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令和7年10月実施2級二輪問題1:ピストン及びピストン・リング

〔NO. 1〕ピストン及びピストン・リングに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

 

(1)オフセット・ピストンとは、質量を軽くするためにボス方向のスカート部を切り欠いた構造のものである。

(2)アルミニウム合金ピストンのうち、高けい素アルミニウム合金ピストンは、ローエックス・ピストンよりもシリコンの含有量が少ない。

(3)コンプレッション・リングは、スカッフ現象を防止するためにリング幅を狭くして面圧を増す傾向にある。

(4)バレル・フェース型のピストン・リングは、しゅう動面が円弧状になっており、初期なじみの際の異常摩耗が少なく、一般にトップ・リングに用いられている。

 

解く

 

(1)オフセット・ピストンとは、質量を軽くするためにボス方向のスカート部を切り欠いた構造のものである。

不適切

◎スリッパ・スカート・ピストン

スリッパ・スカート・ピストンは、質量を軽くするため、図のように ボス方向のスカート部を切り欠いた構造のものである。

オフセット・ピストン

オフセット・ピストンは、 図のように、ピストン・ピンの中心位置をピストンの中心に対して、右又は左へ僅かにオフセットしたもので、ピストンの打音(スラップ音)防止の効果がある。

(2)アルミニウム合金ピストンのうち、高けい素アルミニウム合金ピストンは、ローエックス・ピストンよりもシリコンの含有量が少ない

不適切

アルミニウム合金ピストンは、シリコンの含有量が多いものを高けい素アルミニウム合金ピストン、これより含有量が少ないものをローエックス・ピストンと呼んでいる

 

(3)コンプレッション・リングは、スカッフ現象を防止するためにリング幅を狭くして面圧を増す傾向にある。

不適切

◎スカッフ現象

スカッフ現象とは、シリンダ壁面の油膜か切れてリングとシリンダ壁面が直接接触し、リングやシリンダの表面に引っかき傷ができることをいい、この現象は、オイルの不良や過度の荷重が加わったとき、あるいはオーバヒートした場合などに起こりやすい。

 

(4)バレル・フェース型のピストン・リングは、しゅう動面が円弧状になっており、初期なじみの際の異常摩耗が少なく、一般にトップ・リングに用いられている。

適切

バレル・フェース型

バレル・フェース型は、しゅう動面が円弧状になっており、初期なじみの際の異常摩耗が少なく、シリンダ壁面との油膜を一定に保つので、後述のスカッフ現象を防止する。また、燃焼(膨張)行程及び圧縮行程では、図のように燃焼ガスの圧力及び圧縮圧力が、リングの上面と背面に加わるため、一層強くシリンダ壁面に密着して、ガス漏れや圧縮漏れを防ぐと共に、オイル上がりを防ぐ役目も果たしている。

なお、このリングは一般にトップ・リングに用いられている

 

よって答えは4