〔NO. 33〕
鋼の熱処理に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1)焼き戻しとは、焼き入れした鋼をある温度まで加熱した後、徐々に冷却する操作をいう。
(2)窒化とは、鋼を浸炭剤の中で焼き入れ、焼き戻し操作を行う加熱処理をいう。
(3)浸炭とは、鋼の表面層の炭素量を増加させて軟化させる操作をいう。
(4)高周波焼き入れとは、高周波電流で鋼の表面層から内部まで全体を加熱処理する焼き入れ操作をいう。
解く
(1)焼き戻しとは、焼き入れした鋼をある温度まで加熱した後、徐々に冷却する操作をいう。
適切
◎熱処理
熱処理とは、鉄鋼などの金属に所要の性質を与えるために行う加熱及び冷却の操作をいい、これには、焼き入れ、焼き戻し、表面硬化処理などがある。
焼き入れは、鋼の硬さ及び強さを増すため、ある温度まで加熱したあと、水や油などで急に冷却する操作をいい、炭素の含有量の多い鋼ほど効果は大きいが、材質はもろくなる。
焼き戻しは、焼き入れによるもろさを緩和し、粘り強さを増すため、ある温度まで加熱したあと、徐々に冷却する操作をいう。
(2)窒化とは、鋼を浸炭剤の中で焼き入れ、焼き戻し操作を行う加熱処理をいう。
不適切
窒化は、鋼の表面層に窒素を染み込ませ硬化させる操作をいう。
(3)浸炭とは、鋼の表面層の炭素量を増加させて軟化させる操作をいう。
不適切
浸炭は、鋼の表面層の炭素量を増加させて硬化させるために、浸炭剤の中で焼き入れ、焼き戻し操作を行う加熱処理である。
(4)高周波焼き入れとは、高周波電流で鋼の表面層から内部まで全体を加熱処理する焼き入れ操作をいう。
不適切
高周波焼き入れは、高周波電流で鋼の表面層を加熱処理する焼き入れ操作である。
よって答えは（1）
