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令和7年10月実施2級ジーゼル問題15:ジーゼル・エンジンの予熱装置

〔NO. 15〕

ジーゼル・エンジンの予熱装置に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

 

(1)一般にエア・ヒータは、小型車のエンジンに用いられ、グロー・プラグは大型車のエンジンに用いられている。

(2)セラミック式の自己温度制御型グロー・プラグは、外側を保護金属管で覆い、その内側にラッシュ・コイルとブレーキ・コイルを直列に接続した構造である。

(3)自己温度制御型グロー・プラグ式予熱装置は、予熱の際に規定のエンジン冷却水温度に達すると、ECUがグロー・プラグ・リレーへの通電を止めてOFFさせる。

(4)電熱式インテーク・エア・ヒータは、ECUにより始動時のエンジン冷却水温度に応じて予熱時間を制御し、吸気の通路の途中に設けたエア・ヒータで、吸入空気を適正温度まで暖めている。

 

 

 

解く

 

(1)一般にエア・ヒータは、小型車のエンジンに用いられ、グロー・プラグは大型車のエンジンに用いられている。

 

予熱装置

概要

ジーゼル・エンジンは,空気を圧縮したときに発生する熱で燃料に着火させるため,特に寒冷時の始動か困難となる場合がある。これを補う目的で予熱装置が用いられる。

予熱装置には,吸入空気通路の途中にエア・ヒータを設けて吸入空気を暖めるものや,燃焼室内にグロー・プラグを設けてあらかじめ燃焼室内の空気を暖める方法などがある。

一般にエア・ヒータは中型から大型車のエンジンに用いられ,グロー・プラグは小型から中型車のエンジンに用いられている。

 

不適切

 

(2)セラミック式の自己温度制御型グロー・プラグは、外側を保護金属管で覆い、その内側にラッシュ・コイルとブレーキ・コイルを直列に接続した構造である。

自己温度制御型グロー・プラグ

(イ)メタル式

図(1)に示すメタル式は外側を保護金属管で覆い,その内側にヒート・コイルであるラッシュ・コイルと温度の上昇に伴って抵抗値が大きくなり電流量を抑えるブレーキ・コイルを直列に接続し,グロー・プラグ自体に自己温度制御機能をもたせて規定の温度を保持させている。

(3)自己温度制御型グロー・プラグ式予熱装置は、予熱の際に規定のエンジン冷却水温度に達すると、ECUがグロー・プラグ・リレーへの通電を止めてOFFさせる。

 

図に示す自己温度制御型グロー・プラグ式予熱装置の予熱回路の作動について説明する。

キー・スイッチをONの位置にすると,インジケータ・ランプが点灯しECUへの通電が行われる。

ECUは水温センサからの入力信号により予熱水温の範囲にあるかを判断し,予熱水温にあるときはグロー・プラグ・リレーに通電しONさせる。これにより,バッテリからの電流はグロー・プラグに流れて予熱を開始する。

ECUは予熱水温に見合った時間だけグロー・プラグ・リレーに通電を続けて予熱を行い,しばらくすると,インジケータ・ランプが消灯して運転者に始動可能状態になったことを知らせる。

また,規定の通電時間に達すると,ECUはグロー・プラグ・リレーへの通電を止めてOFFさせる。

 

この状態で,キー・スイッチをSTARTの位置に切り替えるとスタータによってエンジンが回転し始めるので,グロー・プラグで暖められた空気が圧縮されることにより圧縮熱が高くなることでエンジンの始動が容易になる。始動後はECUにより引き続き冷却水温度に応じて,一定時間グロー・プラグ・リレーをONにしグロー・プラグに電流を流すので,グロー・プラグの温度が規定値に保持され始動後のエンジンは円滑に回転する。

不適切

 

 

 

(4)電熱式インテーク・エア・ヒータは、ECUにより始動時のエンジン冷却水温度に応じて予熱時間を制御し、吸気の通路の途中に設けたエア・ヒータで、吸入空気を適正温度まで暖めている。

 

このインテーク・エア・ヒータの特徴は,ECUにより始動時のエンジン冷却水温度に応じて,自動的に予熱時間を制御して吸入空気を適正温度まで暖めるものである。

以下,その作動を図で説明する。

キー・スイッチをONの位置にすると,ECUは水温センサからの入力信号により,規定の予熱を必要とする冷却水温度(以下,予熱水温という。)の範囲にあるかを判断する。

予熱水温にあるときは.ヒータ・リレーに通電し,ヒータ・リレーをONさせると共に,インジケータ・ランプを点灯させる。これにより,バッテリからの電流はエア・ヒータに流れて予熱を開始する。

ECUは,予熱水温に見合った時間だけエア・ヒータに通電を続けて予熱を行い,規定の通電時間に達すると,ヒータ・リレーへの通電を止めてヒータ・リレーをOFFにすると共に,インジケータ・ランプを消灯させ予熱を終了させる。

インシケータ・ランプ消灯後,キー・スイッチをSTARTの位置に切り替えると,スタータによってエンジンが回転し始めるので,エア・ヒータで暖められた空気がシリンダ内へ吸入されることで,寒冷時においても適正な圧縮熱が得られ,エンジンの始動が容易になる。

なお.電熱式インテーク・エア・ヒータでは,このほかに,エンジン始動後もエンジンを円滑に回転させるために引き続き予熱を行う機構を設けているものもある。

 

適切

 

 

よって答えは4