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令和7年10月実施2級二輪問題35:潤滑剤の極圧潤滑

〔NO. 35〕

潤滑剤の極圧潤滑に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

 

(1)油膜が破れた場合、直接、金属同士が接触することを防いでいる状態をいう。

(2)二硫化モリプデンなどの特殊な固体物質を摩擦面間に介在させることによって、摩擦や摩耗を低下させる潤滑方法である。

(3)潤滑油の中の油性剤が接触部に吸着して、極めて薄い油膜を形成したときの潤滑状態である。

(4)摩擦面間に十分な厚さの流体膜が介在する状態での潤滑で、一般に、摩擦力も低く摩耗もほとんどない潤滑状態である。

 

 

解く

(1)油膜が破れた場合、直接、金属同士が接触することを防いでいる状態をいう。

適切

(2)二硫化モリプデンなどの特殊な固体物質を摩擦面間に介在させることによって、摩擦や摩耗を低下させる潤滑方法である。

不適切

 ◎固体潤滑

固体潤滑は、特殊な固体物質(二硫化モリブデン黒鉛など)を摩擦面間に介在させることによって、摩擦や摩耗を低下させる潤滑方法である。これらの固体物質には、介在させる物質自体が柔らかい、せん断によって内部に滑りが生じやすいなど、その他潤滑剤としての性質を満たしていることが不可欠である。

 

(3)潤滑油の中の油性剤が接触部に吸着して、極めて薄い油膜を形成したときの潤滑状態である。

不適切

境界潤滑

境界潤滑は、潤滑油の中の油性剤が接触部に吸着して、極めて薄い油膜を形成したときの潤滑状態である。

この境界潤滑は、高荷重での低速状態、粘度不足、給油不足のとき、及び起動・停止の前後などに起こる。

 

(4)摩擦面間に十分な厚さの流体膜が介在する状態での潤滑で、一般に、摩擦力も低く摩耗もほとんどない潤滑状態である。

不適切

流体潤滑

流体潤滑は、摩擦面間に十分な厚さの流体膜が介在する状態の潤滑で、このときは固体同士の直接接触はなくなり、油分子間の摩擦だけとなり、一般に摩擦力も低く、摩耗もほとんどなく、理想的な潤滑状態である。

 

 

潤滑状態

潤滑状態は、分類すると流体潤滑、境界潤滑、極圧潤滑、固体潤滑に分けられる。

1)流体潤滑

流体潤滑は、摩擦面間に十分な厚さの流体膜が介在する状態の潤滑で、このときは固体同士の直接接触はなくなり、油分子間の摩擦だけとなり、一般に摩擦力も低く、摩耗もほとんどなく、理想的な潤滑状態である。

2)境界潤滑

境界潤滑は、潤滑油の中の油性剤が接触部に吸着して、極めて薄い油膜を形成したときの潤滑状態である。

この境界潤滑は、高荷重での低速状態、粘度不足、給油不足のとき、及び起動・停止の前後などに起こる。

3)極圧潤滑

荷重が増大し、摩擦面温度が高くなると吸着油膜では荷重が支えきれなくなり、油膜か破れて金属接触を起こすようになる。金属接触を起こすと接触部に融着と引きちぎりが起こり、摩擦は急増する。

このような現象を防ぐには、塩素、りん、硫黄なとの有機化合物を配合した特殊な潤滑剤を使用する必要がある。この特殊な潤滑剤を使用すると有機化合物が潤滑金属面と化学的に反応し、二次的な金属化合物皮膜(塩化鉄皮膜、りん化鉄皮膜、硫化鉄皮膜など)をつくる。これらの金属化合物皮膜は剥がされてもすぐに修復され、直接、金属同士が接触することを防いでいる。この状態を極圧潤滑という

 4)固体潤滑

固体潤滑は、特殊な固体物質(二硫化モリブデン黒鉛など)を摩擦面間に介在させることによって、摩擦や摩耗を低下させる潤滑方法である。これらの固体物質には、介在させる物質自体が柔らかい、せん断によって内部に滑りが生じやすいなど、その他潤滑剤としての性質を満たしていることが不可欠である。

 

 

よって答えは1