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令和7年3月実施2級ジーゼル問題4:ジーゼル・エンジンに用いられているピストン及びピストン・リング

4.ジーゼル・エンジンに用いられているピストン及びピストン・リングに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

 

(1)トラックやバスなどの大型車のターボ・チャージャを装着したエンジンでは、アルミニウムを鋳造したピストンを用いて耐久性を確保している。

 

(2)ピストン・リングに起こる異常現象のうちスカッフ現象とは、カーポンやスラッジ(燃焼生成物)が固まってリングが動かなくなることをいう。

 

(3)インナ・カット型のピストン・リングは、燃焼ガス圧力が加わるとシリンダ壁面に全面で接触するが、圧力が加わらないときは、シリンダ壁面と線接触して、オイルをかき落とす作用もしている。

 

(4)ピストン・スカート部にグラファイトや二硫化モリプデンなどの固体潤滑剤を含むクロムめっきを施すのは、耐焼き付き性の向上やフリクション低減のためである。

 

 

解く

 

(1)トラックやバスなどの大型車のターボ・チャージャを装着したエンジンでは、アルミニウムを鋳造したピストンを用いて耐久性を確保している。

 

ピストン

ピストンは高温、高圧のもとで往復運動を行うもので,乗用車などの小型エンジンには,熱伝導性,耐摩耗性に優れ,熱膨張係数が小さく,軽量であるアルミニウム合金が用いられている。

アルミニウム合金ピストンは,シリコンの含有量の多いものを高けい素アルミニウム合金ピストン,これより含有量が少ないものをローエックス・ピストンと呼んでいる。

なお,トラックやバスなどの大型車のエンジンでは,ターボ・チャージャによる高過給などによりシリンダ内の燃焼圧力が高いため,鋳鉄製や鋼を鍛造したピストンを用いて耐久性を確保している。

 

 

(2)ピストン・リングに起こる異常現象のうちスカッフ現象とは、カーポンやスラッジ(燃焼生成物)が固まってリングが動かなくなることをいう。

 

スカッフ現象

スカッフ現象とは,シリンダ壁面の油膜が切れてリングとシリンダ壁面が直接接触しリングやシリンダの表面に引っかき傷ができることをいい.この現象は,オイルの不良や過度の荷重が加わったとき,あるいは,オーバヒートした場合などに起こりやすい。

スティック現象

スティック現象とは,カーボンやスラッジ(燃焼生成物)が固まってリングが動かなくなることをいい,その結果,気密性や油かき性能が悪くなり,オイル上がりや出力低下を起こす。

 

 

(3)インナ・カット型のピストン・リングは、燃焼ガス圧力が加わるとシリンダ壁面に全面で接触するが、圧力が加わらないときは、シリンダ壁面と線接触して、オイルをかき落とす作用もしている。

 

インナ・カット型

インナ・カット型は,燃焼ガス圧力が加わると,図(1)のようにシリンダ壁面に全面で接触するが,圧力が加わらないときは,図(2)のようにリングの上下端のa,b部で,ピストンと線接触し,オイルがリング背面を通って上昇するのを防ぐ。また,リング下端のc部は,テーパ・フェース型と同じようにシリンダ壁面に線接触して,オイルをかき落とす作用もしている。

なお,このリングは,一般にセカンド・リング及びサード・リングに用いられている。

(4)ピストン・スカート部にグラファイトや二硫化モリプデンなどの固体潤滑剤を含むクロムめっきを施すのは、耐焼き付き性の向上やフリクション低減のためである。

 

耐焼き付き性の向上やフリクション低減のため,スカート部にグラファイトや二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を含む樹脂コーティングを施したものもある。

また,アルミニウム合金ピストンは摩耗防止のため,図のようにトップ・リング溝に鋳鉄を用いたものもある。

ライナには,内周面にクロムめっきを施して耐摩耗性を向上させ,めっき表面に自己潤滑性をもたせるための加工を施したものや,外周面を機械加工して表面を滑らかに仕上げ,更に,クロムめつきを施すなどの処理を行い,キャビテーション(注参照)の発生を抑えているものもある。

(注)燃焼圧力及びピストン・スラップ(後述)の作用により,冷却水がシリンダ・ライナ外周面から離れ、その部分が空洞となって渦を生じる。

この現象をキャビテーションと呼び,腐食や浸食の原因なる。

 

 

よって答えは3