〔No.2〕
エンジンの性能に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1)体積効率と充填効率は、平地や高山など気圧の低い場所でも差はほとんどない。
(2)ポンプ損失(ポンピング・ロス)は、冷却水の温度、潤滑油の粘度のほかに回転速度による影響が大きい。
(3)機械損失は、ピストン、ピストン・リング、各べアリングなどの摩擦損失と、ウォータ・ポンプ、オイル・ポンプ、オルタネータなど補機駆動の損失からなっている。
(4)熱効率のうち図示熱効率とは、理論サイクルにおいて仕事に変えることのできる熱量と、供給する熱量との割合をいう。
解く
(1)体積効率と充填効率は、平地や高山など気圧の低い場所でも差はほとんどない。
不適切
体積効率と充瞋効率は、平地ではほとんど同じであるが、高山など気圧の低い場所では差を生じる。ガソリン・エンシンの体積効率は、一般に0.8ぐらいである。
(2)ポンプ損失(ポンピング・ロス)は、冷却水の温度、潤滑油の粘度のほかに回転速度による影響が大きい。
不適切
機械損失
機械損失は、ピストン、ピストン・リング、各べアリングなどの摩擦損失と、ウォータ・ポンプ、オイル・ポンプ、オルタネータなど補機駆動の損失からなっている。機械損失は、冷却水の温度、潤滑油の粘度のほかに回転速度の影響か大きい。
(3)機械損失は、ピストン、ピストン・リング、各べアリングなどの摩擦損失と、ウォータ・ポンプ、オイル・ポンプ、オルタネータなど補機駆動の損失からなっている。
適切
(4)熱効率のうち図示熱効率とは、理論サイクルにおいて仕事に変えることのできる熱量と、供給する熱量との割合をいう。
不適切
理論熱効率
理論熱効率とは、理論サイクルにおいて仕事に変えることのできる熱量と、供給する熱量との割合をいう。
図示熱効率
図示熱効率とは、実際のエンジンにおいて、シリンダ内の作動ガスがピストンに与えた仕事を熱量に換算したものと、供給した熱量との割合をいう。
作動ガスかピストンに与えた仕事量を図示仕事といい、その動力を図示仕事率という。
図示仕事は、指圧線図から求めることができるが、燃焼によって発生した熱が冷却水やエンジン本体へ逃げる冷却損失、吸入・排気によって生じるポンプ損失(ポンピング・ロス)などにより、理論仕事より小さくなる。したがって、図示熱効率は理論熱効率より常に小さくなる
正味熱効率
一般的に用いられる内燃機関の熱効率のことを正味熱効率といい、正味仕事率から算出した仕事を熱量に換算したものと、動力を得るために使った燃料の総熱いとの割合である。なお、正味仕事率から算出した仕事は、図示仕事から運動部分の摩擦、ウォータ・ポンプ、オルタネータなどの補機装置を動かすのに必要な仕事を差し引いたものである。
よって答えは(3)