自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

令和7年8月実施1級小型実技試験問題:考察22(問題4について:1)

問題4

ここにあるチェック・ボックスは、下記の不具合が発生している自動車のエンジンECU系統の端子電圧を再現しており、その電圧を測定端子に出力しています。

次の各問に答えなさい。なお、必要事項は、台上の留意事項に示してあります。

 

 

不具合の状況等

・定速走行中、エンジン警告灯が点灯した。

・DTCはP0340(カムシャフト・ポジション・センサ系統)を検出していた。

・フリーズ・フレーム・データには、エンジン回転数は2,000rpmを記録していた。

・エンジンECUへの電源線及びアース線は、正常なものとする。

 

 

 

《エンジンの仕様》

・シリンダ数:直列4気筒

・点火順序:1ー3一4ー2

 

《エンジンECUデータの再現(シミュレータ)の状況》

・不具合が発生していた60msの間のデータを再現している。

・エンジン回転数:無負荷2,000rpm

・エンジンの冷却水温:80℃

 

 

問1

台上のオシロスコープを用いて、下表の31~36の測定端子とボデー・アース(測定端子60)間の電圧波形と、正常時波形の端子番号とボデー・アース間の電圧波形を比較したうえで良否を判定し、その結果について何れかを〇印で囲みなさい。

31(41)、34(44)良:CH1

3343),3646)良:CH1

3242)、3545)良:CH2

問2

問1の結果から、不具合発生の要因となる系統を判定し、下表の該当するものを〇印で囲みなさい。

問3

不具合が発生していた60msの間にクランクシャフトが何回転するかを求め、その値を整数で解答欄に記入しなさい。

1ms=1/1000S

2000rpm=2000÷60÷1000×60=2回転

ちなみに、カムは1回転

 

実車の回路図抜粋

留意事項

問題4 試験は着席した状態で行うこと。

①測定は、チェック・ボックスで指定した測定端子だけで行う

②チェック・ボックスの番号と、回路図内の番号は、同じです。

③トリガーは自動でかかるため、オシロスコープ(ノートパソコン)の操作はしないこと

④V/DIVは5V、TIME/DIVは5ms、プローブは×1です。

⑤マイナス・プローブは測定端子60に接続済みです。

DTC 解説

DTC 解説

DTC P0340: VTC カム センサ パルスなし

TDC センサは、パルサ ロータとロータ位置とインテーク カムシャフト タイミングを検出する半導体で構成されている。 エンジンが始動するとパルサ ロータが回転し、TDCセンサの磁束が変動する。磁束の変動はパルス信号に変換されPGM-FI ECU に送られる。TDCセンサは、各シリンダの上死点も検知する。PGM-FI ECUはTDCセンサとクランク センサからのパル ス信号によってインテーク カムシャフト ポジションを決定している。 TDC センサからのパルス信号が入力されない場合、PGM-FI ECUは故障と判定し、DTCをストアする。

 

検知頻度・検知順序・検知所要時間・検知手法種別・OBDステータス

750rpm÷60=12.5回転/秒

12.5×2=25回転

カムの回転数

12.5÷2=6.25回転/秒

 

 

故障判定基準

クランク センサからのパルス信号が連続300回検出される間、TDCセンサからのパルス信号が入力されない場合。

58パルス(2パルス欠落)60パルス分で1回転

300÷60=5回転

カムの回転数は5÷22.5回転/秒で1パルスも出ない。

 

 推定故障部位

  • PGM-FI ECU と TDC センサ間コード(TDCAMライン)の地絡
  • PGM-FI ECU と TDC センサ間コード(TDCAMライン)の断線
  • TDC センサコード(電源供給ライン)の断線
  • TDC センサとボディ間コード(グランド ライン)の断線
  • TDC センサの故障 • PGM-FI ECU 内部回路の故障

 

DTC のストアとクリア

DTC のストア

車両が故障と判定した場合、PGM-FI警告灯が点灯し、PGM-FI ECUメモリにテンポラリDTC、DTCおよびフリーズ データが ストアされる。

 

DTC のクリア

車両が連続した3D/Cの走行で故障診断を行い正常と判定した場合、PGM-FI警告灯は消灯する。また、スキャン ツール (HDS を含む)のクリア コマンドの使用、もしくはバッテリ端子の取外しによりPGM-FI警告灯、テンポラリDTC、DTCおよ びフリーズ データがクリアされる。