〔NO. 25〕
フレーム及びボデー 関する記述として、適切なも は次のうちどれか。
(1)モノコック・ボデーは、サスペンションなどからの振動や騒音は伝わりにくいため、防音、防振のための工夫は不要である。
(2)フロント・バンパ・リーインフォースメントは、衝突エネルギを効率よく左右のフロント・サイド・メンバに分散させる働きをする。
(3)フレームに亀裂が発生すると、どんな小さなものでも次第に大きくなるので、部分的に補強材 (当て板)を当てるだけの修正が推奨される。
(4)スケルトン構造は、フレームとボデーを組み合わせた骨格構造で応力を保持し、ボデー外板に作用している応力についても全て許容応力以下の大きさになるように作られている。
解く
(1)モノコック・ボデーは、サスペンションなどからの振動や騒音は伝わりにくいため、防音、防振のための工夫は不要である。
図に示す乗用車のモノコック・ボデーは「卵の殻」に例えられ、ボデー全体に丸みをもたせ、の殻全体の構造によって剛性を高めている。

モノコック・ボデーには、次のような特徴がある。
・一体構造のため、曲げ及びねじれ剛性に優れている。
・ボデー自体がフレームの役目を担うため、質量を小さくすることができる。
・構造上、フロアを低くできるので、室内空間を広くすることができる。
・薄鋼板を使用し、ひすみの少ないスポット溶接が多く採用されているので精度が高い。
このような利点がある反面、1箇所に力が集中すると比較的簡単にひびが入ったり、割れてしまうなどの弱点があるため補強が必要となる。また、そのほかにモノコック・ボデーの弱点は次のようなことが挙げられる。
・サスペンションなどから振動や騒音が伝わりやすく、防音、防振のための工夫が必要となる。
・衝撃により破損した場合、構造が複雑なために修理が難しい。
不適切
(2)フロント・バンパ・リーインフォースメントは、衝突エネルギを効率よく左右のフロント・サイド・メンバに分散させる働きをする。
図のように客室より前にある補強材(以下、リーインフォースメントという。)は、衝突エネルギを吸収及び分散させるもので、客室部にあるリーインフォースメントは衝突エネルギによる客室の変形を最小限にするものである。

適切
(3)フレームに亀裂が発生すると、どんな小さなものでも次第に大きくなるので、部分的に補強材 (当て板)を当てるだけの修正が推奨される。
◎亀裂の修理
亀裂が発生すると、どんなに小さなものでも次第に大きくなるので、部分的に補強材(当て板)を当てるだけの修正は行わない。
亀裂の修正作業は、一般に図のように、亀裂の最先端の部分に直径5mmからフレーム板厚の2倍程度の穴をあける。

不適切
(4)スケルトン構造は、フレームとボデーを組み合わせた骨格構造で応力を保持し、ボデー外板に作用している応力についても全て許容応力以下の大きさになるように作られている。
◎バス
バスのボデーは、一般に図に示すスケルトン構造のものが用いられている。

スケルトン構造は、フレームとポデーを組み合わせて骨格構造だけで応力を保持し、ボデー外板を強度部材としないものである。この構造は、フ
レームにボデーが角形鋼管で組み立てられるため、外板面に応力が掛からないことから、大きな開口部が比較的に取りやすいなどの特徴がある。
なお、スケルトン構造は、前述したフレームとボデーを組み合わせて用いるものと、フレームとボデーが一体構造となったものがある。
不適切
よって答えは(2)