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令和7年10月実施2級二輪問題11:スパーク・プラグの着火性の向上

〔NO. 11〕

スパーク・プラグの着火性の向上に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)中心電極を細くすると、電極による消炎作用が小さくなり、火炎核が成長しやすくなる。

(2)中心電極の突き出し量を大きくすると、混合気中のガソリン分子にさらされる機会が多くなる。

(3)電極に溝を設けると、飛火性を損なうことなく消炎作用を抑え、火炎核の成長を助ける。

(4)スパーク・プラグのギャップを狭くすると、電極の消炎作用が減少し、火炎核が成長しやすくなる。

 

 

 

解く

 

(1)中心電極を細くすると、電極による消炎作用が小さくなり、火炎核が成長しやすくなる。

適切

中心電極を細くする

中心電極を細くすると、図のように飛火性が向上すると共に着火性も向上する。これは、電極が細くなることにより消炎作用が小さくなり、火炎核が成長しやすくなるためである。

(2)中心電極の突き出し量を大きくすると、混合気中のガソリン分子にさらされる機会が多くなる。

適切

中心電極の突き出し量を大きくする

碍子脚部の先端が、ハウジングより突き出した構造になっているものをプロジェクト・タイプのスパーク・プラグといい、このタイプの特徴は、スパーク・ギャップの位置が燃焼室に突き出ているので、混合気中のガソリン分子にさらされる機会が多く、着火性がよいということである。

中心電極の突き出し量と空燃比による着火性の関係は、図のように、突き出し量か大きいほど薄い混合気ても着火できることが分かる。

(3)電極に溝を設けると、飛火性を損なうことなく消炎作用を抑え、火炎核の成長を助ける。

適切

電極に溝を設ける

図のように接地電極にU字型の溝を設けたり、中心電極の先端に十字型に溝を設けることによって、火炎核が小さいうちに熱が吸収される部分が少なくなる。そのため、それらの電極は、飛火性を損なうことなく消炎作用を抑え、火炎核の成長を助けて着火性を向上させている。

(4)スパーク・プラグのギャップを狭くすると、電極の消炎作用が減少し、火炎核が成長しやすくなる。

不適切

 

スパーク・プラグのギャップを広くする

スパーク・プラグのギャップを広くすると電極の消炎作用が減少し、また、火花により刺激される燃料分子の数か多くなるので、火炎核が成長しやすくなり着火性が向上する。

しかし、スパーク・プラグのギャップを広くすると要求電圧か高くなり、イグニション・コイルの性能にも限界かあるので、ギャップを飛火限界以上に広くすると火花か飛はなくなる。

 

 

よって答えは4