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令和7年10月実施2級ガソリン問題34:エンジン・オイルの添加剤;粘度指数向上剤

NO. 34

エンジン・オイルの添加剤のうち、粘度指数向上剤に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

 

(1)燃焼生成物及びオイルの劣化物のために、 シリンダ壁面やその他の摩擦部の腐食を防止するための添加剤である。

(2)温度変化に対しても適正な粘度を保って潤滑を完全にし、寒冷時のエンジンの始動性も良好にする添加剤である。

(3)オイルの金属表面に対するなじみを良くし、強固な油膜を張らせる添加剤である。

(4)エンジン・オイルが冷却された際、オイルに含まれるろう(ワックス)分が結晶化しようとするのを抑えるための添加剤である。

 

 

 

解く

(1)燃焼生成物及びオイルの劣化物のために、 シリンダ壁面やその他の摩擦部の腐食を防止するための添加剤である。

不適切

腐食防止剤

 

(2)温度変化に対しても適正な粘度を保って潤滑を完全にし、寒冷時のエンジンの始動性も良好にする添加剤である。

適切

 

(3)オイルの金属表面に対するなじみを良くし、強固な油膜を張らせる添加剤である。

不適切

油性向上剤

 

(4)エンジン・オイルが冷却された際、オイルに含まれるろう(ワックス)分が結晶化しようとするのを抑えるための添加剤である。

不適切

流動点降下剤

 

 

よって答えは2

 

◎エンジン・オイルの添加剤

エンジン・オイルには、本来もっている好ましい性質を向上させたり、新しい性質を与えたりするために

種々の添加剤が加えられている。

(1)油性向上剤

油性向上剤は、オイルの金属表面に対するなじみを良くし、強固な油膜を張らせる添加剤である。

(2)粘度指数向上剤

粘度指数向上剤は、粘度指数を増大するために用いられ、温度変化に対しても適正な粘度を保って潤滑を完全にし、寒冷時のエンジンの始動性も良好にする。

(3)摩耗防止剤

エンジンには、多くのしゅう動部分があり、しゅう動による摩耗を防ぐために摩耗防止剤が添加されている。

(4)腐食防止剤

燃料生成物及びオイルの劣化物のために、シリンダ壁面やその他の摩擦部が腐食される。これを防止する目的で腐食防止剤が添加されている。

 

(5)流動点降下剤

流動点降下剤は、エンジン・オイルが冷却された際、オイルに含まれるろう(ワックス)分が結品化するのを抑えて、オイルの流動性を保つ作用があり、このためオイルの流動点が低くなる。

 

(6)清浄分散剤

清浄分散剤は、エンジン・オイル中に混入する炭素やスラッジを油中に遊離させる作用があり、このため、エンジン内部は常に清浄な状態に保たれ、ピストン・リングの固着、軸受けの焼き付きなどを防止する。

その代わり、オイルそのものは分散した炭素によって黒くなる。また、清浄分散剤はアルカリ性なので酸を中和する能力ももっている。

 

(7)酸化防止剤

エンジン・オイルは使用中に酸化しにくいことが重要である。酸化すると、酸、ワニス、樹脂状物質を生成して粘度が増加し、潤滑性が低下すると共に、腐食や摩耗を促進させるので、これらの現象を抑制するために酸化防止剤が添加されている。

 

(8)消泡剤

エンジン・オイルはクランクシャフトによって、激しくかくはんされているので気泡が発生しやすい。

この気泡によってオイル・ポンプが各潤滑部にオイルを圧送できないことがないように、消泡剤を添加し、気泡の発生を防止している。