度に応じて伸縮が繰り返されるので,耐疲労性,強じん性などが要求され,かつ,バルブをカムの運動に従い迅速確実に閉じるばね力も要求される。
(4) 複式スプリングは,スプリング同士のかみ込みを防ぐためと座りを安定させるために,一般に,外側と内側のスプリングの巻き方向が同じである。
解く
(1) 不等ピッチ・スプリングは,質量が大きいピッチの狭い方をシリンダ・へッド側に向けて組み付けられている。
適切

(2) エンジンの出力不足や高速不調の原因の一つとして,バルブ・スプリングの衰損又は折損が考えられる。
適切
◎出力不足及び高速不調
出力不足及び高速不調の現象としては、走行はできるがスロットル開度に応じた出力がない、最高速度か低い、登坂能力がない、高速走行時スロットル開度一定で、息つき、走行不円滑又は車両が後方へ引かれるような感じがする。いずれの場合も運転者が感覚的に訴える場合が多く判定も難しいので、十分に間診を行い、現象を的確につかむことが必要である。
・着目点
アイドリング及び低速がほぼ正常であって、高出力要求時に間題があるということに着目すれば、燃料系統では、フューエル・フィルタなどの詰まりによる燃料供給不足、点火系統では、点火時期の不良、進角の不良などが考えられる。また、エンジン本体としては、圧縮圧力の低下、吸排気系統の詰まりなどが考えられる。
・推定原因
(燃料系統)
o フューエル・ポンプの不良
o フューエル・フィルタ、パイプの詰まり
o フューエル・タンク・ブリーサ・ホースの詰まり
(電子制御システム)
o インジェクタの不良( ※ )
o プレッシャ・レギュレータの不良
(点火系統)
o スパーク・プラグの不良
o ハイテンション・コードの不良 点火時期の不良
o イグニション・コイルの不良(※)
(電子制御システム)
o イグナイタの不良
(制御系統)
(電子制御システム)
o スロットル・ポシション・センサの不良(※)
o バキューム・センサの不良(※)
o 水温センサの不良(※)
o クランク角センサの不良(※)
o コントロール・ユニットの不良
(エンジン本体)
o シリンダ、ピストン及びピストン・リングの摩耗又は損傷
o シリンダ・ヘッド・ガスケットの損傷
o バルブ・ステムの焼き付き
o バルブとバルブ・シートとの密着不良
o ピストン・リングの固着
o バルブ・タイミングの狂い
o バルブ・クリアランスの不良
o バルブ・スプリングの衰損又は折損
o エア・クリーナ・エレメントの詰まり
o マフラ又は触媒コンバータの詰まり
(3) 回転速度に応じて伸縮が繰り返されるので,耐疲労性,強じん性などが要求され,かつ,バルブをカムの運動に従い迅速確実に閉じるばね力も要求される。
適切
◎バルブ・スプリング
バルブ・スプリングは、バルブをカムの運動に従い迅速確実に閉じるばね力が要求される。また、回転速度に応じて伸縮が繰り返されるので、耐疲労性、強じん性なども要求されるため、材料は、その性質により、シリコン、マンガン、クロム、パナジウムなとを数種類の組み合わせで添加した特殊鋼、いわゆる、耐熱ばね鋼が用いられている。
バルブ・スプリングは、作動時の荷重が往復運動部分に働く慣性カより高くないと、正確なバルブ開閉ができない。この作動時荷重が往復運動部分に働く慣性カより低くなると、バルブがカムから離れたり、バルブ・シートに着座するときに振動したりする。図のように、バルブ・スプリングの一端を急に圧縮すると、スプリングの各コイルは圧縮されたその端から順次圧縮されていき、それが他端で反射され、一定の周期でコイ ルを往復する圧縮波になる。この周期とカムによるバルブの開閉速度の周期が同調すると、 バルブ・スプリングが共振を起こして異常な振動をする。この現象をサージングといい、高速回転時に起きやすい。サーシングが起きるとバルブが振動したり、ときには破損することもあるので、これを防止するために複式のスプリングや不等ピッチのスプリングが用いられている。

(4) 複式スプリングは,スプリング同士のかみ込みを防ぐためと座りを安定させるために,一般に,外側と内側のスプリングの巻き方向が同じである。
不適切
図(1)は、ばね定数の異なる内外(インナ及びアウタ)二つのスプリングを設けた複式スプリングで、外側と内側のスプリングの巻き方向が逆になっているのが一般的である。これはスプリング同士のかみ込みを防ぐためと座りを安定させるためである。また、図(2)の不等ピッチ・スプリングは、質量の大きいピッチの狭い方をシリンダ・ヘッド側に向けて組み付ける。

よって答えは(4)