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自動車整備士資格試験を解く

令和7年10月実施2級ガソリン問題11:バッテリ

〔No.11〕

バッテリに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)ハイブリッド・バッテリは、正極にカルシウム(ca)鉛合金、負極にアンチモン(Sb)鉛合金を使用している。

(2)カルシウム・バッテリは、メンテナンス・フリー(MF)特性を向上させるために電極(正極・負極)にカルシウム鉛合金を使用している。

(3)アイドリング・ストップ車両用のカルシウム・バッテリは、深い充・放電の繰り返しへの耐久性を向上させている。

(4)低アンチモン・バッテリは低コストが利点であるが、MF特性はハイブリッド・バッテリに比べて悪い。

 

解く

(1)ハイブリッド・バッテリは、正極にカルシウム(ca)鉛合金、負極にアンチモン(Sb)鉛合金を使用している。

不適切

ハイブリッド・バッテリは、正極にアンチモン(Sb)鉛合金、負極にカルシウム(ca)鉛合金を使用しており、比較的自己放電及び電解液の蒸発が少なく熱や振動などにも強いため、業務用車両、大型車及び建設機械など過酷な状況にも耐えられるバッテリである。ただし、MF特性は後述するカルシウム・バッテリにやや劣る。

 

(2)カルシウム・バッテリは、メンテナンス・フリー(MF)特性を向上させるために電極(正極・負極)にカルシウム鉛合

金を使用している。

適切

カルシウム・バッテリは、MF特性を向上するために電極(正極・負極)にカルシウム鉛合金を使用したもので、自己放電及び電解液の蒸発が少なく長寿命となることから、現在ではほとんどの車両に使用されているバッテリである。

 

(3)アイドリング・ストップ車両用のカルシウム・バッテリは、深い充・放電の繰り返しへの耐久性を向上させている。

適切

充電制御を行う車両やアイドリング・ストップを行う車両で使用されるバッテリは、カルシウム・バッテリの極板及び格子(グリッド)の構造や材質をさらに改良し、短時間で効率良く充電できるように充電受入れ性能を向上させたもので、さらに、アイドリング・ストップ車両用のバッテリは、深い充・放電の繰り返しへの耐久性も向上させたものである。

(4)低アンチモン・バッテリは低コストが利点であるが、MF特性はハイブリッド・バッテリに比べて悪い。

適切

アンチモン・バッテリは、低コストが利点であるが、メンテナンス・フリー(MF)特性(注参照)は他のバッテリに比べ悪い。以前は多くの車両に使用されていたが、現在はほとんど使用されていない。

()メンテナンス・フリー(MF)特性とは、電解液の減少や自己放電率などの特性を総合的に考慮したもの。

 

よって答えは1