〔No.3〕
ピストン及びピストン・リングに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)バレル・フェース型のコンプレッション・リングは、しゅう動面が円弧状になっており、初期なじみの際の異常摩耗が少ない。
(2)アルミニウム合金ピストンのうち、高けい素アルミニウム合金ピストンよりシリコンの含有量が多いものをローエックス・ピストンと呼んでいる。
(3)コンプレッション・リングは、シリンダ壁面とピストンとの間の気密を保つ働きと、燃焼によりピストンが受ける熱をシリンダに伝える役目をしている。
(4)ピストン・ヘッド部には、圧縮圧力を高めるため、バルブの逃げを設けている。
解く
(1)バレル・フェース型のコンプレッション・リングは、しゅう動面が円弧状になっており、初期なじみの際の異常摩耗が少ない。
適切
バレル・フェース型
バレル・フェース型は、しゅう動面か円弧状になっており、初期なじみの際の異常摩耗が少なく、シリンダ壁面との油膜を一定に保つので、後述するスカッフ現象を防止する。また、燃焼(膨張)行程及ひ圧縮行程では、図のように燃焼ガスの圧力や圧縮圧力か、リングの上面と背面に加わるため、一層強くシリンダ壁面に密着して、ガス漏れや圧縮漏れを防ぐと共に、オイルりを防ぐ役目も果たしている。
なお、このリングは、一般にトップ・リングに用いられている。

(2)アルミニウム合金ピストンのうち、高けい素アルミニウム合金ピストンよりシリコンの含有量が多いものをローエックス・ピストンと呼んでいる。
不適切
ピストン
ピストンは、高温・高圧のもとで往復運動を行うので、熱伝導性、耐摩粍性に優れ、熱膨張が小さく、軽量であることが要求され、材料には、アルミニウムに鋼、シリコン(けい素)及びニッケルなどを含ませたアルミニウム合金が使用されている。アルミニウム合金ピストンは、シリコンの含有量が多いものを高けい素アルミニウム合金ピストン、また、含有量が少ないものをローエックス・ピストンと呼んでいる。また、ピストンには、図のように種々の工夫か施されてる。
(3)コンプレッション・リングは、シリンダ壁面とピストンとの間の気密を保つ働きと、燃焼によりピストンが受ける熱をシリンダに伝える役目をしている。
適切
コンプレッション・リングの作動
コンプレッション・リングは、シリンダ壁面とピストンとの間の気密を保つ働きと、燃焼によりピストンか受ける熱をシリンダに伝える役目をしている。
(4)ピストン・ヘッド部には、圧縮圧力を高めるため、バルブの逃げを設けている。
適切

よって答えは(2)