〔NO.13〕
吸排気装置の過給機に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)ターボ・チャージャは、過給圧が規定値以上になると、ウエスト・ゲート・バルブが開いて、排気ガスの一部がタービン・ホイールをバイパスして排気系統へ直接流れる。
(2)2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、過給圧が規定値以上になると、過給圧の一部を排気側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。
(3)2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、ロータ1回転につき4回の吸入・吐出が行われる。
(4)ターボ・チャージャは、小型軽量で取り付け位置の自由度は高いが、排気エネルギの小さい低速回転域からの立ち上がりに遅れが生じ易い。
解く
(1)ターボ・チャージャは、過給圧が規定値以上になると、ウエスト・ゲート・バルブが開いて、排気ガスの一部がタービン・ホイールをバイパスして排気系統へ直接流れる。
適切
過給圧が規定値以上になると、図のようにアクチュエータのダイヤフラムが過給圧によって押され、ウェスト・ゲート・バルブが開いて、排気ガスの一部がタービン・ホイールをバイパスして流れるので、タービン・ホイール及びコンプレッサ・ ホイールの 回転速度が低下する。

(2)2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、過給圧が規定値以上になると、過給圧の一部を排気側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。
不適切
急加速時など過給が必要な場合であっても、必要以上に過給圧が高くなるとノッキングなどの弊害が発生するため、過給圧が規定値になると、過給圧の一部を吸入側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。

(3)2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、ロータ1回転につき4回の吸入・吐出が行われる。
適切
図(1)でドライブ・ロータとハウジング間にエア面が吸入され、図(2)、(3)のように移動して図(4)で吐出されるが、図(1)の面の反対側(左側)のエアは図(2)で吐出されるため、ドライブ・ロータ1回転につき吸入、吐出が2回行われる。同様に、ドリブン・ロータによるエアBの移動は、図(3)、(4)、(1)、(2)の順で行われるが、図(3)のBの反対側(左側)のエアは図(4)で吐出されるため、ドリブン・ロータも1回転につき吸入、吐出が2回行われる。したがって、2葉ルーツ式ではロータ1回転につき4回の吸入・吐出が行われることになる。

(4)ターボ・チャージャは、小型軽量で取り付け位置の自由度は高いが、排気エネルギの小さい低速回転域からの立ち上がりに遅れが生じ易い。
適切
ターボ・チャージャは小型軽量で取り付け位置の自由度は高いが、排気エネルギ(排気ガスの量、圧力、温度)の小さい低速回転域からの立ち上がりに遅れが生じ易い。反対にスーパ・チャージャは、駆動機構が機械的なため作動遅れは小さいが、各部のクリアランスからの圧縮漏れや回転速度の増加と共に、駆動損失も増大するなどの効率の低下がある。
よって答えは(2)