〔NO.15〕
スター結線式オルタネータに関する次の文章の(イ)から(ハ)に当てはまるものとして、下の組み合わせのうち、適切なものはどれか。
中性点ダイオード付きオルタネータは、中性点電圧が出力電圧を超えたとき、及び中性点電圧がアース電位を下回ったときの電圧(交流分)を(イ)に加算し、(ロ)における(ハ)の増加を図っている。
(イ) (ロ) (ハ)
(1)直流出力 低速回転時 出力電流
(2)直流出力 高速回転時 出力電流
(3)交流出力 高速回転時 出力電圧
(4)交流出力 低速回転時 出力電圧
解く
よって答えは(2)
◎中性点ダイオード付きオルタネータ
中性点ダイオード付きオルタネータは、スター結線式オルタネータの中性点の電圧変動を直流出力に加算するため、図のように中性点と出力端子の間にダイオードを2個追加し、高回転時における出力の増加を図っている。

オルタネータに出力電流が流れているときは、この中性点に現れる電圧は、直流電圧だけではなく、図のように交流分を含んでいる。この交流分は、出力電流が流れることによって各相に誘起される第3高調波電圧(注参照)が、共に同じ位相であるために中性点に現れるもので、オルタネータの回転速度が2000~3000min-1を超えるに伴って、その最大値は直流出力電圧(レギュレータによって一定に制御されている)を超える値となる。

これにより、中性点電圧(VN)が出力電圧(VB)よりも高くなったとき、又はアース電位よりも低くなったとき(上図の赤い部分)のみ、図9、10のように(+)と(-)の各出力端子間に接続された中性点ダイオードのD1又はD2を経て、電流が流れることになり、これが従来の出力電流に加算される。

したがって、出力特性は、中性点ダイオードがない場合の特性に対して、途中から徐々に上昇し、通常の定格を表示する回転速度5000min-1付近では、図のように中性点なしの約80Aから約90Aとなり、10~15%程度、出力が上昇する。
