〔NO. 21〕ホイール及びタイヤに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)大型車では、規定トルクでホイール・ナット(ボルト)を締め付け後は50 ~ 100kmの走行を目安に増し締めをする必要がある。
(2)シミーとは、走行中に起こる前輪の横振れにより、ステアリング・ホイールが回転方向に継続的に振動する現象のことをいう。
(3)マグネシウム・ホイールは、アルミ・ホイールに比べて軽量で、寸法安定性、耐食性に優れている。
(4)タイヤのトレッド部の両肩が異常摩耗する場合は、エア圧の過小又は過負荷が考えられる。
解く
(1)大型車では、規定トルクでホイール・ナット(ボルト)を締め付け後は50 ~ 100kmの走行を目安に増し締めをする必要がある。
◎増し締め
締め付けトルクの大きな大型車では、規定の締め付けトルクでホイール・ナット(ボルト)を締め付けたあとでも、図(1)のように、ハブとホイール、ホイール面同士、ホイールとホイール・ナットの接合面の微細な凹凸、塗料及びごみなどが、走行することで発生する振動や圧力により、つぶれや摩耗が発生し初期なじみが起こる。この初期なじみは、軸力が低下する原因となり、場合によってはホイール・ナット(ボルト)の緩みの限界を下回り、ホイール・ナット(ボルト)に緩みが発生することがある。
このため、締め付け後は50~100kmの走行を目安に増し締めする必要があり、増し締めは、図(2)のように軸力の低下幅が大きい初期なじみか起こったあとに、再度、規定トルクでホイール・ナット(ボルト)を締め付けるもので、軸力低下を小さく抑えることができる。

適切
(2)シミーとは、走行中に起こる前輪の横振れにより、ステアリング・ホイールが回転方向に継続的に振動する現象のことをいう。
◎ダイナミック・アンバランス
タイヤ(ホイール付き)にスタティック・アンバランスがない状態で、高速で回転させたときにタイヤが横振れを起こすことがある。このアンバランスをダイナミック・アンバランスといい、主としてシミー(注参照)の原因になる。
(注)シミーとは、走行中に起こる前輪の横振れにより、ステアリング・ホイールが回転方向に継続的に振動する現象をいう。
適切
(3)マグネシウム・ホイールは、アルミ・ホイールに比べて軽量で、寸法安定性、耐食性に優れている。
◎マグネシウム・ホイール
マグネシウム・ホイールは、アルミ・ホイールに比べて更に軽量、かつ、寸法安定性に優れているため、軽量、高強度を要する用途に限定して用いられているが、耐食性、設計自由度がアルミ・ホイールと比べ劣る。
不適切
(4)タイヤのトレッド部の両肩が異常摩耗する場合は、エア圧の過小又は過負荷が考えられる。
図のようにトレッド部の両肩が摩耗する場合は、エア圧の過小又は過負荷が考えられる。

適切
よって答えは(3)